迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

“馬ぐるみ”の歴史について。

ディープインパクトの圧勝劇で終わった、今年の宝塚記念。コレにより、またディープインパクトの“馬ぐるみ”がリニューアルされる事になる。さて、現在でこそ競馬グッズの“定番”ともいえる“馬ぐるみ”だが、そもそも何がきっかけて作られる様になったかご存知だろうか?古くからの“馬ぐるみゃー”ならわかる話だが、素を質せばオグリキャップの“馬主”にまつわる話に繋がる。
ま、現在製造元のアバンティーのホムペでは、過去に生産された“馬ぐるみ”の画像を(不定期ながら)随時公開している。その画像を参考にしながら、オイラの説明を読んでもらうと、面白いと思うんで。

“馬ぐるみ”の原点であるオグリキャップは、そもそもは笠松競馬に在籍していたんだが、当時の馬主である小栗孝一さんは、この時点では中央競馬に対しての馬主資格保有していなかった。(馬名の“オグリ”というのは、この当時から“冠称”として小栗さんが所有していた馬全部に付けられていた。)
で、ある日、オグリン(オグリキャップの略称)の戦績を見て、中央競馬馬主資格を取ったばかりの某会社役員(実はアバンティ−の創設者)が、金銭トレードというカタチで中央競馬にオグリンを持ち込んだ訳である。(しかしその直後ぐらいに、脱税容疑でその方が逮捕され、馬主資格を“年間リース”というカタチで近藤俊典さんに移譲した。)そんな事があって、小栗さんはオグリローマンを中央入りさせる際に、中央競馬馬主資格(中京競馬馬主協会所属扱い)を取得したのである。
昭和63年(1988年)の有馬記念でオグリンが優勝すると、コレを記念してグッズを作ろうと計画。で、空前の“オグリブーム”を巻き起こすきっかけを作ったのである。この時に作られたのが、有馬記念優勝時のゼッケン番号(この時は10番)を付けた“馬ぐるみ”が誕生したのであった。でも、この当時は現在の様な“お約束”がなく、様々な色のメンコとゼッケンのオグリンが登場した。(オイラん家の“初期型オグリン”Lサイズも、黄色と黒のメンコである)その後、ファンから要請があったタマモクロスサッカーボーイ、そしてイナリワンが生産された。この当時はどの馬ぐるみも“鼻白”で、しかもタマモクロスサッカーボーイは寝そべったタイプで発売された。そして、フィギュア的要素の高いアイネスフウジン(オイラは見た目で、“間●平似馬ぐるみ”と称している)が発売された。その後しばらく発売を見合わせていた(他に馬主が自分の愛馬の“馬ぐるみ”化を拒んだため)んだが、トウカイテイオーイソノルーブルを発売以降、“馬ぐるみ”発売に関して理解してくれた馬主が、挙って製作を依頼すると様になったのである。その中でも一番影響力があったのが、いわゆる“社台ブランド”を率いる吉田善哉さん(ノーザンテーストサンデーサイレンス種牡馬として日本に持ち込んだ、社台の総帥。既に故人)で、この人の“一族”が自分トコのテーマパーク(ノーザンホースパーク)を開設する際に、“お土産グッズ”のひとつとして取り扱う事を決めたのが大きいといえるだろう。
よく見たらわかるとは思うが、現在の“馬ぐるみ”についてる勝負服(“馬主服”ともいわれるアレ)をモチーフにした商品タグには、2種類の表記がある。ひとつはアバンティーのロゴがだ、サンデーサイレンス産駒や社台ブランド(社台レーシングクラブの勝負服だったり、生産が社台ファーム系)の場合、“ノーザンホースパーク”のロゴかついている。コレは実馬の“名称の管理”を“ノーザンホースパーク”が一括して行なってるからであり、社台ファーム系の牧場から購入した馬を保有する馬主は、馬ぐるみに使われる際にココ経由で許可してるのである。(多少、例外もあるが…。)
ちなみに、現在の様な“鼻黒”タイプはウイニングチケット以降、“優勝レイ”付きはイナリワンが原型だが、本格的になったのもウイニングチケット以降である。そして90年有馬記念優勝時のオグリン以降は、JRAの重賞識別に批准したゼッケンカラー(ダービー=白地に黒文字、クラシックG1=青地に黄文字、その他のG1=青地に白文字)に変更。そして、優勝時の馬装(メンコの有無やバンテージのデザイン、頭絡のデザイン)をなるだけ忠実に再現する“お約束”ができたのが、今から10年くらい前である。最近では、海外のレースで活躍する事も多い為、いわゆる“海外G1仕様”のバージョン(原点はフジヤマケンザンだが、本格的になったのはタイキシャトル以降)まで登場する様になった。さらには“種牡馬&名馬シリーズ”と称して、シンザン(頭絡にプレート付き)やサンデーサイレンス(馬服着用バージョン)まで登場している。
ただ、最近発売される馬ぐるみの種類が増えた(というか、ディープインパクトばっかり売切れる)せいで、現在生産が追いつかない状況なんだそうな。この夏場だけでもコスモバルクシンガポール航空国際カップカワカミプリンセスの発売予定をしてるんだが、かなり遅れているらしい。ま、“商売繁盛”ならではの悩みでもあるが…。