迷馬の隠れ家 はてな本館

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“お念珠”の謎

今回からあらゆるジャンルの雑学についてウンチクをたれるカテゴリー、“雑学アレコレ”を不定期ながら展開していきます。で、最初の雑学は、学会員でなくても大概の人は持っているハズの“お念珠”(数珠)の話。宗派によっても違うのだが、必ずといって仏教(特に日本)ではお馴染みの“仏具”だが、実はアレでもちゃんとした“お守り”なのだ。じゃ、何で日本では“お念珠”を様々な使い方を行うのか?
ちなみに、学会員が使う“お念珠”は、基本的に天台宗系の宗派が使うモノとほぼ同じで、本体(大きな輪っか部分)は108個の珠(たま)を紐に通したモノで、両端にふさ(雪洞状のアレ)が付いている。人によって違うが、基本的に右手側が3本、左手側が2本のふさがくる様に、中指にかけて使うのだが、真ん中は一回ねじって使うことが多い。

実はコレ、よく見ると“人形”(ひとがた)になってるんです。つまり、雪洞状のふさは、3本の方は上半身(頭と腕部)を表し、2本の方は下半身(脚部)を表してるんです。また、本体の珠のうち、2本側に4個、通常より小さな珠が使われているのだが、これは真ん中に近い方が“へそ”、ふさに近い方が“生殖器”なんだとか。
“人形”(ひとがた)というと、オカルト系に精通してる方ならピンと来るかも知れんが、通常は木片か紙で作って、役目が終わると燃やす訳だが、コレを珠で作るのは、経文によっては“とんでもない代償”を必要とする効力があると信じられてるからである。つまり、陰陽道における“呪詛がえし”の効果があるということなんでしょう。従って、珠が割れたり、紐がちぎれた時は、自分の身になんだかの“災難”が発生し“効力が切れた”と考えて、買い替えるといいでしょう。
“お念珠”の素材も、かつてはウッドビーズ系が主流でしたが、現在では耐久性やカラーバリエーションの関係で、プラビーズ系が多いです。ただ、最高級フ“お念珠”となると、さすがに天然石(特に水晶)を使ったモノもある訳で、そこらへんはピンキリです。(オイラの知っている“天然石念珠”では、本物のラピスラズリ使用のヤツで、10万近くしてたw)ウッドビーズ系でも、白檀(香木の一種、使う度にほのかに清々しい香りが広がる)や、紫檀(仏壇や家具に使う高級木材、非常に固くて磨耗に強い)だとかなり高級品で、普及品だと梅や樫を使ってたりします。特に地蔵盆(関西の風習で、子供や水子の霊を慰める特別な儀礼。)に寺院で子供達が回す大きな“お念珠”はウッドビーズ系です。
ではなぜ、“数珠”とも言われるのかというと、コレは本式の本体部分の珠が108個あるのと関係があります。よく大晦日の時に耳にする“除夜の鐘”もそうですが、日本での仏教では、人間には108の“煩悩”(ぼんのう:憤懣と悩み)があるとされ、それを浄化することで悟りを開くとされています。つまり、そんだけ分の声妙(しょうみょう:学会流儀なら“題目”)を唱えることで、一回分の“おつとめ”となると考えていた為、それをカウントする為の道具として、こうなったと考えたら良いでしょう。また、一般的に使われる“略式”タイプの“お念珠”(100均でも売ってるアレ)でも、実は本体の珠は本式の半分の54個が正当であり、最近流行りの“ブレスレット”タイプも、略式と同じ様に掛算して“108”になる様に数を調整して作るのが普通です。
宗教は違いますが、キリスト教で使われる“ロザリオ”も、実は使い方は“お念珠”と同じで、聖書の一節をひも解きながら手元で回して祈った回数をカウントしてるんです。