真っ当な生き方が叩かれる、世の中の歪み…

まずはコレを読んでもらいたい…記事の一部やコメント欄でも、どういう訳か“未成年”でありながら子育てをしもって学業とバイトをやっているということが叩かれている。(むしろ男子高校生の方、収入からして学校を休学、あるいは中退してる可能性がある…)今月で連載終了する「こち亀」で、『不良が世間から褒められるのは、マイナスからのスタートだから』という旨の言葉とシーンが出てくるんだが、ここは根幹的に違う。まず、法的に男子は18歳、女子は16歳で民法において婚姻関係を結ぶことができる。つまり、高校卒業までに“結婚適齢期”として法律上は認められ、女子が妊娠してる場合、相手方が認知した時点で“家族”として認められる。もっと言えば、高校3年生までに夫婦となる条件が揃い、妊娠・出産を行った時点で、全員が一つの“家族”として認められ、法的な保護(生活保護や子育て支援など)も受けられる…記事では詳細が解りづらいが、おそらく、男子高校生が自分の犯した“過ち”に対してけじめをつけるために、親の支援を自らの意思で絶ってる可能性がある。これだけでも、充分に“大人”であり“親”としての責任を果たしてる。なのにケチつけてる意見の人々は、ちょっと自分の周りを見ろ…結婚適齢期、および子育て世代でありながら、どんだけ自分の親に、あるいは周囲に“迷惑”かけてるよ？
これは単に、自分自身の人生観が“普通”だと思い込んでるからこその幻影であり、人それぞれに違ってるからこそ、様々な“普通”が存在するのであり、それを自分自身の“価値観”のみで判断するから歪むのである…言っちゃなんだが、昔はむしろ、女子の16歳結婚なんてのは、ごく“普通”の話だった時代だってあるし、しかも生まれた時点で許嫁が決まってて、中学卒業と同時に親同士で勝手に決めた相手先へ嫁ぐことこそが“女の幸せ”とも言われてた。それが一変したのが日本の場合、戦後の高度成長期であり、80年代のバブル期である。男女雇用機会均等法等、女性の社会進出を後押しする法整備が行われ、また、学問の分野でも軍事関連でも、女性が幹部候補になる機会が増えた。しかし…それと引き換えに仕事を持つ女性が子育てを両立させるには厳しい社会へと変貌した訳である。だから、キャリアウーマンな人ほど独身を貫き、子育てどころか結婚すら諦めて、ただ目の前の仕事に従事する女性の方が増えた。ただそれだけの話である。
つまり、法的整備が時代に合わないどころか、それを拒否した上で上辺だけ取り繕ったツケが、今日の少子化を招いてるのであり、根本的な法整備や子育て支援の拡充を行おうとすれば、まず、10代で妊娠・出産する女子を保護・支援する部分から始めないといけない…高齢出産を希望する夫婦の問題なんてのは、その次でいい…むしろ、不本意な妊娠(性的虐待や強姦による)からの中絶を無くさないといけない。女子中高生が“援助交際”の名で売春する“理由”とて、前回の話とリンクするんだが、世間的な“貧困”を惨めだと考えるから、そして氾濫する情報に惑わされ、最新のトレンドについていけないのがみっともないと思うからこそ、その“資金作り”に利用してるに過ぎないし、そういうのにホイホイする男性とて、嫁や恋人と一緒にいる時間が退屈で窮屈に思えるからこそ、で、然るべき風俗店に行ってることがバレると何言われるかわからんからという“ヘンチクリンな恐怖心”から、さらには性壁でそういうのが好きで欲望を満たしたいあまりに、双方の意見が合致して、犯罪であるにも関わらずやる訳である。中高生にとって、それがいかなる罪なのかを知った時、そしてそれが世間…しかも同級生や親にバレたら、壮絶に叩かれるのは当然である…が、それに似合うだけの防護策や金銭的な施し、家族としての接し方をキチンとやったのかを問われると、大概の人は沈黙する。今の“大人世代”ってのは、あまりに甘えた環境下で育ってるモンだから、もっと言えば、様々な世界と接触することを拒みすぎたあまりに、自分自身の“責任”すら負いたくないというバカが多い。
むしろ、昔の“不良”な連中ほど、本当は“大人になりたい”一心でヤンチャやってるだけであり、それゆえに責任感が強く、いち早く社会人になってる分、同い年の学生よりも含蓄が深い。オイラのオトンも高校中退(しかも工業高校に進学したのに…)というクチだが、だからこそ、周囲の大人の汚さや偏見を実体験し、それを受け流す術を身につけ、今日に至る…もちろん、オカンと結婚し、オイラを産んだ後もかなりヤンチャして、家に帰ってこなかったこともしばしばあったけど、それに似合うだけの収入と、家族を養うための責任は、キチンと背負ってた。だからこそ、世間に対していい加減な態度を示す政治家や企業体質に対しては許さないクチだし、苦労してる分厳しかった…だけどオイラは結局は両親に甘えてるし、旦那や義父母に迷惑をかけっぱなしだ。そんな人間が、自立した家庭生活をやっていこうと懸命な高校生を責める資格があるか？むしろ、オイラは彼等のような子たちに憧れるし、そうしたかった…世間的に高学歴が持て囃され、婚期を失っても独身でいることが“幸福”という概念に捉われ、振り回された身だからこそ言える。高学歴でもガキはガキ、家庭を築き上げる覚悟を持った10代は、それだけで立派な“大人”だ。