節電を問う前に…

昨日更新のマーティのネタでやる予定だったが、自分のクチでやった方が早いんで、こっちでやる事にした。(“まじプラ”の更新は、来週以降という事で…)関電が、顧客である企業や家庭に対して、6月下旬からの消費電力を15％カットして欲しいと言い出した。ま、原因は福井県下にある原発が定期点検の都合などで全停止した上で、再稼動に際して福井県知事や敦賀市長などの関係自治体からのGOサインが出ないと、必要な電力が賄えないという事らしい。ならば、いっその事、関電管内全てがブラックアウトするぐらい電力を消費して、全く“電気のない生活”をみんなが体験して、考えれば良いと思う。むしろ、便利な生活よりも、不便を強いられる様な状況になれば、それとなしに雇用や景気が上向くかも…

と、笑えない冗談はさておき、そもそも、消費電力を15％抑えようと思えば、何をするべきだろうか？
根本的に、電気を“使わない”で快適な生活をしようと思うなら、それこそ農家への転業…しかも一番手間の掛かる、昔ながらの手作業による耕作が望ましいのだが、穀物以外にも作物を複数作っている様なトコや、畜産業…特に乳牛を飼っている農家は、一見暇そうに見えるが結構細かい作業もあって、年中無休で働かざる得ない状況なトコが多い。単品だけの農家なら、時間がたっぷりあるから、のんびりとした生活も可能だろうが、実際問題、年収が1億円以上ある様なトコは、その家庭も忙しない。つまり、収入に似合うだけの“仕事”がたくさんあって、家族総出でそれをやりこなせているからこそ、その実りがある。ゆえに、貧乏な農家も多いのが現状であって、ブランド名…例えば、“淡路島タマネギ”とか、“十勝大納言あずき”とか、一般的にメジャーなモノなら、B級品であってもそこそこの値段で取引されるが、品質が良くても一般的にマイナーなブランドは、二束三文で叩き売られる。そうなると、農家でも貧富の差が出るのは当然である。
休話閑題。つまり“時間の有効活用”を求めるばかりに、いろんな苦労する家事全般を、機械仕掛けに頼る様になったからこそ矛盾が発生するのであって、家族の“役割”を今一度見直せば、専業主婦をバカにしている連中が、如何に他力本願なのかがよくわかる訳である。言い方を変えれば、食洗機や掃除機、洗濯機を使うから、一部の家事を手早く済ませて、韓流ドラマを見ながら昼寝…なんて生活ができるのであって、昔ながらの家事をやっていたら、それこそ一日仕事になる。小さな寺の、弟子がいない住職は、特に信徒からの依頼などがない限り、早朝のおつとめ後は、食事時以外はひたすら境内や堂内の掃除に明け暮れる。それは、彼等にとっての修行でもあり、いつでも門戸を開けている以上は、誰が参詣に来ても恥ずかしくない様に清めているからである。神社の宮司もまた然り。特に例祭や冠婚葬祭の仕事がない場合、境内を綺麗に掃除する。最近でこそ、機械で片付ける事が増えたモノの、基本的には手作業だ。
そう、掃除や洗濯は、本来なら専業でやってくれる家内の者…つまり主婦(主夫)の仕事であり、コレを業者に依頼して、あるいは機械で一気に片付けようとするから余分な金銭と資材が必要になるだけで、自分の手でやる分には、自分自身のこだわりでやっても、誰も文句は言えない。逆を言えば、“電気が使えないから…”といってサボろうとする方が本末転倒な話であって、“電気を使わない”方法と、手間を惜しまない心掛けをしているなら、それらはクリアできる。
だからこそ、節電するなら、まずは手元の家電がどれだけの電力を消費しているのかを知り、節電家電に換えるのも良いが、自分の手でできる家事は、できるだけ文明の利器を使わずにこなしていく練習をしていこう。また、どうしても…という場合は、例えば冷蔵庫を止めるのなら、近くのコンビニやスーパーを“自分家の冷蔵庫”の代わりだと思って使えばいいし、エアコンを使わないなら、近所の図書館や公営施設を活用して…といった、昭和後期なら一般的だったやり方で対応すれば良いだけの話である。
一部の発明家は、究極の永久機関を編み出す為に、敢えてエコライフを実践している様なんだが、さっきも書いた様に、それらは他人よりも暇な存在だからこそできる事であって、また、都会と違って田舎だからこそできる事である。都会で同じ様な生活をしようものなら、田舎でのデータと同じ結果を求めてはいけない。それだけ、田舎と都会では“できること”と“できないこと”が違い過ぎるからである。そこんトコを踏まえて考えれば、快適な生活を棄てる覚悟がなければ、田舎生活なんてできない。だから、本気で消費電力を抑えたいのなら、関東・東北の被災地に行って、瓦礫…というより、無惨に散った“快適生活”を片付ける手伝いをした方が賢明である。ま、都会から人々が消えれば、その分だけ気温そのものが下がるんだけどねw