純喫茶“It's Me Cafe” 2017 6杯目

マーティ(以下テ):さて…世間的にはクリスマスイブな訳で、クリスマス商戦もピークになってるのでは？
エルハ(以下エ):むしろ、歳末商戦が本格的になるのでは？と、それと同時に年賀状の準備がピークになるかと…
テ:マスターの場合は、SNSやニコニコ静画、このはてダでのイラスト公開で省略してるんだけど、それ以外の分は、プリンターフル稼働して、年賀ハガキに印刷を行って準備するってことらしいですよ。
(マーティ、オイラの家庭の話はバラさないでw)
っと、すいません。でも、何事もない状態での年末らしい慌ただしさって、なんかいいですよね。本当に平和で、賑やかで、どこか楽しそうで…
エ:やっぱり、どこかで引っかかってるの？命日がクリスマスってのが…
テ:昨日も言ったけど、仕方ないよ、こればっかりは…それに、その件に関して、一番辛かったのは、キミや子供達の方だって…
エ:“あの時”から覚悟してたんだから、それはそれよ…むしろ、“お疲れ様”と言いたかったのよ、本音は。
テ:え…
(ｶﾗﾝｺﾛﾝ…)
エ:あら、いらっしゃい。
ジャスディ(以下ジ):あ、お邪魔します。ホットミルクとレモンパイください。
ミーナ(以下ミ):えっと…ベリークリームタルトとアッサムのストレートで。
エ:ホットでいいかしら？
ミ:ええ、お願いします。
テ:今年は随分、珍しい組み合わせばっかりだな…
ミ:え、そうですか？
エ:いつもだったら、コンビになりやすそうな人が一緒だったりするからね、主人的に不思議がっているのよw
テ:いや、そこまでじゃないけど…
ジ:まあ…言わんとすることに関して、ある程度の察しは付いてますけど。それより…今年、上野動物園で久々にパンダブームとも言える話題があったの、ご存知ですか？
エ:香香(シャンシャン)の話ね。でも、この過熱報道は異常だと思うのよ…でしょ、あなた。
テ:そうなんだよね…今から40年ほど前なら、上野にしかパンダがいなかったし、話題になるのは当然なトコだったけど、今の時代、よくよく考えると、そんなに“珍しい話”かってなると、そうでもないんだよね。
ミ:え？でも、上野動物園の話でしょ？だったら…
ジ:あー、そういうことか。
ミ:え？
ジ:“東京偏重”な報道だから、日本には他に、ジャイアントパンダを飼育してて、しかも繁殖に成功してるトコがあるってことを、あまり報じてないってことだよね。
テ:流石、報道番組に携わってただけに、よく気付いたね。そこなんだよ…
エ:あ、確かにそうよね。
ミ:でも、パンダって…
ジ:話遮って悪いんだけど、日本におけるパンダに関する研究については、実は、和歌山県にあるアドベンチャーワールドの方が、世界的にも有名なんだよ。
ミ:え、そうなんですか？
テ:有名も何も、中国以外のパンダを飼育してる動物園で、唯一と言っていいほどの繁殖成功例を叩き出しているのが、ここなんだよね。
ジ:何が凄いかって言えば、計16頭もの赤ちゃんパンダを生み出し、しかもそのデータを基に、中国でも繁殖や人工飼育に成功してるんだよ。ついでに言えば、日本で誕生したパンダは、中国の研究施設との契約の関係で、一定期間まで育てた後は、全部中国に“返却”されることになってるんだよ。
ミ:え…“返却”って、なんかおかしいような？
テ:日本語的な表現としては、ちょっとアレだが、要は、繁殖データを取るためと、血統的に関係が濃くなることを防ぐ目的で、そうなってる…というのが表向きの話なんだ。
ミ:表向きって…
ジ:裏を言えば、ワシントン条約に基づいて、ジャイアントパンダは絶滅危惧種扱いのため、研究目的といえど、野生種の捕獲や売買は禁じられているんだ。その“規約”を中国が利用して、世界中の動物園に対して“レンタル”名目で、パンダを国外に出しているってことなんだ。
テ:年間数億と言われる“賃借料”を要求し、繁殖に成功した場合は、その子パンダを中国へ送り返すことが条件で、飼育が可能とされているんだよ。だから、上野動物園のパンダも、初代のランラン・カンカンの時は日中国交正常化を記念しての“プレゼント”だったけど、それ以降のは全部、アドベンチャーワールドや神戸の王子動物園と同じ条件での“レンタル”扱いなんだよね。
エ:あれ…神戸にもいるの？
テ:いるも何も、繁殖研究に協力することを条件に、一応、10年契約で飼育してるんだけど、なぜかメスだけが残ってオスがいない状態が続いてるんだよ。しかも、二回出産したけど、どっちも“失敗”してるという…
ジ:それ考えると、和歌山の成功例って、凄まじい話ですよね。
テ:気候が良いというのも条件だろうけど、それ以上に、飼育のノウハウが揃っているというのが大きいのかもしれないね。とは言え、そういう“実績”を無視して上野動物園のパンダばっかり報じる姿勢は、やっぱりおかしい話だよね。
ジ:それって、結局は報道機関の中心が東京に集中し過ぎた弊害であると同時に、首都圏ローカルの話題を、さも“全国”の話題として発信してる態度が、今も続いてるってことですよね。様々な“話題”そのものは、どこにでも平等にあるハズなのにね…