迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

“銀の匙”聖地巡りの為の基礎知識〜その2:法令遵守は安全のため〜

オグりん(以下栗):ブルヒ〜ン。ねぇねぇ、一昨日のネタでは、競走馬の生産・育成牧場関連での話だったけど、今回は、いわゆる“観光牧場”と通常の牧場の違いを話すんだっけ?
シン(以下シ):競馬ファンの皆様、こんにちは…ま、基本的には、それがメインの話になるとは思うけど、オグりんは、“牧場”と言えば、どんなイメージかな?
栗:んと…ママと一緒に走ったり、お昼寝したり…
マーグ(以下グ):(/厳-;)家畜に聞いてどうすんだよ?シンw
シ:Σ(´審`;)あ…そうだった。
グ:ったく…まぁ、一般的に“牧場”と言えば、北海道の様に広大な敷地と大量の家畜…特にホルスタインを思い浮かべるよな。
シ:馬産地だったら、そこは馬でしょ。日高はサラブレットかアングロアラブですが、十勝はシャイヤーとかペルシュロンが一般的ですね。
グ:だがな…豚や鶏、ヤギ、羊(綿羊)、ダチョウ、アルパカ、ウサギにミンク、更にはペット用の犬や猫を飼育・販売してるトコも、法令上では“牧場”なんだよな。
栗:Σ⊂・^彡え…そなの?

グ:正確には、農家と業者の違いはあれど、守るべき法律として、家畜伝染病予防法と、動物愛護管理法があって、この基準をクリアした業者は、各地方自治体の動物愛護管理担当部署に申請を出せば、イベント会場や公共施設に動物を持ち込んだり、展示する事が可能になるんだ。
シ:という事は、ゴールデンウィークにやっていた、ニコニコ超会議でのアルパカ展示も、その基準に照らし合わせた上での許可を得てやってたって事ですね。
グ:その通り。競馬場でもそうだろうけどよ、ポニーや乗馬のふれあいコーナーも本来は、法律上“動物の展示”という名目での許可が必要なんだよな。ただ…競馬だからこそ、既にその許可が下りた状態でやってるってだけの話さ。
栗:んでも…業者と農家じゃ、守るべき法律は違うんじゃないの?それに、農家はあくまで生産が目的だし、ペット業者じゃないから、厳しい規制がないんじゃないの?
グ:甘いな、オグりん。家畜伝染病予防法は、農家が遵守すべき法律であり、家畜伝染病から家畜と、消費者の生命を守るために制定されている法的基準なんだぜ。
シ:前回の解説でもやりましたが、家畜伝染病は農家だけでなく、動物園でも、法令に基づいた処置を施す事が義務付けられています。したがって、通常の動物園では、見学者と展示動物との間に、柵と檻だけでなく、一定間隔の空間を取る様になっています。
グ:これも、展示動物が保有する病原体が、他の動物や人間に感染しない様にするための策であり、ふれあい広場なんかで、直接動物に触れるのは、管理者の監視の下でやっているから…という大義名分があるからだぜ。だから、牧場見学ツアーを企画する旅行会社は、事前に観光牧場に問い合わせた上で、参加者にも法令遵守を約束ささせた上で開催してるんだぜ。
シ:農家の場合は“生産動物”として家畜を飼う訳ですから、家畜の衛生管理はもちろん、管理・飼養者である農業従事者も、定期的な健康診断と感染症検査を受ける義務があります。当然ですが、感染症の予防接種も、医療関係者同様に受ける義務が生じます。
栗:んじゃ、ボクちんと一緒に暮らしてる人達って、そういった事を踏まえた上で接してるんだお。
グ:そういうこった。だからこそ、法律での規制がいくつもあって、それらには食糧自給率確保や安全な食品管理を行うために必要な措置として、そうなってる事を理解してもらいたい…そういう願いがあったからこそ、あのマンガが登場したんだ。
シ:競馬に関するマンガはいくつかありますが、生産牧場やその他の家畜に関する話は、どうしても無視されがちですね。でも、実際に考えてみると、きちんとした理由付けがある規制に対して、それを知らずに規制緩和を訴える事が、如何に危険かを、今後はお伝えしていかなければなりませんね。
グ:そうそう…台湾で狂犬病が発症したらしくて、家畜の渡航規制が掛かってるんだぜ。これも、日本が狂犬病に関する予防のガイドラインを徹底したために、50年も前から犬の噛まれる事で感染する狂犬病の発症がなかったからこその規制なんだぜ。2013年7月現在で、アジアで狂犬病の危険がないとWHO及び厚労大臣から認められている国は、日本とシンガポールだけだぜ。
(注:世界でもWHOが規定する狂犬病の感染がない地域は、日本とシンガポール以外では、スカンジナビア半島オセアニア、イギリス周辺のみです。)
シ:ちなみに、狂犬病と言ってますが、犬以外の家畜からでも感染する可能性があるため、噛みつき防止の観点から、無断で餌やりをする行為は、禁じられている訳です。
栗:え…ボクちんが噛んでも、狂犬病って、感染する危険がある訳?
シ:そうなりますね…ただ、先程もマーグさんが解説した通り、日本では狂犬病予防法に基づいた管理と監視が行われているため、基本的に日本で飼養されている家畜に噛まれても、狂犬病になる危険はまずありませんが、動物に噛まれた時は、怪我の程度に関わらず、念のために、医療機関に掛かる事をお勧めします。それでは、今回はこの辺で失礼します。