迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

“消費者”としての憂鬱、“生産者”としての憂鬱 その2

先ほどの記事の続きですw 今回は都会と田舎の物価の違いは、どこから生まれるのかについて…以前、バイトの時給を1500円にしろというバカげたデモが話題になってたが、仮に、時給を1500円で“全国統一”したら、おそらく、地方在住のフリーターは、仕事しなくなるでしょうねw だって、物価がなまじ安いトコで生活してると、お金を使う場所がないからです。言い方を変えれば、どんなに賃金をあげたトコで、消費する場所…レジャー施設や大型商業施設が近隣にない場合、必然的に地元で消費されないからです。当然ですが、そういう施設があるという事は、それに似合うだけの雇用がある事を意味し、それ相応のスキルを求められますから、必然的に技能講習などでの消費が生まれ、潤滑な経済活動を維持する事ができるでしょう。しかし…衰亡の一途をたどっている地方自治体にとって、そういった雇用の創出は難しく、なまじ農家や漁業関係者の収入を向上させる事ができたとしても、それ以外での経済活動が乏しいため、必然的に地元自治体の税収が見込めなくなります。公営競技の地方での存廃問題も、実はこの部分での経済活動が廃れてしまってる事も一因にあり、特に、西日本での廃止の殆どは、地場産業の衰退による税収の落ち込みから、施設の維持・管理が難しくなった事が一因にあります。(もちろん、行政の“営業努力”が全然だった事も大きいのだが…w)
では、なんで都市部と僻地では賃金に格差があるか?一番の原因は、雇用と消費のバランスが“おかしい”からです。言い方を変えれば、地方ほど雇用が限られ、その上、地場産業の“空洞化”が進めば、必然的に残るのは、一次産業の農林水産業のみになります。企業業績を回復させるために、廉価版の製品を大量に作りたくても、賃金を法律や条例で定める最低賃金以下で就労させる事はできませんから、物価や賃金が安く、しかも勤勉なアジア諸国へ工場を移設したくなるのも無理ない話です。中国や韓国の経済発展は、ある意味、日本企業の“我侭”による部分が大きい訳で、その効果は今、ベトナムやタイ、マレーシアなどの国に移行してるからこそ、没落し始めてると言っていいでしょう。その同じ道理は、都市部と僻地での賃金格差と同じで、況や、都市部で農耕は不可能に近いことを踏まえれば、必然的に近隣の地方都市にある農地は貴重になります…しかし、コスパ的な事を言えば、無理してでも遠くからの農作物の方が安価で大量に仕入れる事が可能であれば、大量消費が当たり前な飲食業界や給食事業を行っている食品加工メーカーは、必然的にそっちを使う様になります。特に冷凍食品の野菜は、その殆どは国内の新鮮な野菜よりも、海外の契約農家から一括で仕入れした方が、為替レート等の加減で割安なため、どうしても輸入農作物ばっかになります。TPPの問題でも、農業分野に関してモメる一因は、まさにここの話であり、ひいては検疫の簡素化を要求する様な国があってもおかしくないのです。(それで国内に存在し得ない病原菌や害虫が混入し、蔓延したら、零細農家はひとたまりもありません…冗談抜きでw)つまり、地元だと供給過多になるから価格が安くなるのであり、これを、鮮度を保つための特殊輸送(航空便や保冷車を使った高速輸送)で都市部へ届けられるモノは、その輸送費や仲介料等のコストを加味すれば、高止まりで“当たり前”になるのです。それに目をつけ、大手小売業者のバイヤーは、地元産ではなく、地方の様々な産地から、最安値のタイミングを見計らって、卸市場を介さずに大量仕入れを行うのです。(一応オイラも、元は小売業界にいた者ですから、そういう事情はよくわかるんだよなぁw)逆に、地元産の農作物が割高なのは、企業として地元農家を“支援”してるというポーズですw もちろん、地元のJAが煩い事もあって、取り扱ってるトコもあるのだが、基本的には、かなりボッてますw オイラんトコみたいに、直接、地元の中央卸市場に出入りしてる農家の場合、相場価格を知ってるため、小売店でのボッタ価格に関して、結構苦々しく感じる事も多々ありますw
同じ事情は雇用と物価にも言えて、2014年度の都道府県別最低賃金を見比べると、平均では時給780円でも、東京では900円近く(888円)稼げるのに対し、一部自治体によっては、平均を大幅に下回る賃金しか払われていない実情があります。(ちなみにオイラが住んでる奈良県は、724円…隣の大阪府の方が840円ほどですから、そら“奈良府民”が増えるのは当然かとw 詳しくはこちら参照)時給が高いという事は、その分、物価にも跳ね返る訳でして、同じネオソ◯ト(300g)を購入するにしても、大阪府内の小売だと税込で250円ぐらいだとしたら、奈良県内の小売は、税込198円が平均ですw(冗談抜きで)で、ここが面白いトコで、東京に本社がある企業が地方でも“東京基準”で賃金を支払うと、場所によってはフリーターなのに豪華な一軒家を構える事ができるのに対し、地方に本社がある企業が東京支社に“地元基準”での賃金を払えば、正社員でありながらボロいアパートで貧困な生活を強いられかねない…という“矛盾”が生じるのです。(いやー、バイトで所属してる某運送会社の本社が東京なモンだから、1日3時間の勤務で、週休3日なのに、月給がいいのよ、地元企業でのバイトよりもw)この“賃金のカラクリ”を知っていると、なんで都会の物価が高いのか、んでもって、観光地の物価がボッタ気味なのかがわかりますよ。
つまり、同じ日本で生活してても、住んでる地域の物価と賃金が違えば、話がチグハグになるのは当然の話であり、生活水準も、分相応のインフラ整備が整うのは、それ相応の税収を得られる環境だからこそです。ゆえに都会での固定資産税や住民税は割高であり、僻地集落しかないような地方自治体だと、どんなに広大な土地を保有してても税金が安いのです…特に農地の固定資産税は、下手に土地開発をするよりも割安設定なため、登記上は“休耕地”にしておきながら、運動場やメガソーラーなどに転用するケースがあるのですw でも、それって本末転倒な話ですけどね。