迷馬の隠れ家 はてな本館

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新幹線のロボットアニメが“王道”な訳…

2018年正月早々から放映され、現在も物語が続いてる“新幹線変形ロボ シンカリオン”だが、これが2018年に放映されたアニメとして、総合第1位(アニメイト調べ)を獲得した。現在のアニメは主に、深夜の時間帯に初回放映され、その後ネット配信や円盤(DVDやブルーレイ)発売で、ジワジワと周知される傾向にあるのだが、このアニメは、むしろ“昭和アニメ”の王道を、キチンと守った内容であると同時に、テーマそのものが世代を超えて楽しめる内容であるからこそ、この結果になったと推察できる。

 

そもそもこのアニメ、元ネタはタカラトミーが発売してるプラレールの企画として,2015年から販売してるモノで、登場当時はPVアニメとして展開してたのが、地上波アニメとして再編されたのがコレである。あらすじとしては、巨大怪物体襲撃に備え、秘密裏に新幹線が変形して戦闘メカとして戦う…ってのが大筋なんだが、中身が中身だけに、結構鉄ヲタ向けにブッ飛んだ話になってるのがミソであり、また、子供向けアニメとしての“お約束”とも言える、小学生主人公がメカに乗って戦うことと、関連グッズ自体も対象年齢が分相応であることも見逃せない部分だ。

 

ここでもう一度確認しておきたい部分を書き上げると、以下の要素が“昭和アニメ”としての王道を、現在進行形でやってると指摘できる訳である。

 

・放送時間帯が子供が見やすい週末の午前中である(基本、毎週土曜午前7時からの放送)

・誰でも知ってる新幹線の車両がロボットに変形する(昔のサンライズアニメでよくあったシチュエーションw)

・主人公が小学生(昔のry)

・敵キャラが原則、禍々しさがある割に“やられキャラ”としての安心感がある(昔ry)

・ギャグとシリアスの切り替わりが自然

 

これに加えて“原作”そのものが既に玩具として発売されているため、物語の“下地”が分かった上で世界観に入り込めるという流れがある。また、コラボ企画としてエヴァネタが2回ほど登場したが、この“下地”自体がJR西日本が“エヴァ新幹線”を走らせてたという、現実社会ともリンクして盛り上がったのも見逃せない。(つか、クリスマス時期に2週連チャンでJR東海CMネタブッ込む時点で、もうねw)

 

Twitterでも呟いだが、アニメの本来あるべき姿とは、親子三世代が一緒に鑑賞して耐え得る内容である事が前提であって、そのためには物語の内容が“誰でもわかる”モノでないと白ける訳である。小ネタに関しても、視聴層の“どの世代”向けなのかが明確でないと意味不明になりやすく、テーマ自体も“新幹線”にまつわる歴史や雑学が主軸でないと、話の辻褄が合わなくなる。このバランスが、他のラノベやコミックから作られるアニメと一線を解してる部分であり、故にどの世代が見ても単純に“面白い”となる訳である。確かに、深夜アニメでも子供が見る時間帯に放映しても充分なモノもあるんだが、総じて原作コミックの描写のせいで、グロいモノやエロ系な内容に陥りやすく、そのままではちょっと…ってのは否めない。しかし、アニメは基本、“コミック動画”としての側面があり、言語や地域風土の違いを超えて放映されるモノが多い。故に、日本では良作でもアラブ圏ではNGとか、欧米諸国じゃバカウケでも日本じゃダメなんてのが、本来は“あってはいけない”のである。そういった意味では、このアニメ、余程の勘違い正義論を掲げる輩以外には、結構通じる話に仕上がってる。それだけでも見る価値がある。

 

 

でも、一番ポイントを上げてるのは、新幹線を実際に運行してるJR各社の“全面協力”という確約がある事が大きい。たかが子供向け玩具の広告アニメと腐す批判してる人に対して言っとくが、プラレールは関係する鉄道会社局の許諾ナシでは作れない代物であり、また、そのリテールがエエ加減だと、対象年齢の子供ですら興味を示さない程“難しい玩具”なのである。それを商機に変えてJR東日本を中心に躍起になってやってるトコを踏まえれば、このアニメが如何に、子供相手に“本気”で挑んでるのかがよくわかる話である。これが国鉄時代のままだと、ガチで作れないアニメだったことを考えると、良くも悪くも“国鉄分割民営化”という事案は、子供達の“夢”にも関わる話だったと言えるのかもしれない。