迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

観光シーズンの京都市内(洛中)はなぜ、渋滞地獄になるのか?

類稀なる大型連休に、はしゃぎまくって京都観光を計画してる人に対して、苦言を申して悪いのだが、クルマでの移動は、路線バスも含めて地獄見るから、正直オススメしない…てか、地下鉄や嵐電、各鉄道路線以外の公共交通機関がアテにならんのは、京都の道路事情が、景観保全を訴える市民団体によって阻害されてる部分があって、更に、奈良市内でもそうなんだが、道路拡幅工事をやろうとしたら、予定地から遺跡がボコボコってトコだから、変にイジれないって事情があって、なかなか進まないんよね…その上に訪日外国人が関空経由で押し寄せるから、そりゃ、歩道も通行に支障が出る程、渋滞するのは必然な訳である。

 

 

何度もいうが、京都に限らず、奈良も奈良公園周辺やオイラが住んでる斑鳩の郷(法隆寺)周辺も、道路事情が悪い背景には、古の遺跡の上に都市開発をやったからこその悩みってのがあって、歴史的な遺構を残す為の環境保全はもっともでも、それじゃ住民生活はどうやねんって話になる訳であり、故に“市民団体はアホ”っていう感覚が根強い訳である。環境保全の中には、その遺跡と一緒に生活する住民がいる訳であって、住民生活を“犠牲”にしてまで遺跡の保全はやるべきかという問題は、地元の土木関係者の頭痛の種にもなっている。

 

この問題自体、実は堺市周辺も同じで、高度成長期の宅地開発の際、百舌鳥・古市古墳群の多くが、ロクな発掘調査もせずに整地されてしまった訳である。これに対して、宮内庁が“これ以上の都市開発すんな!”と言わんがばかりに、大仙古墳(仁徳天皇陵)を含む、百舌鳥耳原地区周辺に点在する大型古墳を中心に、宮内庁管轄の土地として、考古学の発掘調査すら“お断り”な状態にした訳である。余談だが、実家の近所にある方違神社、あそこの“鎮守の森”っぽく見えるアレは、一部は反正天皇陵だったりしますw

 

話を元に戻すと、防災や減災のための都市再開発事業は、時として“景観保全”を理由に阻害されることがしばしばあるのだが、それが“良い場合”と“悪い場合”ってのがある。前者は歴史的“教訓”から移設や嵩上げを行なった末のモノであって、後者はそれを無視してやったモノである。つまり、過去にその地域が衰亡するかもしれないほどの災害があって、その教訓から行なったインフラであり、その意図がキチンと後世にまで伝わってるか否かで変わる訳である。

 

もっと言えば、土地開発を行う上で重要な事は、“予測不能”な事態を、いかに“予測”するかであり、自然災害“だけ”とは限らない訳である。そのバランス感覚が難しいから、どうしても意見がバラバラになりやすいのであり、その“犠牲”は“誰”が払うのかって部分で紛糾する訳である。“言い分”そのものは“正しい”からこそ、双方が喰い違う訳であり、折衷案では“妥協できない”でモメてるうちに、最悪な事態に堕ちて、“責任“の所在でまたモメるのである…自分自身が“負の遺産”を背負いたくない一心で、逃げ惑うだけである。それ、古の人々が望んだ結果だと思うか?違うだろ、“自分が望んだ結果”だ。

 

 

かつて京都…特に洛中の住民は、明治維新以降の天皇奠都による街の衰退を嘆き、なんとかしてそれを食い止めるために、歴史建造物や古刹にお構いなく、近代設備を次々と設置しまくった訳である。その一つが琵琶湖疏水であり、蹴上インクラインだったり、水力発電所であったり、その電力で路面電車(京都市電)を開通させた訳である。この急速な近代化が進んだ事で、京セラや任天堂のような、IT関連に強い企業が京都を本拠地として構えた訳である。ま、任天堂は元々、かるたや花札といった、今風に言えばガードゲーム製造会社だったのが転じて、家庭用ゲーム機の世界的メーカーになった訳だが…

 

そういう経緯を知らずに、“世界遺産だから”とか、“歴史的な都市だから”といって景観保持を訴える訴える人の、なんと多い事よ…本物の“京都人”が求めるのは、どこまでも“最新鋭”である事。伝統や格式なんてのは、確かな腕のある技術者あってこその話であって、その為には、常に最新のトレンドや知識を求め、開発し続けなければいけない…それを一番わかってるのが、“本物”の京都人の感覚だ。故に京都に科学技術者が集うのであり、京都“市内”では手狭だから精華町城陽市京田辺市等に研究所がある訳である。(で、そのおこぼれが、なぜか奈良市に入る訳で…w)

 

もちろん、開発制限があるからこその“開発”ってのもある訳であり、反発する人の多くは“古き良き時代”を壊される事への恐怖心しかそこにはない…時とともに景観が変化するのは、街が“生きてる”からこその所業であり、変化が少ないのは、成熟し“老いてる”からこその開発限界であり、維持するには、再開発以上に難しい。だけど、それを選んだ以上は、時間がかかろうと“復元”してみろって話である。素材すら時代とともに入手困難になるから、どこかで代替品への変更や復元そのものを諦めざる得ない時がくる。それでもそこにこだわるなら、それ故の保護活動や資材確保が大事になる。

 

 

 

 

話があらぬ方へ飛んだが、要は観光地でありながら道路事情がダメポな最大の要因は、あまりにも来訪者が殺到し過ぎて、キャパそのものがすでにパンクしてても、それをイジれば魅力半減というジレンマである。これ、今後明日香村周辺も問題になってくる部分であり、故に近鉄フリーゲージトレイン開発に関しては、奈良県の観光に関して非常に重要な話になってくるし、京都の事情は他人事じゃないんですよ、奈良県も…いやマジで。