迷馬の隠れ家 はてな本館

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マーティの真面目にプライオリティー 2013年12月号(正しい知識で防ごう、感染症)

マーティ(以下テ):ども、マーティです。今月は、いよいよ“世界エイズデー”も近いので、正しいHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に関する知識と、他の感染症予防の観点から、HIV感染予防の対策を簡単にですが、解説させていただきます。
シン(以下シ):こんにちは、シンです。さて…マーティさん、エイズの世界的流行による情報錯綜があってから久しいですが、まず、基本的にエイズHIVは、何が違うのですか?
テ:基礎知識として、HIVに感染し、免疫力が低下して、通常なら発症しないとされる疾患(カンジダ症、ヒストプラズマ症等、厚労省が指定する23のエイズ発症の合併症)が見られるのがエイズです。つまり、HIVに感染してるからといっても、免疫力の低下さえ防げれば、エイズになる可能性は抑えらてる…という事です。
シ:しかし…そのHIVに感染する主な要因はなんでしょう?
テ:基本的に、性行為と不正な薬物使用…特に注射の回し打ちによる感染が殆どだと言われてます。

シ:え…という事は、風俗店での性行為とかで感染するリスクがあるって事ですか?
テ:HIV感染者がそういう行為をしてる場合は…って注釈が付きますが、日本で通常の風俗店では、健康診断が厳しいですし、まず感染しないとは思いますが、渡航先の風俗店で…となると、かなり危険かもしれませんね。特に東アジアでは近年、HIV感染が確認されている人の数が急増しているという報告もあります。詳しいデータに関しては、こちらのサイトをご覧ください。
シ:でも、なんで性行為で感染するのですか?
テ:他の性病でもそうなんですが、粘膜の部分は非常にデリケートな部分であり、ちょっとした事でも傷付きやすい部分です。そこに、感染者の血液や体液(精液、唾液、汗等)が掛かると、その液中にあるウイルスが体内に侵入しやすくなる…という訳です。ですから、皮膚に目につく様な傷等がない場合はともかく、粘膜と直接触れる事になる性行為では、そのリスクも大きいとされるのです。
シ:…それって、少子高齢化の日本においては、いろんな皮肉がありますね。
テ:それとこれは、別問題…で、さっきも出てきた覚せい剤等の薬物の不正使用における感染も、実は使用する医療機器…特に注射器や注射針の取扱が、感染拡大を引き起こしてるとされています。
シ:薬物の不正使用に関しては、社会に反する行為ですから罰するべきでしょうけど…注射針からの感染って、やはり、血液が混入するからって事ですか?
テ:その通りだよ、シンちゃん。もちろん、糖尿病や食品アレルギー持ちで、簡易注射器を所有してる人もいるから、その人達でも、医療機関から注射針や採血検査キットの取扱について、初めての際に何度も研修を受け、使用済み容器と注射針は、毎月の受診の際に病院へ持っていく事が義務付けられています。これも、感染症予防の観点から、健常者が誤って使用済みの注射針が刺さる事による事故を防ぐ為です。当然ですが、医療機関での注射針および機材は、全て使い捨てです。(手術用のメス等は、術後に消毒・滅菌処理を施します)
シ:つまり、病院の点滴の容器がガラス瓶から特殊フィルムに変わったのは、そういう観点からか。
テ:シンちゃん…いつの時代の話?
シ:あ、いや…CSのドラマの再放送とかで病院のシーンで見るヤツが…
テ:ま、確かに、70年代までの常識と現在の常識では、雲泥の差なんだけどね…ともかく、患者の体内に直接入れる機材であり、血液に触れるからこそ、そして、非常に消毒や洗浄が難しいからこそ、使い捨てが一般的になってる訳なんだ。あ、そうそう…女性の場合は、生理パットの取扱も注意した方がいいかもしれませんね。
シ:俺達は男だからよくわからないが…迷馬さんは、今でも毎月、ちゃんとありますからわかりますよね?
(なんでオイラに聞くかな?)
いや…その…
テ:近年、布製のパットを使われる方も多いかと思いますが、これも一概に言えませんが、血液からの感染がある事を踏まえると、通常の紙パットでも、吸収しきれなかった血液が、他の人(特に乳幼児)の粘膜等に付着する危険が伴います。トイレでパットの交換をする際には、特に気をつけて、使用済みは所定のエチケットコーナー(汚物入れ)に捨てる様にしてください。布製の場合は取扱説明書の通りに従って、正しく洗濯・消毒を行ってから再利用するべきです。ともかく、使用後の処理をキチンと行う事で、不特定多数への感染を防ぐ事ができるのです。
シ:でも、マーティさん。もしも怪我をしてる人がHIV感染者だったら…
テ:基本的に、HIVそのものは嫌気性で、空気感染はしません。また、飛沫…くしゃみや咳によって飛んだ唾液や痰は、皮膚に傷口がない場合は、直接触れても感染する危険はありません。ですが、他の感染症予防も兼ねて、処理する際にはゴム手袋を付けるか、ティッシュ等で手を保護するカタチで処理を行ってください。トイレ掃除でも、できればエプロンを付けて行う方が安全です。また、出血を伴う負傷の際は、タオル等で傷口を押さえてください。直接手で押さえるよりも広範囲での止血を行えるだけでなく、万一の感染予防にもなります。
シ:ざっくりといえば、HIVに感染してるからといっても、通常生活で気を遣わなくていいって事ですか?
テ:そうそう…あくまで気を付けるべきは、性行為と使用済み注射針を触る時ぐらいです。他の感染症を気にする場合はともかく、HIVは、あくまで特殊な条件が揃った時にしか感染する事はありません。もしも不特定多数と性行為をしたとか、誤って使用済み注射針が刺さったとかで、不安を感じたら、まずは各自治体の保健所、あるいはHIVの検査を行っている医療機関への受診と簡易検査を受けてください。HIV陽性の診断が下っても、キチンと医療機関で定期的な受診を行い、処方された薬を飲み続けていれば、エイズを発症する事はありません。現時点では不治の病かもしれませんが、感染拡大さえ抑え込めば、恐れる事のないのが、この感染症の特徴です。
シ:感染症といっても、HIV以上に警戒しないといけない感染症はいくらでもある訳で、肺結核も治療せずに放置すれば、大変な事になりますからね…
テ:そうなんだよね…その為の予防接種であり、感染経路の解明の為の検査であり、そして新薬の研究がある訳です。そこも含めた部分をキチンと理解した上で、HIV感染に関する偏見や誤解を解いていかないと…でも、実際の罹患者じゃないとわからない部分も多いし、まして、どうしても“不治の病”というイメージがあるから、恐れるんだと思うんです。
シ:それを言い出したら、俺達も同じですよ…
テ:あ…そうだよね、結局、癌でもそうですが、現在の医療技術をもってしても、完治・寛解に向かわずに、最悪の結末になるのは、ある意味、仕方ない部分だと、今は思う様にしてます…ボクのデータがあったからこそ、シンちゃんは手術を選ばなかった訳だし、シンちゃんのデータがあるから助かる人もいる…どんな病の治療法も、体質や医師の技量等の要因が符合して初めて結果になる訳であって、その為の犠牲が、そこにはあるのです。
シ:迷馬さんの言葉を借りれば、たくさんの失敗や犠牲があってこそ、初めて成功事例や確実な技能となる…その恩恵を知らずに、失敗や犠牲を罵ってはいけない…その繰り返しなんですね。
テ:話が余計なトコへ行ってしまいましたが、HIVに感染したからと言って慌てるよりも、まずは、正しく認識して、その上で検査と治療を受けてください。それが、他者への感染を防ぐ最大の予防策です。

という訳で、今月はここまで…お相手はボク、マーティと
シ:シンでした…それでは、この辺で失礼します。