迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

進展と見るか、後退と見るか…

北朝鮮のNo.2であった者が“反逆行為を行った”として処分されたニュースが流れたが、情報そのものが“真実”であるなら、これはふたつの“読み方”がある。ひとつは、北朝鮮でも不正をやった役人に対して処罰をする仕組みがあり、コレが“正しく“機能したという見方と、もうひとつは、金正恩第一書記の周辺での“国民や諸外国を無視した“しょうもない権力闘争によるという見方である。前者であるなら、むしろ日本や諸外国も見習うべき態度であり、後者であるなら、いつも通りである。つまり、私利私欲で外交と財政を利用したのであれば、それは北朝鮮だけでなく、日本や韓国、そして周辺近隣国の、今までの外交は無駄な話であった事を意味し、それ故に改めて、きちんとした外交チャンネルを開設しようと試みてるのであれば、それは歓迎すべき話であり、そうでないなら、要注意すべき部分も出てくる事になる…つまり、今までの交渉を打ち切り、中国以上に傍若無人をはたらく可能性があるという事だ。

オイラ的視点は、今回の場合、むしろ“歓迎すべき“事ではないかという立場で進めていくが、逆であったとしても、それはあくまで“素人の予測”であって、信用するに値しない。よって、ここから先は、一種の勝手論で展開する。
いくらなんでも、自分の立場が“親族”だからと胡座をかいていたのであれば、それこそ、親族間における軋轢や弊害が生じて当たり前であり、むしろ処分は“妥当”とも言える。つまり、自分はトップの“叔父”だからという地位に奢れ、何でもかんでも好き勝手にやってるから、トップに君臨した甥が激怒し、首を刎ねたとすれば、話が通じるかと思う。もっと言えば、自分がやった事に対する“責任”を、全て甥に擦り付け、自分の保身に走った事が全てだと言って良いだろう。まして、直接血の繋がりのない“叔父”である以上、本来であるなら、表舞台に立つべきではない立場だと認識するのがスジであるにも拘らず、先代である父親の側近という立場、そして先々代からの付き合いという功績が、帰って高慢な態度を助長させた…という見方もできる訳である。
報道で流れている情報だけでの判断で行けば、先の説明がしっくりくるかと思う。というのは、もしも本当に汚職やセクハラ、独断による外交を行ったというのであれば、それは国家の中心の一員として恥ずべき行為であり、まして、私利私欲で軍事作戦を展開してみたり、外貨を稼ぐ為に偽ブランドの工場を操業したり、農作物の産地偽装や麻薬の原料栽培を奨励してたのであれば、それが“原因”で、トップが交渉のテーブルに着きたくても、それを阻害したと見做されて当然とも言える。つまり、先の国境沿いの小島に砲撃したのも、核開発を進めたのも、過去の戦争で敵軍だった老人を拘束したのも、近隣国の人々を拉致したのも、全てトップの“腰巾着”が勝手にやった事だとすれば、かつての昭和天皇終戦時に一切の責任を負おうとした様に、それ相応のけじめを付けなければ、意味がない事になる。これと同じで、今の政権を維持する為に、一番“不都合”な存在を処分する事で、その下で暗躍していた連中に対する威嚇にもなる訳である。
では、外交に関して不都合な事があるとすれば、それは何か?一番考えられる事は、北方領土の交渉で、いわゆる“ムネオハウス問題”ってヤツを思い出してもらいたい。当時自民党にいた鈴木宗男が、支持基盤となっている北海道の住民を代表して、当時のソ連やロシアの外相を通じて、とりあえず、北方4島の内の歯舞と色丹だけでも返還に応じる代わりに、国後と択捉は“共同開発”の名の下で、これからも“ロシア領”として認める交渉がなされたとされる話…ロシア側は、これを基に交渉するなら応じるという話なんだが、それは言ってみれば、宗雄議員の“身勝手な交渉”だとして、日本政府が拒否したのはいうまでもなく、それ故に拗れている訳でもある。言い方を変えれば、全ては“道内に住むかつての島民のため”という概念が、却って日本の対ロ外交において、足を引っ張った訳である。これと同じ事をやっちまっている以上、今までの交渉は“無効だ”とされても、これは残念ながら、文句言えない部分である。言い方を変えれば、拉致問題にしろ、朝鮮戦争における休戦協定の破棄にしろ、それら一切は、自分の身内が犯した独断行為であり、国家としては許し難い反逆行為だとするなら、日本でもそうだった様に、糾弾される行為だったと言える訳である。
しかし…それ故の懸念材料が増えた事はいうまでもなく、今までの“交渉の窓口”が、事実上“強制閉鎖”となった事によって、今までの外交が水の泡になりかねないという事と、失脚で空いたポストをめぐって、幹部官僚どもの内紛は避けられないという事である。それによる混乱によって、軍部のコントロールができなくなって暴走すれば、この国は目指すべき目標や希望を失う事になる。それによる混乱が、新たな火種になりかねない。かつての日本でも、二二六事件で若手の将校がクーデターを起こし、当時の首相以下、政府機関の要人を殺害した事によって、事実上の“軍事政権”へと移行した様に、同じ現象が、北朝鮮でも起きかねないという事を意味する。(ま、実質の宗主国である中国も、現時点ではその一歩手前な状況に陥ってる訳なんだが…)ともかく、今は過度に騒ぐよりも、事の推移を静観した方が賢明だと思う。何故なら、これは“近隣国の話”であって、日本の話ではないからである。