迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

大衆食堂“FLAT RIVER”2017 二皿目

マーグ(以下グ):マスターが風邪っぴきらしいんで、手短にジャンク飯…好みのポタージュ系スープに茹でたジャガイモ…あ、コレは冷凍のフライポテトでも応用できるぜ、コレを耐熱皿に入れて、カリカリに焼いたベーコンと玉ねぎ乗せて、チーズを乗せてオーブントースターで10分ほど焼けば、手抜きポテグラの完成だ。以前にも紹介したが、ポタージュスープをホワイトソースの代わりに使えば、調理の手間がグッと省けるんだぜ。それに、自分好みの味のモノが作れるから、基本さえわかれば、いろんなアレンジもできるぜ。最近だと、トマトベースのスープってのもあるから、ジャガイモの代わりにご飯やマカロニを使うってのもあるぜ。ま、“グラタン”って名前ついてる料理ってのは、その殆どがとろみがあるソースを具材にかけて焼くから、アレンジの幅が大きいんだよな。
(ガラガラ…)
っと、いらっしゃい。
カイル(以下カ):マーグ、早速で悪いけど、焼きカレーちょうだい。
ヒデボー(以下ヒ):あ、ボクはボローニャ風マカロニグラタンw
グ:話題に合わすなよw 面白みねぇな。
カ:でも、マーグの言ってることを総合したら、コレもその一種ですよね?
グ:焼きカレーそのものは北九州市の門司が発祥とされてるが、“グラタン”の定義からすれば、ご飯を使ってるから“ライスグラタン”の分類になるな。ヒデボーが注文してる“ボローニャ”ってのも、元来はミートソースを使ったモノというよりも、イタリア北部の都市の名で、畜産業が盛んで肉料理でミートソースを使った料理が多いからそうなってるだけの話さ。
ヒ:でもさぁ…良くも悪くも“食文化”ってのは、地域によって様々だから、いろんな誤解や偏見もあるよね?
グ:そうそう…例えば、近年2月の風物詩になりつつある節分の“恵方巻き”ってのも、元々は関西…てか大阪発祥のモノだけど、本来は2月は寿司の売り上げが悪い時期だから…ってことでおっぱじめたっていう説と、遊郭での遊びから広まったって説があるが、本来は通常の巻き寿司にうなぎ(または煮アナゴ)をプラスしてあるのが正式なスタイルってことになってるし、切らずに“丸かぶり”にしてるのは、大量生産した巻き寿司を切ってるヒマがねぇからなんだよな。(諸説アリ)
ヒ:え、合理化の結果っすか?!
グ:そういうことw
カ:げ…だったら、自分家で切れってことで渡してるってこと?!
グ:そりゃそうだろ…握り寿司や海鮮ちらしなら、そう手間がかからねぇけど、巻き寿司や混ぜ寿司ってのは、一つ作るのに色々と手間がかかる代物なんだぜ。だから、一般家庭でも“ハレの日”にしか作らねぇだろ?
ヒ:あ…そう言われたら、そうっすね。
グ:だろ?“郷土料理”として一般的な押し寿司系のモノだって、具材の調理に時間がかかる上に、重石を乗っけて圧縮したり、金太郎飴みたいに断面が一定の模様で楽しめるように配置したり…そういうモンなんだよ。それを手軽に食べるようになったのは、江戸時代以降、芝居や芸事の鑑賞時の小腹満たしで供されたのがきっかけとも言われてるんだ。いわゆる“助六”ってのがいなり寿司と巻き寿司のセットだろ?アレだって一説では、芝居の演目上で主人公の好物がそれだからってので始まってんだよ。アレも、特にいなり寿司は大量生産しやすい上に、材料費が安価だからこそ作れるようなトコがあるけど、あの薄揚げを調理するのに色々と手間かかるんだぜ。
カ:そういえば、関西と関東でいなり寿司の形状が違うって耳にするけど、アレってどういうことっすか?
グ:ひと口で言えば、キツネの“耳”にするか“色”にするかの差…って言った方がいいかな?関西の場合、演劇の幕間に食べやすい形状にするなら、一口サイズの方がいいし、キツネの耳って三角形になってるだろ?だから、甘辛く煮た油揚げを三角形になるように切って、一口サイズの寿司飯を詰めたのが一般的になった訳で、関東だと、油揚げの色そのものがキツネの毛色にそっくりだから、長方形型が一般的になった…って考えていいと思うぜ。更に言えば、大阪の場合、油揚げを乗せたうどんは“きつね”でも、蕎麦の場合は“たぬき”ってなるけど、関東は油揚げがある方が“きつね”で、天かすだけのを“たぬき”になるんだ。ちなみに京都は“たぬき”と頼むと、うどんだろうが蕎麦だろうが、餡掛けで出てくるぜ。
ヒ:げっ…関西住まいだったけど、京都と大阪で、そういう違いがあったんだ。
グ:話を寿司に戻すと、関西の老舗寿司店だと、冬場限定で“蒸し寿司”ってのもある。錦糸卵が乗った素朴な混ぜ寿司だが、少しでも暖かいモノを提供したいってことで、店ごとにスタイルが違うが、まるで飲茶感覚でせいろに入れて蒸してあるトコや、銘々のお椀に入れてから茶碗蒸しみたいにするトコがあるんだぜ。ま…元来、寿司ってのは保存食な一面もあって、ゆえに柿の葉寿司や大阪の“箱寿司”ってヤツも、携行食としての役割があったから、ああいう形状になってるってトコもあるんだよな。