迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

作業着は伊達ではありませんw

8月下旬に、代々木公園であったイベント参加者から、デング熱感染の報道が出てるが、これは根幹的な話、野外での活動において、肌を露出した状態は、様々な意味で“危険”である事は、農業従事者や漁業関係者、林業従事者なら経験上、誰もが知ってる事である。そもそも、半袖やスリーブレスのシャツやホットパンツ、ハーフパンツは確かに体に熱が籠らないから快適に感じるだろうが、実は、屋内での作業であればともかく、野外の場合、却って体調不良の原因になる。特に一番言われるのが“虫刺され”からの感染症である。もちろんこの他にも、熱中症対策や日焼け止めの意味合いもあるが、衛生管理の観点から、そして、安全な作業をスムーズに行う為の“最低限度”の防護策として、長袖のデニムシャツやボトムを着用してる訳である。
そもそも、ジーンズに使われている藍色は、藍蓼といわれるハーブによって染色されるのが本物であり、あの藍色自身…というよりも、そこから発する微かな匂いを虫が嫌うから、日本でも農家の作業着といえば、藍染めが定番だった訳である。(浴衣もそうだけど…)野外での作業において、特に夏場は、蚊を媒介した感染症からの健康被害を防ぐ為にも、蚊取り線香を携行できない代わりに、藍染めの服を纏う訳であり、また、長袖にする事で、木陰がない炎天下の田畑での作業を行う上での“熱射病防止”としての対策を施した訳である。よく、西アフリカ等の民族衣装が長袖である事が多いが、これも同じ理由で、砂漠地帯や森林がない平原において、少しでも肌の露出を抑えた上で、少しでも涼しくなる様に袖口をゆったり目にしてる訳である。しかし、実のところをいえば、これでは虫に刺されやすいから、必然的に作業着は、襟や袖口を絞ってある事が多い。ぶっちゃけ、馴れてないと暑苦しくて仕方ない訳だが、衣服を通して漂う体臭(汗や皮脂の匂い)や呼吸時のCO2は、産卵前の蚊にとって、重要な“マーカー”といえる訳であり、それをたよりに寄ってくる訳である。しかし、厚手のデニム地シャツやジーンズを着けていると、寄ってくる事は寄ってくるが、肝心の皮膚に口先の針が届かない為、刺される心配がないのである。逆に、同じ長袖・ロングボトムでも、ジャージやメッシュ地のヤツは、生地そのものが薄かったり、編み目(織り目)が荒い分、隙間ができるため、虫刺され(特に蚊)に関しては、何の効果もない訳であるw だから必然的に、農夫は好んでつなぎの作業着姿になりやすい訳であり、女性でも、よほどでない限り、木綿のシャツを着る。ちなみに、麻のシャツも防虫効果はあるが、高級すぎて使えないのがオチであるw
熱中症に関しては、昔はともかく、今は保冷剤をタオルに仕込んで首に巻いたり、適度に水分・塩分補給をすればどうにかなるが、日焼けによる熱中症だけは、暑くても“長袖”でないと防ぎ様がない。さっきも紹介したが、湿度が高い東南アジアならともかく、単に高熱になりやすいトコでは、日差しを遮る事だけで、気温が5℃前後違う。ちなみに、百葉箱で気温を測るのは、太陽光による影響を避ける為であり、天気予報等の“最高気温”とは、炎天下ではなく、日陰の温度である…言い方を変えれば、気温35℃と報じられても、実際の外気温は、これの2〜5℃高いと考えた方が賢明であるw つまり、紫外線や赤外線による加熱から皮膚を守るには、光そのものを遮断する必要性がある。その為、白や淡色系のモノよりも、黒や濃色系の作業着の方が、UVカットの観点から望ましい訳であり、昨今出回ってるカモフラ柄も、実は理に適ったアイテムだったりする訳である。(とはいえ、あの柄のパンツやトップスを着けて作業すると、作物に紛れて見失うw)いくらUVカット素材といえど、結局、使いどころを間違えると、却って暑苦しいから、普通のデニムを着ける訳である。
あと…低体温症に関していえば、長時間野外で風に当たっているだけでもなる訳だから、そこの対策として、なるだけ肌の露出を抑える必要がある。ま、ゲリラ豪雨でズブ濡れになれば、長袖だろうが水着だろうが、水に濡れた分体温が下がるからどうしようもない訳だが、漁師が基本、ライフジャケットと一緒に雨合羽を着てるのは、漁船の操舵中に波を受けて低体温症にならない様にする為の対策であり、河川で釣りをする人でも池や沼に入ってやる人は、胴付き長靴を履くのは、体が濡れる事で低体温にならない様にする為の防護の意味もある。(メインはあくまで、水に浸かるからなんだけどw)だから、暑さ対策で半袖を着るよりも、長袖にしてた方が良い最大の“理由”は、とにもかくにも“防護のため”である。バイク乗りならわかるかと思うが、炎天下で裸に近い状態で長時間走ると、全身火照った状態なのに“寒い”と感じたり、万一コケた時に、全身ズル剥けになる訳であり、とても危険な状態である。だから、ライダースーツは長袖であり肘や膝に保護パッドが付いている訳であり、そして牛や豚等の厚手の皮でできている事が多い。(故に蒸れる訳だがw)同じ様に、様々な事態に備える事は、一見無駄に見えても、実用的な計算の下で見出された“自助”の姿勢である。ここを踏まえた上で、行政や当事者を罵ってるならともかく、そうでないなら、一度経験した方が良い…自分自身が、如何に本当の意味での“防災”に関して無頓着過ぎるかが実感できるからだ。