迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

計画運休にまつわる“裏事情”

盆休み直撃な台風接近中、いかがお過ごしでしょうか?ま  さ  か  とは思いますが、“稲●ジェーン”を決め込んで、大荒れの海に向かうとか、ガチで海上保安庁が大迷惑するんで、絶対にやめろよ…いやマジで。

 

 

 

まぁ…折角の休暇予定が、台風でおジャンなのはお気の毒だが、交通機関が“計画運休”する事について、文句タラタラな人も多いかと思うが、これに関しては、昔と今では“条件が違う”事を踏まえないと話にならないのであって、そこを無視してピーキャー言うのは、愚の骨頂。気候変動もさることながら、現在の技術発展が結果として“無理できない”事情も、もたらしたと推察した方が賢明とも言える訳である。特に鉄道の運休について一言でいえば、“軽量化が仇になってる”からこその計画運休って訳。

 

かつて南海が、潮風で錆びやすい鋼鉄車体を、なぜか海側を走る本線系統で運用してたのは、錆びにくく軽量なステンレス車体よりも“安全性がある”という認識があったと推察される訳で、同じ理屈は瀬戸内に路線がある山陽や、近鉄の特急車両にも通じる話で、いずれも台風接近時でも運行に支障が無いように、車体重量が重い鋼鉄車体を配備してた…って言える訳である。阪急や阪神も、つい最近までステンレスよりも鋼鉄車を中心に配備してたのも、ほぼ、暴風の中でも運行を続けられる条件が、昔は私鉄として“常識”だった訳です…JRグループ国鉄だった頃から、関西の私鉄は、様々な部分で対抗意識もあって、且つ、常に代替輸送の観点からの協力体制を怠らずに、沿線住民の足として機能していたからこその“無茶振り”があった訳ですw

 

しかし、この考え方が一変したのが1990年代…特に阪神淡路大震災以降、車両維持の低コスト化と、省エネの為の軽量化が叫ばれる様になり、特に阪神はあの震災で多くの鋼鉄車を失う事に…これがきっかけで、大量に新造車が必要となり、そこで現在の主力でもある1000系のモデル車となる9500系を急遽導入し、そこからアルミステンレス車体への置き換えが始まった訳です。

 

ところが、アルミステンレスの車体には、故の弱点があって、それが強風に煽られやすい…軽量化が却って乗客の安全を損ねかねないというジレンマが出てきた訳です。それを一番如実に語ってる事故として、1986年に発生した、余部鉄橋列車転落事故がよく語れれる訳だが、なぜかと言えば、回送客車が突風に煽られて脱線し、そのまま鉄橋の下にあった海産物加工場を直撃し、作業中のおばちゃん達が犠牲になったから、その原因を突き詰めると、鉄橋の安全を確保する為の風速計が故障してたことと、牽引してる機関車はエンジンなどを積んでる分重量がある為徐行で走れば通過できても、客扱い(営業)してない客車は、正味台車以外の“重石”を積んでいないから、簡単に強風でバランスを崩して落下した…って訳である。(福知山(宝塚)線脱線事故も、実は当初は車両の軽量化が甚大な事故につながったという指摘があった訳だが…)

 

つまり、今までの台風の威力であれば、鋼鉄車体で運行してる限りは、運行区間内での設備破損(法面崩壊や橋梁の損壊等)が無い限りは運行できたが、車体の軽量化が仇となり、また、気候変動で台風の威力そのものが甚大化してる事、更には、施設の多くが補修や更新を要する程の老朽化が進んでるにも拘らず、多くの鉄道会社が経営難からなかなか着手できないままでいるから、利用客の安全確保の上での“計画運休”って事になる訳です。

 

 

 

 

 

 

 

本四連絡橋とて、そもそも、荒天時の海上輸送が危険だからというのと、鉄道(最終的には新幹線)を天候に左右されずに運行できる術として計画されてた訳だが、青函トンネル関門トンネルより需要予測が見込めないという事なのか、台風等の荒天時は、速攻で速度規制や通行止になる訳で、これでは何のための“陸路輸送への変換”だったのかって話な訳である。しかし、走行中に事故でも起きれは使い物にならなくなるのは、去年の関空連絡橋衝突事故(安全対策を怠ったタンカーが波に煽れれて漂流し、橋脚にぶつかって、道路部分が損壊した)の事で明白な訳で、それを避ける為にも、これは仕方ないと思わざる得ない。それでも交通機関事業者に対して無理難題を吹っ掛けるドアホがいるなら、事業者自身も就労者の安全を守る義務を理由で、訴えるのがスジでしょう…危険な行為は法令違反で叩かれますから、と。