迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

断られた?当然でしょw

なにやら、離島発着のLCCとアスリート系車椅子身障者がトラブッた話でSNSが騒然となっているが、仮に断られても仕方ない事をやってる以上は、身障者であっても件の輩を庇ってはいけない…なぜなら、大概の航空会社は身障者相手に“事前に連絡しろ”と散々告知をやってる訳であり、それを“守らない”方が悪いのであり、ひいては、全ての身障者に対して不快な思いをさせることでしかない。もっといえば、航空機や船舶ってのは、安全な航行を行うために、必ず当日利用する顧客データを基に、搭載手順ってのを決めている訳であり、それは航行時のバランスを考慮してるモノであり、もしコレを無視すれば、航行中にバランスを崩して転覆、あるいは墜落という最悪な事態になりかねないからである。そこんトコに関しては、より専門家的意見に任せるとして、なんで“断られる”のかってついての話をやらせてもらう。

陸路の交通機関…特に列車の場合、きちんと線路や架線の保守ができて、かつ、信号系統で不具合がないのであれば、よほどでない限り重篤な事故になることはあり得ないし、新幹線ですら、走行中に地震が発生すると緊急停車して、安全が確保されるまでは運休する訳である。また、路線バスにしろ、タクシーにしろ、安全に運行ができるのは、クルマが走行可能な道路があってこその話であり、四駆でもない軽トラが走れるからといって、未舗装の広域農道でもないようなトコを走ればどうなるか、クルマを運転してるなら、想像ができるかと思う。(そもそも、未舗装な畦道走るクルマは、地元の農家ぐらいであって、無理矢理走って脱輪したり、クルマごと田畑に転落したら、損害賠償が…ry)

その“安全”が保持できないと判断された場合、交通機関各社局は、運行の即時停止や見合わせをするのは当然の話であり、それは利用客の“命の保証”でもある。そのための“運行料金”であり高速道路の“通行料”でもある。つまり、一定の“負担”を利用者から徴収することは、それを引き換えに様々なサービスを施すためのモノであり、その中には安全確保のための保安料も含まれる訳である。だから、運行不能になれば、その分のキャンセル料は各交通機関の方で負担したり、振替便への手続きをやってもらえる訳である。また、JRグループの場合、予定時刻より2時間以上遅れた場合は、目的地までの料金、または出発駅へ引き返す料金は、全て無料扱いになる。なぜなら、その分の負担金を、予め利用者から徴収してるからこそできることであり、有事の際の輸送が想定されているからこその話である。振替輸送ってのも、そもそもは利用者が負担すべき料金を、当該する鉄道会社やバス会社が負担することで利用者の利便性を図ってる訳であって、本当の意味で“無料”という訳ではない。だから、延着証明や振替証明を改札やバス停などで配布する訳であり、それを持っている定期利用者(通勤や通学で公共交通機関を利用する人々)は、振替先の鉄道会社の路線、あるいはバスを利用することができるのである。また、これはオイラの経験上の話だが、長期間の不通区間を代替路線で往復する場合、きちんと申請すれば、会社から支給される交通費も、それを見越した額で受け取ることができる…事情が事情であることを会社も考慮して、遅刻しても代替輸送路線の遅延であれば、お咎めナシになる。

話を航空機や船舶の方に戻そう…陸路と違い、いくら横揺れ防止のスタビライザーを装備してたり、コンピュータ制御で航行できるからといっても、前後左右のバランスを考えてハンドリング(積載作業)をやらないと、安定性が維持できないのが泣き所なのが船舶…特にカーフェリーには付きまとう訳であり、さらに天候…特に暴風域を航行する路線だと、マジで転覆しかねない。まして、船舶を改装するにあたっても、そういった安全面を考慮したバランスを無視したら、韓国のセウォル号事故よろしくなことになりかねない。当然だが、地中海やインドネシア近海を航行する旅客船の転覆事故の大半は、積載オーバーからの転覆であり、座礁するのも船体が重たいがために、通常(定員、定量を守っていた)ならギリギリで通過できるトコでも、船底が海底の岩礁帯とぶつかる訳である。また、洞爺丸台風による青函連絡船の大量沈没事故も、船の構造上、貨車を積み込んで運行する船舶だったからこそ排水機構が脆弱で、ゆえに機関庫(エンジンルーム)まで水が浸水し、航行不能となった上でバランスを崩し、多くの犠牲者が出た訳である。(多くのカーフェリーが、前後に車両搭載口を設けてあるのは、排水機構の維持のため。)近年の日本でのフェリー事故で言えば、紀伊半島沖での東京沖縄航路の貨客線座礁事故だが、これも、実は貨物室(てか、車両格納庫)内で、きちんと係留してないといけなかった大型貨物車(トレーラー)が搭載時の手筈ミスで係留できてなかったことが原因で、波に煽られた船内で車体が勝手に動き回り、その結果、船体のバランスを崩したために座礁した訳である。だから、沖縄や奄美地方の船舶輸送需要が、名古屋や関西の発着が増えてる要因の一つに、この事故で“東京直行”が事実上の廃止という憂き目にあったからであるw(ま、高速道路が整備され、途中を陸路にした方が早いし安全だからね…)

航空機もまた然りで、大型ジェット機ならともかく、離島や地方航路の小さな空港を離発着する旅客機は、殆どが小型機である。また、LCCの場合、少しでも料金を安く設定するために、ターミナルビルのブリッジを利用せずに、タラップでの乗降が一般的である。そういうトコでは今でも、搭乗の際に多くの制約が課せられる。昔は特に、機材繰りの関係でデブは“搭乗拒否”なんてのがあったぐらいで、その理由も航行時のバランスが維持できないという、なんとも悲しい話があったほどである…身障者じゃなく、健常者でも“デブ”には厳しかったのだw 今でも手荷物の規制や預け荷物に関して、様々な制約があるのは、船舶同様の理屈があり、また、収納スペースに確実に入れろという旨の指示が出るのも、航行中に乱気流に巻き込まれたり、今時期だと梅雨前線の上や雲の中を通過する際に、機体が非常に揺れてバランスが安定しないからである。もし、そんな状況下で列車感覚で通路や非常口付近に手荷物を置けばどうなるか…ガチな話、運が悪いと、どんなに軽いぬいぐるみでも、弾丸の如き速度で後ろへ吹っ飛ぶことになる。(コレ、スマホタブレットだとどうなるか、わかるよな?)だから、固定できない機材や座席下、または座席上の共用収納棚に入りきらない手荷物は、ほぼ強制的に預け荷物扱いになるし、預け荷物とて、一人20kgまでという制限がある。(詳しくはこちら参照…)

日本の交通機関における“障がい者割引”ってのは、そもそもは介助者同伴が原則であり、また、有事の際に乗務員だけではどうにもならないからこそ、介助者の金銭的な負担軽減措置としてやってるモノであって、だから、それを適用するには、確実に同伴者が最後まで“面倒を見る”ことが最低条件としてある訳である。オイラも実家のオカン(心臓の冠状動脈バイパス手術を受けた)や義母(腎不全に伴う人工透析)が障がい者手帳を持ってるモンだから、その恩恵に与かることがしばしばあるのだが、あくまでそれは、介助者であるための手続きを事前に役所や関係機関に提出し、利用を申し込む必要があって、それが認められて適用されるモノである。鉄道やバスの場合は常に“同伴”してる状況だから、そこまでの手続きはいらないが、高速道路や船舶、航空機利用の場合は、この“一手間”がどうしても必要になる…不正使用を防ぐ観点からだ。特に高速道路の場合、手帳に記載された車両と、ETC搭載車の場合はそのカード情報を役所に登録しないと使えないし、そこで不正が発覚すると、非常にイタい目に遭う。(不正使用は全区間料金の3倍以上取られるから…いやマジで)故に、事前登録とその更新は、面倒でも常に意識してやらないといけない。当人だけで行動できるならともかく、介助者が必要な人のための割引であることを悪用することは、ひいては他の障がい者や利用者自身の負担が増えるだけで、何の意味も成さない。だからこそ、本当に“身障者差別”を根絶しようと思うなら、交通機関が、なんでこういう“制約”を課してるかを、今一度考えるべきである…一人の乗客の“我侭”によって、他の乗客の安全や運行の妨げになるのであれば、世間から批判を浴びたとしても、航空会社として“搭乗拒否”して“正解”である。多大な迷惑をかけてまでも“社会の変革”を訴えるのであれば、まずは自分自身が航空会社や空港会社の利用規定を守って、それで不備があった場合のみ騒ぐべきである。順序をあべこべにしてはいけない…全ては、他の人に迷惑をかけないことにこそ“安全”ってのは守られるのである。