深夜食堂“FLAT RIVER”2012 〜7日目〜

マーグ(以下グ):明日は阪神・淡路大震災から17年…今年程、いろんな意味で防災のあり方や有事の時の心構えを考え直す、大事な日だと思うぜ。
ホクティ(以下ホ):そうですね。なにせ東日本大震災で、日本の“安全神話”そのものが完全崩壊した…原発もそうですが、自分達自身は万全のつもりであっても、実際はそうじゃなかったという事実。この受け難い現実と、東北や長野北部の被災者は今も戦っています。
グ:そうだったな…ついつい、東北3県ばかりクローズアップされがちだが、長野の栄村も、あの翌日に、甚大な被害を受けたんだっけ。
ホ:その結果、東北よりもライフラインの…特に道路の復興が遅れているとの事です。
グ:そりゃ…関東や原発のある福島の方が注目され、ある意味ドサクサ紛れに震災発生だったからな…情報そのものも錯綜し過ぎて、どこで何をすればいいのか、誰もわからなかったからな。
ホ:17年前の時もそうでした…あの頃は、法整備すらなかった状態です。まして、自衛隊に対して救援を求めるにしても、行政のトップが躊躇した経緯がある程、混乱した状況だったのを、今でも覚えています。
グ:ま、その話は明日、シンの店でやるとして…

シン(以下シ):こんばんは…あ、初めまして、ホクティさん。
ホ:お初にお目にかかります…マーティさんから聞いているが、君も映画が好きだって？
シ:ええ…最近は邦画もいい映画が次々と発表されていますが、言葉遣いがいまいちなのがちょっと…
ホ:それは、時代の流れとして、ある程度は許してやるべき部分かもしれませんが、やはり、正しい日本語をきちんと使えてこそ…ですね。
シ:俺も、そう思います。あ、マーグさん。今日は何を用意してます？
グ:シン…去年はオレの楽しみ、盗っただろ?
シ:Σ ;'.･((>審＜;）ｶﾞﾊｺﾞﾎｹﾞﾎｯ!! 去年の恨みを、こんなトコで言わなくても…
ホ:う〜ん、そういう事があったのですね…
シ:あ…誤解しないでくださいよ。前回の時はたまたま、マーグさんが急に店を出て、誰も調理場にいなかったから、仕方なく…
グ:あのなぁ…
ホ:まぁまぁ…とりあえず、今日は油揚げで一品。白菜と小松菜、ツナ缶を鍋に入れ、そこに水と出汁粉、薄口醤油と油揚げを入れて一緒に煮て…揚げと白菜の焚いたんです。
グ:おい、ホクティ…
ホ:いいじゃないですか。第一、客人を待たせる事は、飲食店では致命的な事ですよ。
グ:Σ(((・厳・lll)ノ ｱｳｯ?! アレは、オレが悪いって事かよ?!
ホ:当たり前です…が、注文を受ける前に出て行った訳ですし、その上で客が勝手にやった事ですから、その点だけなら両成敗…といった判断が正しいかもしれませんが。
シ:ちょっと…味が薄いというか…俺的にイマイチなんですけど…
ホ:あれ、レシピ通りに…ｹﾞｯ! Σ(oдО;|||) ほんの少し味醂入れるの忘れた…orz
グ:油揚げを使うなら、鶏モモミンチとミックスベジ、細切り木耳、擦り下ろした山芋、絹ごし豆腐を混ぜて、下味に塩と醤油を加えて練り合わす。それを油揚げの半分〜7分目まで詰めて、口を爪楊枝で仮止め…爪楊枝を使いたくない場合は、サラスパを代わりに使って、並縫いする感じで止める。で、合わせ出汁に砂糖と薄口醤油を加えて、ほんのり甘めに仕立てたら、さっきの揚げ巾着を入れて煮含めれば…五目巾着の含め煮の完成。含め煮以外にも、おでんの種に使うも良し、中の具材を変える事で、味に変化を持たせることもできるぜ。
シ:う〜ん、俺的には、ココぐらいのインパクトが欲しかったんだけど…
グ:…逆きつね…だと…
ホ:噂には聞いていましたが…まさかこれを注文されるとは…