迷馬の隠れ家 はてな本館

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バイトの仕事が過酷になってる背景…

SNSで散見される非正規雇用(バイト・パート・派遣社員)に関する話題で、よく出てくるのが仕事量の割に待遇が劣悪という話。でも、この背景を精査すると、実は労使交渉において雇用主と就労者で決めた“約束事”そのものが間違っていることと、プラスして、“消費者意識”が経済を理解できずに明後日な方向に行ってる事が原因と考えて差し支えがないと思う。つまり、景気回復の実感が沸かない最大の原因は、物価上昇は人件費のせいにして、製造現場や職人の地位を見下した結果であり、また、非正規雇用が多いのは、労働力の“使い捨て”で、価格を抑えてる事を“消費者”自身が理解できてない事に尽きる訳である。言い方変えると、“消費者=就労者”である以上、物価上昇で生活が変わらんのは当たり前なのに、そこを“否定”した結果、本来であれば重要な職務を担う人材の育成ができないまま社会そのものが劣化してる訳である。

 

特に飲食店での炎上事案の多くは、正規雇用(チェーン店における本部雇用社員)にやらせるべき、衛生管理やリスクマナジメントの類を、“手当つけるから”という口実で学生バイトにやらせてるのが原因であり、特に調理場の床に食材落として踏みつけたり、ゴミとして捨てた食糧残渣を消毒済みのまな板に置いたりといった動画が上がるのも、“責任者がいないからw”という事で、いわゆるYouTuber気取りで“炎上商法”に出る訳である。学生バイトにしたら、自分の思う時間帯で就労したいし、将来フリーターで継続するつもりもないから、メジャーな外食チェーン店で無茶振りする正社員(特に店長)にしっぺ返しするつもりが、結果として企業として個人的に賠償を命ぜられて“人生詰んだ”状態になってる訳である。

 

ここで、誤解されないように、なんで非正規雇用にマネジメント業務までやらせるかという背景について解説すると、実は事の始まりは、小売業での“働き方改革”として女性パート従業員に“役職手当”をつける制度が導入された事がきっかけになる…これ、今から30年以上前の話で、パートとして職務復帰する女性従業員に対し、パート契約で賃金を下げる代わりに、技能や取得免許(酒類販売免許とか、医薬品登録販売者とか…)に応じて“役職手当”として減額分の賃金を保証し、スキルアップする毎に報酬を付けるというシステムが導入された訳である…要は、店舗を知り尽くした“地元主婦”に店舗経営を任せる事で、本部社員の“店舗勤務”を減らし、その差異による人件費削減を画策した結果、正規雇用者以上に働くパートや派遣社員が珍重されるようになった訳で、コレに飛びついたのが飲食業な訳である。

 

つまり、メディアがこの“成功例”を取り上げた結果、日本の多くの企業が真似た訳であり、パートや派遣でも“特殊スキル”を有する人対象に正規雇用以上の待遇を提示したのが間違いであり、そもそも“特殊スキル”の多くは、正規雇用職業訓練の一環として講習を受け、一部は国家資格として試験を受けて取得したモノであり、それを“安価”で手に入れようと模索するから“人材不足”になる訳で、故にバイトに対しても資格保有を強要する訳である…しかも、講習費用を実費負担させようとする時点でお察しである。但し…一部の鉄道会社で運転士募集時に研修云々を“実費負担”としてるトコがあるのは、いつ鉄道事業を“廃業”するかわからんトコであるからってのと、電車や機関車の運転免許は国家資格であり、一度取得すれば、他の鉄道事業社局に転職しても“運転士”として即戦力になるからといった事情があるw

 

話が逸れたんで元に戻すと、ハンドメイド作者に対する暴言と一緒で、要は技能や職務の本来の価値を無視して“価格”だけでブーブー言ってる人が、メディアやSNSで暴言吐いて拡散してるから、低賃金のバイトに無茶振りをする訳であり、また、こういった面倒な職務をこなせる“専門家”を“無駄飯食い”と言って切ったせいで、無責任な経営が跋扈する訳である。そこに拍車かけてるのが“消費者”としての立場で、無理難題を事業者に吹っかけてる当事者…つまりは就労者自身である。ここんトコを誰一人学んでこなかったからこそ、日本の雇用情勢が劣悪になるのであり、改善することなんてない…“自分”が求めた“結果”だけが目の前にあるだけで、それ以下も、それ以上もないのです。