迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

阪神間の三空港に関する、複雑過ぎる事情…

“関西”とせずに“阪神間”とした理由は、伊丹・関空・神戸以外に、旅客航路を扱ってるのがコウノトリ但馬と南紀白浜の空港が含んでしまうためと、小型機・ヘリコプターも含むなら、八尾空港も含まれる話になりかねないからである…ま、大概関西圏で“空港”というと、先述の三空港のはなしになるんだが…

 

 そもそも、なんで阪神間に3つも空港ができたかって話をすると、2つの“問題”を起因とする、自治体…というより当該地域の市民団体のクレームが、全てを語る上で避けては通れない訳で、更に混乱する要因になってるのが、24年前の阪神・淡路大震災である。つまり、カネにまつわる汚い話と、震災復興の雇用確保という、全く別次元の話がゴチャ混ぜになって起きた話って訳である。

 

全ての事の始まりは、伊丹空港の国際化に伴うジェット機の発着枠問題で、その要因の一つに、大阪(千里)万博の開催が絡んでる訳で、開港当時の空港周辺は、牧歌的な田園風景が広がる田舎だった訳である。で、万博終了後に急速な宅地開発が進み、国際線のみが大型ジェット機での運行だったのが、国内線でも幹線航路にジェット機を導入し始めた事によって、離発着時の騒音が問題となり、伊丹空港周辺11自治体…大阪府兵庫県に跨る11市町の市民団体が、国を相手に空港移転と廃止を求める裁判を起こした訳である。ただ…別の市民団体は、伊丹空港を離発着する時に発生する空港利用税の“旨味”が捨て難いとして空港存続を訴えた訳で、ここの部分で国も頭を抱えた訳である。そこで、“国際線専用”として、大阪湾の一角に人工島を造って、24時間運用可能な新空港を開設する計画を立ち上げた訳である…これが現在の関空が建設される訳なんだが、その建設予定地に関しても一悶着があって、当初は兵庫県側は神戸港沖への移転を推奨したんだが、なぜか神戸市が大反対して頓挫…で、大阪府側の意見として泉州沖と大阪市ベイエリアの2候補を提案し、結果として現行の泉州沖に決定した訳である。(で、のちにふるさと納税制度で、泉佐野市が財務省総務省の指摘を無視してLCCの往復航空券を返礼品にしてる訳でw)しかし…

 

関空が開港して4ヶ月後の1995年1月17日、あの忌まわしき震災が神戸の街を壊滅させた。この時、皮肉にも神戸沖でなく泉州沖に関空と作ったことは“正解”だった訳で、仮に神戸沖に関空が作られていたら、おそらく空港設備の多くが被災して、伊丹空港周辺もボロボロだった事を踏まえると、関西圏から“空の玄関口”を、完全に失っていた可能性があった。そんなこともあって、とにかく神戸市の人口流出を食い止めるためにも、公共事業による雇用確保が不可欠となった訳で、復興に必要な財源を確保するためには、観光事業に特化するしかないとして、国際貿易港としての神戸港に、更に“空路の港”も作ろうという、完全に明後日な方向へ計画を立てたのが神戸空港の開港に繋がる訳である。

 

つまり、三空港が抱える一番の問題が、この“空港利用税”という収益であり、その取り合いが激化してるから色々とややこしい話が出る訳であり、伊丹空港が24時間運用可能な国際空港として開発を進めていたら、騒音問題で騒ぐ市民団体を説得するのも大変だっただろうし、かといって関空も去年の台風被害から、様々な問題点が浮き彫りになった訳であり、完全に後手に回った神戸市の、“市営空港”として失敗したからこそ、関西エアポートへの“経営統合”が行われた訳である。実は、今の三空港は一つの経営会社に統合されていて、ゆえに、三空港の状況に合わせたシフトが組めるようになってる訳であり、1カ所がパンクしかけたら、残りの二空港に振り分けることもできるようになってる訳である。ま、同じ様な飛行ルートを辿るんで、どれか一カ所が“受け入れ可能”となってたら、(機材にもよるが…)緊急着陸をやろうと思えばどこでもできるという強味がある。

 

とはいえ、実は三空港とも交通アクセスにちょっと難があるのは事実で、関空と神戸の場合、陸路が連絡橋以外存在しないため、連絡橋になんらかのトラブルがあると、対岸の市街地への移動ができないという弱点があり、伊丹は鉄道とのアクセスがモノレール以外、直通しないという欠点があり、しかも宝塚や有馬温泉へ向かうには、一旦大阪市内に出るか、最寄りの駅まで路線バスに乗るしかないという不便さがある。(レンタカーやタクシーを利用するにも、周辺道路が結構大回りばっかで、すんなり行けるルートがないw)特に阪神競馬場園田競馬場から直線距離だとゲロ近な(しかも園田のコース脇から離発着が見える)のに、移動に最低1時間は見とかないとダメという…近くて遠いって揶揄されるの、どうにかなりません?