迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

憎まれていても、愛される存在。

現在、CRKでは開局60周年という訳で、特別企画として、かつて在籍していたアナウンサー達による懐古番組をやっている。毎週アナウンサーOB&OGが入れ替わって、まないちろうのインタビューに答える形式で、毎回聴いている(いや、寝坊したり再放送の時間が夕食なんで聴き逃してばっかだがw)のだが、多くの者達が、必ずといっていい程、奥田アナの事を話す。ある人にとっては先輩であり、面倒見のいい上司であり、また、ある人にとってはライバルであり、有能なる存在として崇められていた。だけど彼は、そんなCRKに対して、未だ背を向けたままである。(ま、年齢を考えると、どっちであっても、本人にとっては、今更って感もあるし…)

だけど、誰一人として、奥田アナに対して怨み節を唱える者はいない。むしろ、その存在こそが、かつてのCRK在籍アナ達の柱ともいうべき存在であった事を証明する様な発言が、番組内ではよく聞かれる。ここに、オイラがかつて特集(“My favorite announcer”シリーズ)で取り上げた内容を裏付ける、“放送局のフラッグシップ”としての存在が、そこにはあった訳である。
今の段階では、出てくる事はないとは思うが、聴いているなら、そして、今でもお元気でされているのなら、みんなのその思いは、彼の心に響いているハズ。今でこそ、16年前の震災、あるいは、90年代初頭の経営難で事業を縮小せざる得なかったCRKだけど、かつて…そう、奥田アナが在籍時の頃は、それこそ、ABCやMBSなんかに負けない、活気ある放送局だった…そう思っても過言ではない。だけど、神戸の地方局故のハンデと、経営方針変更によるプロ野球中継の東京一元化(RFラジオ日本からのジャイアンツ戦ネット中継)が、そして、多くの部下を抱える上司としてのプライドが、彼と会社との間に深い溝を生んだ…そう考えてもおかしくはない。
奥田アナを“My favorite announcer”シリーズで取り上げてから、6年以上が経過したが、こういうカタチで、もう一度賞賛されるアナウンサーは、とても幸せな存在だと、オイラは思う。そして、改めて、放送局にはそれぞれの特色と、在籍者全員を纏めて引っ張っていく存在としてのアナウンサーは、たとえ他では活用できない余剰人員であっても、さらに、経営難で必要な人件費を賄えなくても、不可欠な存在である事を考えなければならない。それは、昨今の閉塞感で一杯な世間を、一瞬にして変える事ができる原動力でもあり、“地域の放送局”だからこそできる、一番の経済改善策である。つまり、たった一人の存在が、やがては大きなムーブメントを巻き起こす…そのきっかけこそが、今は必要であり、その可能性を閉ざして、ただ、事業改善の名の下に、人員整理をやったり、東京からの垂れ流し…もとい、ネット番組ばっかりやっても意味がない。放送局を育てるのはリスナー(視聴者)かもしれないが、中で働く…否、マイクの前でリスナーを本気にさせる事ができる存在を育てるのは、放送局自身の仕事だ。努兄のやっていた事は、決して無駄ではなかったし、そこんトコは、平川アナや逸見アナの存在感を考えれば、一目瞭然。ただ、願わくは、本当の意味で日本語を大切にし、そして常に“言葉の研究者”であり続けながら、誰からも“愛される”アナウンサーであって欲しい。だからと言って、過度にタレント化したアナウンサーはいらない。地味な存在でも、年齢層に関係無く慕われる存在こそ、今の放送局には必要なのではなかろうか?