なぜ、“ジャイアンツ離れ”が深刻化しているのか？(再考編)

以前、プロ野球中継(しかもジャイアンツ戦)の視聴率が軒並み下がったのかという話をやったが、今回はもうちょっと突き詰めて、なんで地方での“ジャイアンツ離れ”が発生しているのかを、オイラの推論を述べようと思う。
かつてのジャイアンツには、多くのファンに対して、自分達に寄せる期待を真摯に受け止め、それを実行する姿があった。しかし、昨今のジャイアンツを見てると、その“過去の偉業”に胡座かいて“商売”してるキライがある。しかも、スタメンで登場するメンバーが生え抜きではなく外様ばっかというのは、見ていて全然面白くない。当然、過去のデータを信用して他球団(あるいは海外リーグ)から選手を“買付”ているモンだから、総じてチーム内の平均年齢は他球団より高めで、しかもいつ故障するか分からない“ポンコツ中古”な選手しかいない様な状況である。現に今月中に、元ダメ猫もとい阪神のアリアスを獲得するとかしないとかで、“補強”するみたいだが、そういった“外様補強”はむしろ無意味だ。

よく考えてもらいたいのだが、去年の阪神や千葉ロッテ、今年の楽天や西武、そしてヤクルトや中日は、“補強”というより“若手育成”にチカラを注いでる部分がある。つまり、不調の原因はベテランに頼り過ぎて若手や中堅に、試合経験を積ませていないからボロが出るのであって、そういう時は成績よりも“選手育成”を重視して、ワザと“戦犯”として若手に最後の責任を取らせていた。こういった経験が、後々“一流選手”としての経験値を増やすきっかけとなり、次の時には勝利に貢献する事に繋がっている。逆をいえば、球団がムダに“補強費”を捻出しなくても、二軍(ファーム組)や一軍でも出番がない選手にチャンスを与える事で、思いがけない結果を出す事もあるということ。その為、どんなに怪我人続出しても、それをフォローする為の人材が、予めストックされた状態で試合に臨めるから強いのであって、決して“補強”だけで強くなったのではない。
ところが、目をジャイアンツに向けると分かるんだが、現場の首脳陣は他球団同様にそういう事をやりたいのに、オーナーである親会社のエラいさんが“バカ”だから、ムダ金叩いてそういった他球団から選手を“お買い上げ”してしまう。もちろんそれには、他球団(特にパ・リーグ)の“懐事情”というのも関係しているんだが、その割には向こうの方も自分トコの選手でちょっとでも良いヤツを“確保”したいモンだから、殆どが“高給取りのポンコツ選手”ばっかり集まるという次第である。そのクセして、ドラフト会議で将来有望な“選手のタマゴ”を獲得しておきながら、殆どが一軍の試合で使ってもらえない“塩漬け”状態で、ポイ捨てされてる現状がある。ココに大きな“問題”がある。
確かに、一流選手として活躍できるモンは、相当な才能とそれに似合う努力をもってなっている訳だからいつまでも活躍できるんだが、そのチャンスを与えないまま腐らせている現状は、とてもじゃないが“正常な運営をやってる球団”とはいえない。
競馬でもそうだが、真っ当な馬主は、愛馬が末永く多くのファンに愛される事を望んでいる。その為に何度でもG1に挑戦したり、故障して獣医から“予後不良”の診断が下っても簡単に諦めない。たとえその判断が人間側のエゴでも、愛馬を大切に思う気持ちには変わりない。しかし、金欲に溺れた馬主は、たとえ高価な良血馬であっても、いらなくなったら簡単に“捨てる"のである。(最悪は屠畜されて、動物園で飼われている肉食獣のエサになる!!)その結果、本当の“馬好き”以外は、“とてもじゃないが採算が取れない”と言って去っていく。当たり前である。競馬は本来、乗馬から発展した貴族達の道楽であって、成金長者でもよほどの“遊び人”でない限り、手を出してはいけない分野である。
こういった面から考えると、プロ野球だろうがＪリーグだろうが、スポンサー企業の“ファンサービス”という概念がない以上、存続させる意味がない。“球界再編”を訴えるなら、まずは自分が持っている球団と他球団の“選手育成”の度合いを見て、それから考えて実行するべきであって、単に“一人勝ち”を目論んで八百長をやろうモノならば、バカらしくなって多くの“観客”が去っていくのは必至である。魅力ある球団でいたいのなら、他球団と歩調を合わせる事も必要であって、それを拒むのなら、とっとと他企業へ球団の“身売り”をするべきである。(当然だが、球団の合併はやるべきでなく、むしろ“分割”して単位を小さくすれば、新規参入を考える企業への布石になる。)これ以上、ファンを蔑ろにする態度を取り続ければ、かつてのダメ猫以上に“悲惨な結果”が待っている。それはどういう事を意味するかは、オイラが話すまでもない…