迷馬の隠れ家 はてな本館

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マーティの真面目にプライオリティー 2010年9月号(脳死移植を考える2010〜生体臓器移植について〜)


ども、マーティです。今月は通常通りの更新で“まじプラ”をお届けします。
今月は、去年より何故か好評を受けている(というより、更新する度にアクセス数が増える)、臓器移植関連の話として、今回は“生体移植”に関する簡単な解説を行いたいと思います。今回も、日本臓器移植ネットワークの解説を参考に、纏めていきます。

一部の報道で、俳優の安岡力也さんが重い肝臓病の為、息子さんから肝臓の提供を受け移植手術を受けたと報じられていますが、実は、臓器移植には、脳死者からの提供を待つ“脳死移植”と、親族からドナーとして適合する者から受ける“生体移植”というのがあります。今回のケースは、子どもから親へという“生体肝移植”という部類であり、ドナーから臓器の一部を提供され、それを移植する方法です。基本的にこれは、3等親間の親族で、血液型や免疫抗体等が合致する事が確認できる場合に行う方が、移植後の拒絶反応や合併症が少ないといった事もあって、特に人工透析を受けたり、肝硬変等で緊急の移植が必要とされる方が受ける方法です。脳死移植と違うのは、ドナーは健常者で尚かつ親族である事が前提であって、しかも“生体”とある様に、存命の者である事が条件となります。
したかって、いくら親族間であっても、“生体”で心臓や眼球は(当たり前ですが)移植できませんから、それ以外の臓器で、尚かつ分割や片方だけの摘出が可能な物に限定されます。今回の場合、肝臓の提供という事は、ドナー側の肝臓の一部を摘出し、それをレシビエント側に移植した…という事になります。(ちなみに、今年の臓器移植法改正により、心臓と眼球に関しては、脳死移植の際に、臓器提供意思表示カード等で、事前に“親族優先”という旨を示した場合、親族間による臓器提供が可能になり、該当する親族がいる場合にのみ適応されます。)
しかし、生体移植には問題点も多く、その中でも一番ネックになるのが、ドナー側の健康を害する可能性もあるという事です。つまり、健康な人の身体に、臓器摘出のために無理矢理メスを入れる訳ですから、一部の機能が一時的に、あるいは恒久的に低下する恐れがあり、場合によっては運動や食事に制限が掛かる場合もあるのです。臓器移植とは直接関係はありませんが、実際に、骨髄移植の場合、ドナー側も骨髄液を提供するにあたって、腸骨(腰の辺りにある部分)等に専用の注射針を刺すのに、全身麻酔を施して行っているため、提供中に容態が悪化して死亡するケースもあります。(詳しくは、こちらをご覧ください。)
どちらにしても、ドナー側もそれなりの覚悟の上で、生体での臓器提供を行っている訳ですから、それを批判したり、また、移植を受けたレシピエントを責める様な発言は、本来差し控えるべきではないでしょうか。もしもそれが、“自分”あるいは自分の親族であったなら、なおの事だと思います。

今月は以上です。お相手はボク、マーティでした。