迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

チルトの他事掻論?! 〜大阪ダブル選挙から見る、日本の終焉〜


こんにちは、紅火のチルトです。先週、大阪で行われた大阪市長大阪府知事のダブル選挙。結果は案の上というか、既存の政党の腑甲斐なさを象徴する様な状況だったのは、皆さんもご存知の通り。しかし、考えようによっては、これは世界中の人々…特に経済危機や自然災害に見舞われた地域にとって、誰しもが感じている“閉塞感”をどうにかしたいという精神的な破壊衝動が、このような結果を招いたと言っても良いでしょう。

今回の選挙の焦点…報道では“大阪都構想”の是非となっていますが、根本的な部分は違います。というのも、そもそも“大阪都構想”自身、大阪市大阪府の“二重行政”の解消が目的であって、それは大阪市“限定”の問題なのです。また、堺市も現在は政令指定都市ですが、元々は大阪府の財源を支えてきた自治体です。つまり、大阪市大阪府に対して都市整備や社会保障の件で、独自路線をやってきた事が、却って他の大阪府内の市町村から反感を買っていた…という経緯・背景があったからこそなのです。
しかし、これは戦後の“モンロー主義”と呼ばれる政策が残した課題であり、大阪府に“迷惑を掛けたくない”という大阪市の財政事情を考えると、その枠組みが、時代にそぐわなくなってきているのも事実です。簡単に説明すると、大阪市内で徴収した地方税は、すべて大阪市内の公共施設…当然ですが、大阪市交通局の運営に回す事で、大阪市民とその周辺都市に還元するという目的で行われたのが“モンロー主義”の基本です。が、それは高度成長期に、在阪大手私鉄が計画した様々な相互運転等の計画に“待った”を掛けた訳であり、その結果、現在でも計画そのものが頓挫したままの整備事業があります。
(ex:なにわ新線とか、京神連絡線とか…)
そして、20年前のバブル崩壊が、大阪市大阪府の財政を悪化させたのは、説明するまでもありませんよね?旧WTC(大阪府庁咲州庁舎)や京セラドーム大阪、更には関空建設と伊丹空港問題…これらはすべて、都市の再開発に必要な整備と、それに伴う土地買収等の問題が、丁度バブル期にぶつかった事で経費高騰の要因となり、更にバブル崩壊後の始末に困っている訳です。その件に関して、国会の場では、その事も政争の具にしてしまっている為、各政党の思惑が絡んで、先に進まなくなっているのです。つまり、平松前市長と倉田氏が負けたのは、そういった政党間の“見え透いた取引”が有権者自身の判断材料になってしまっていて、そこを上手く突いたのが、大阪維新の会の戦略だったとも言えるでしょう。簡単に言えば、支援してくれる政党が、我田引水を急ぐあまりに、有権者に嫌われた訳です。
そこで注目して欲しいのが、公明党の動きです。今回の選挙では、支持母体である創価学会との協議で、どちらの陣営にも支持を出さない…つまり、有権者自身の良心に委ねる事を決めました。こういった選挙では、大阪では基本的に、公明党の支持者が支援に回った方が勝利する傾向にあります。今回は、この後に控えているであろう衆院選での動向を考え、敢えて民主党にも、そして自民党にも従わず、事実上支援を断りました。その事によって、多くの公明党支持者が、維新の会に票を入れたと推測されます。また、共産党は逆に、市長選に関して、民主党自民党に相乗りする格好になりました。この事が結果として、維新の会の躍進に繋がったのです。
今後、どの様に大阪が変わっていくかは、橋下市長および松井知事の手腕の見せ所ですが、その為には、その下で働く官僚の気持ち次第でしょう。また、本当に都構想が実現する為には、地方自治に関する法律の改定が不可欠です。もし、既成政党がそこの部分を自分達の政争の具にしかねないなら、おそらく、国政に維新の会が出てくる事も、やむなき事だと考えるべきです。では、今回はこの辺で。