迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

胡瓜を伸ばす為の苦労w

只今、オイラの畑では、秋収穫用の胡瓜が絶賛成育中であり、朝と夕方に収穫を行っている。一応、この家での“掟”として、長さ25cm以上、太さ約2cmをヨシとして収穫してる訳だが、どうしても寸足らずや“緑色のツチノコ”状態になるヤツもある。(え、ク◯ーパー師匠?そんなのがいたら、畑周辺が巨大クレーターになってるわw) しかし、胡瓜の習性で、どうしてもまっすぐにならずにカーブを描く個体もしばしば見かける。もちろん、原因は様々なんだが、大概は宙吊り状態でも先の方から重力に逆らって上へ伸びようとする習性がある。コレが、一般的な“曲がった胡瓜”の大半である。ま、家庭菜園で作る分にはそれでも良いが、プロである農家がそれを出荷する訳にはいかない。では、どうするか?

スーパーや青果店で胡瓜を買う時、ちょっと注視して見てもらいたいモノがある。それは胡瓜の先端に、不自然な“穴”が付いている胡瓜があると思うが、これこそ、農家が市場に出す胡瓜を、できるだけまっすぐな形状にする為の“努力の痕”なのである。では、何をしてるかと言えば…胡瓜の実が成育するに従って曲がるのを極力抑える為に、敢えてみの先端部分…、雌しべのある方に錘りを付けるのである。つまり、できるだけ重力を使って先端部に軽い負荷を掛ける事によって、曲がりながら育つ状態を防いでいるのである。目安として、実の部分が少し大きくなってカーブを描き始めた頃位に、重さにして10g程度のモノを付けてやる事で、その重みで自然とまっすぐに伸びるのである。もちろん、程度によっては曲がったままで終わるのもあるが、大概のモノはこれでほぼまっすぐな状態にできる。但し、その“代償”として、先端部分にはその“痕跡”が残ってしまう訳である。ただ、先端部分と付根部分は殆どの場合、調理の際に切り落とす部分だから、そこんトコは気にする必要のないトコだし、市場に出回るブランド名のない胡瓜の殆どは、そういう方法で“品質改善”をやってるのである。決して、そういう為の薬品を使ってる訳でもなければ、品種として全部曲がらないとは限らない。だからこそ、胡瓜の栽培をやっている農家の場合、曲がらない様にするのはもちろん、鮮度保持の為に実のトゲトゲに触れない様に収穫したり、市場への出荷まで冷蔵庫で寝かしたり…と苦労してる訳である。
ただ、それでも曲がるヤツがいたりするのは、ある意味胡瓜だからこそという部分かもしれない。なんせ、無理矢理“姿勢矯正”をやる訳だから、中には途方もない曲がり方を最初からするヤツもいたりする。気付いて矯正しようと錘りを付けると、逆におかしな方向に曲がったり、中には重みに耐えかねて折れてしまう事も…更には、上の枝葉に付く分にはどうにでもなるが、苗株の根元付近に実を付けると、錘りを付ける訳にいかなくなる。さて、どうする?なんの事はない。錘りの代わりにその枝葉やマルチと呼ばれるビニールシート(雑草が生えるのと、土壌表面からの余分な水分蒸発を防ぐ、黒や銀色の専用シート)、蔓生植物だからそれを支える支柱等に沿わせる様に仕向けるのである。ただ、コレの欠点は、収穫時に成長し過ぎた葉っぱの裏側にいたり、蔓自身が実に巻き付いて歪める事もあるという事w また、マルチや支柱と接してる部分は必然的に光合成が行われないんで、そこの部分だけ色が黄色っぽくなる事もしばしば。また、採り頃サイズを見逃して半日以上放置してると、長さはもちろん、太さも“規格外”になる事が…(いや、あまりにも大き過ぎて、オイラの家では“アナコンダ”とか“バケモノ”とか言ってます、ハイw)当然、そういうのの中には、曲がり過ぎて蛇みたいにとぐろを巻いてる様な形状で、しかも“アナコンダ”クラスのヤツがいたりしますw 以前、Twitterの方で画像を紹介したと思うが、
cucumber.jpg←正直、右みたいになると、市場に出しても安値で買い叩かれる。(通常のが50本1ケースで卸値価格700〜1000円…1本当たり15〜20円前後で取引されるとして計算すると、右側のヤツだと1本10円が関の山…)
トマトの時にも言ったとは思うが、こういうのがB級品として出荷されずに廃棄されるのであれば、農家に直接取引を持ちかけて購入した方が、実はおトク。スーパーでの単価が一袋(3〜5本)で200円前後なら、農家から直で買うと、同じ本数でも卸値以下の価格で購入も可能になる。だから、収穫作業で畑に入ってる農家を見かけたら、遠慮せずに声を掛けてみよう。間違いなく鮮度・品質が優れた、だけど市場にはなかなか出回らない“逸品”を安価で手に入れられると思う。それに、農家にとっても、下手に道端で無人販売をやってみたり、直売所へ出荷するよりも、消費者の“生の声”がダイレクトに聞ける分、取引がやりやすい。だから飲食店や食品加工の関係者の方々、特に個人経営で仕入れ値をできるだけ切り詰めたい方は、一度、農作物の“現場”へ足を運んで、その舌と嗅覚で判断して、取引をやって欲しい。そうすれば他の農家も、もっとやりがいが出るのだが…