迷馬の隠れ家 はてな本館

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原発廃止を訴えるなら…その三 ハイテクとローテク、どっちがいい?


それでも“原発は廃止すべきだ!!”と唱えるなら、今からでも遅くはないから、パソコンやテレビ、エアコンなどの家電・ハイテク機器そのものを使うのを止めて、廃棄される事をお勧めする。なぜなら、それらを使うからこそ、大量の電気が必要になるのであり、それを少ない施設数でカバーできるエネルギーを持っているのが、現時点では核燃料のみだという事だ。逆を言えば、原子炉一基分相当の電力を他の発電方法で賄おうと思ったら、太陽光発電でも、それこそ原発並みの敷地と、夜間でも電力供給が安定してできる為の一時的な蓄電機能が必要となる。つまり、電気は原則として“作り置き”ができないからこそ、そこんトコが解決しない限り、昼間はともかく、夜間の電力不足が発生しかねない。

現在、堺市には関西初となる大型太陽光発電所が部分的に運転を開始してて、ネット上からライブで見られる様になっている。(リンク先参照w)コレは、ネコとアヒルが力を合わせて…もとい、堺市関西電力がタッグを組んで、しかもシャープが亀山から堺に液晶パネルの工場を移設する際に、自社ブランドの太陽光パネルの性能を試す場として工場の屋根に取り付けたのを期に運用される事になった、官民一体のプロジェクトである。計画上では、約20haの敷地で7万枚のパネルを使って、1万kWの発電ができる様にしている。現在は二期工事区分が終了し、最大で約7000kWの出力がある。しかし、冷静に考えれば、コレでも小規模の水力発電所の最大出力(参考までに、同じ関電所有の寝覚発電所、最大で3.5万kW)と比べても、1/5程度と弱い。コレが現実。(だって、黒四と比較したら、あっちの方がバケモノですからw)
もちろん、もしも福島に原発(第一は4号機まで、ほぼ廃炉決定ですから…)の代わりにコレを作れば、出力そのものは激減するが、経済産業としては、原発以上のモノになると思う。しかし、そのためには、もっと広大で、しかも日照時間の長い場所である事が必須条件となる。東北地方で最も南側にあるとはいえ、雪が積もる場所である以上、難しいのがオチである。
現状を考えた場合、今すぐすべての原子炉を廃炉すれば、ハイテク機器は使えなくなる。しかし、その分だけアナログ的、ローテクな生活を強いられる反面、産業においては操業時の人員確保が一気に増える…否、増やさざる得なくなる。なんせ、機械が使えないから、ほぼ全ての工程が手作業による生産になるからだ。そうなると、今までだったらリストラされていた従業員を確保する為に、ありとあらゆる職種での求人が増える事になるだろう。しかし、残念な事に、現在の雇用情勢は、正社員よりも派遣会社経由での契約がメインであり、それによる賃金カットや社会保障制度の空洞化が進んでしまった…そう、本気で電気に頼らない、人海戦術でできる範囲の仕事までも機械化したツケが、今の“国難”を招いたと考えても良い。確かに、短時間に大量に生産できて、価格も安くできれば、消費者心理からして経済的に大助かりに思えるが、そもそも、その商品を買うお金を、どこから供給してもらうかを考えずに商売するから、モノが全然売れなくなるというパラドックスに陥るのである。就労する者が、しかも適切な賃金で労働できる環境であれば、たとえ原発が無くても、なんとかなる。が、そういったモノを“無駄”と称して省いた結果が、税収の落ち込みや自然災害などの有事の際の復興支援の妨げになっている訳である。そういった事を考えながら、反発する分には良いが、ただ単純に、世論の風向きだけを見て判断する事は、却って戦前と同じ結果になるだけ…何度も言うが、歴史は常に、未来に対して警告を発している。その事に気付かずに“過去の出来事”を、対岸の火事として捉えてはいけない。逆に言えば、現存するデータそのものを、もう一度見直すと、必ず克服できるヒントが垣間見る事になる。だから、単純に報道されている情報“だけ”に囚われず、そこから過去に何があったかを考え、もう一度見直す事も必要であり、それは復興への近道である。一見すると、遠回りの様だが、“急がば回れ”である。

以上、今回の講義は終了。お付き合いどーもでしたw