迷馬の隠れ家 はてな本館

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マーティの真面目にプライオリティー 2011年5月号(この夏の過ごし方…節電と熱射病の話)



ども、マーティです。政府の方針で、中部電力浜岡原発がしばらく使えない状況となり、また、各地の原発でも定期点検や運転見合わせが相次いでいるせいで、今年の夏は全国的に電力不足に陥る可能性があります。(とはいっても、脱原発を唱える方々は、それでも電気を無駄遣いされるのではないかと思われますが…)政府の方では、エアコンの設定温度をなるべく高めにして欲しいと訴えていますが、現在のエアコンは技術の進歩で、10年前と比べて約1/5の消費電力で運転が出来ます。とはいえ、それはあくまで理論上の話であり、実際は運転時間や設定温度、更には室内にいる人間の数が変わると、その分消費電力も増減します。つまり、下手な温度調整よりも、部屋の空気の流れを上手く利用して、ロスの少ない活用こそ、省エネの鍵なのです。ですから、ちょっとの工夫で“エアコンレス”の生活も可能ではないでしょうか?

まず、重要な事は、機械を動かす事は、その分だけの電力の消費と、大量の熱が発生するという事です。わかりやすく言えば、ノートパソコンやタブレット端末を長時間利用していると、メモリやHDD等の機能にもよりますが、本体の裏面等が熱くなっている事がありますよね。これは、コンピュータが演算処理を行う際に、大量の電気を消耗している証拠であり、筐体によっては内部に熱が籠り、それによる機能低下…いわゆる“熱暴走”と呼ばれる現象を発しかねない状況だという事です。(ちなみに、マスター経由で使っているMacBook Proは、筐体がアルミフレームなので、扇風機の風を当てるだけで、簡単に冷えてくれますが…)これを、オフィスで何十台と使っていれば、当然相当な熱が籠る訳です。特に、ITサーバを管理しているなら、その熱は膨大な状態になります。これを抑える為に、年中冷房を入れ続けなければならない訳ですから、当然ながらその消費電力は半端ではありません。ま、原発の燃料棒と同じで、冷やし続けなければ制御できない代物が、実はデジタル系の機器の“弱点”と言える訳です。
という事は、逆に考えれば、夏場にコンピュータを使わなければ、その分エアコンを使わなくて済む…という訳です。つまり、待機電力を抑える事よりも、“電気を使わない”という選択肢こそが、省エネの基本とも言える訳です。ですから、こういう時こそ古の“対処法”を用いる事が重要となってきます。
まず、何故、昔の日本の家屋は方位がほぼ同じなのか…それは地形もさることながら、“風の流れ”を読んだ構造だからです。つまり、季節の風を上手く利用し、家の中をまんべんなく空気が流れる様に、窓や壁の位置が決まっている訳です。また、それによる動線が、更に気流を作り上げる為、空気の入換えもスムーズに行われるカタチだった訳です。途中に坪庭を配した京町家は、狭い土地の活用と、空気の流れによる気温調整を行う、ある意味合理的な建て方だったと考える事が出来ますね。また、豪雪地帯として有名な岐阜県白川郷茅葺き屋根も、実は画期的な空調システムだったのはご存知でしょうか。屋根に吸水性がある事、そして保湿性がある事が重要なポイントで、冬場の雪や梅雨時の雨を吸い込んだ屋根は、夏場の気温上昇とともに水蒸気を発し、その気化熱で室内の温度を外より2〜3℃低めに保ち、更に家中の窓を開け放つ事で、更に体感温度を下げる工夫がなされている…という訳です。同じ原理で言えば、奈良の正倉院の宝物庫もそうで、三角柱に加工した木材を組み合わせて作った高床式の建物は、木が乾燥する事で収縮する時に換気を行い、湿気で膨張する時に庫内を密閉する仕組みになっているのです。そして、三角形の形にする事で、外気を程よく取り込める様になっているのです。
という事は、現在の戸建てやマンションでも、多少なりとも応用できる事がいくつかあり、例えば、阪神甲子園球場の蔦も、ただ単純に殺風景な外壁を隠すだけじゃなく、蔦の葉による光合成で発生する水蒸気が気化熱となって、スタンド内部を冷やす効果があった訳で、改装工事中に伐採した後とそれ以前では、エアコンの消費電力がかなり違っているのだそうです。それと同じで、夏場に蔓性植物…特にアサガオやゴーヤを植える事は、ある意味理に適った対処法と言えるでしょう。
とはいえ、熱射病そのものを回避しようと思うと、やはり水分補給と、効率よく身体を冷やす事が肝心となります。以前、水分補給に関しては説明しましたが、火照った身体を冷やすには、どんな方法がいいのでしょう?実は、ここさえ解っていれば、簡単に身体を冷やす事ができるんです。それば、首筋や脇、股関節にある大きな血管(頸静脈等)に冷やしたタオルを当てる事で、素早く熱を発散させる事ができるのです。
ここまでを纏めると、部屋の温度を下げるには、なるだけ部屋を暗くし、直射日光を避け、家中の窓を出来るだけ解放し、風が通り抜けやすい状況を作り、庭先や玄関に水を撒いたり、部屋に氷柱を立ててその気化熱を利用する…といった工夫が大事という訳です。ま、今どき氷柱を使うのは、かなりの贅沢な行為ですが、家で作る場合は、500mlペットボトルに水道水を4/5まで入れて冷凍庫で固め、テーブルに置いて扇風機の風を当てると、かなり涼しくなりますよ。(出来れば、受け皿を置いてペットボトルを剥がしてから使う方が、効果がありますが…)ノートパソコンを使われる方は、一度お試しください。

という訳で、今月はこの辺で。お相手はボク、マーティでした。