迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

ばんえい競馬に“明日”はあるか?

週刊競馬ブックの“こちらラジオNIKKEI放送席”というリレーコラムで、ハロプロ病オジサン…もとい、渡辺アナが珍しく、ばんえい競馬に関する話を先週から2週にわたって書いていた。“ばんえい競馬”というのをご存知じゃない方の為に説明すると、通常なら馬車牽引や食肉用に使われる重種馬(シャイヤー、ペルシュロン等)に専用のそりを引かせ、直線200mのコースに2つのバンケット(急勾配坂路)を設け、いかにして早くそりをゴールまで引っ張り込むかを競う、北海道〜東北で盛んに行なわれている競馬である。で、北海道では岩見沢市や帯広市が主催となって“公営ギャンブル”として開催されている。実は、北見市旭川市も(一応今年まで)開催してたんだが、他の地方競馬同様に赤字経営が祟って、今年限りで“廃止”となったそうである。
で、今日の本題なんだが、実は、当の“ばんえい競馬発祥の地”岩見沢市も“廃止ありき”の方向で存廃問題が議会に挙がってて、このままいくと“公営ギャングル”としてのばんえい競馬が“全廃”という憂き目に遭うという訳である。では、なんでこんな“ローカル競馬”の存廃問題が大事なのかというと…

公営ギャンブル、特に競馬の良さを、“観光の目玉”として活用しきれていないからです。確かに、カジノマシーン(パチンコ・パチスロ含む)だと、必要以上に人件費は掛かりませんし、何時間でも“ギャンブル”に没頭できるため、公営化を認めれば手っ取り早く財政を立て直す事ができるでしょう。しかし、オイラが知ってる限り、同じカジノマシーンを導入しているからと言って、必ず利用客が増えるとは限りません。むしろ、乱立すればその分ユーザーは分散されるので、必然的に“グレーゾーン”ギリギリの経営を強いられ、ヘタな事をすれば脱税等で警察沙汰になったり、新台導入のタイミングひとつで運営が行き詰まるケースもあるのです。確かに、石原慎太郎東京都知事が提唱する“カジノ合法化”には、ある程度理解できなくはないんですが、その為にはやはり、現行の公営ギャンブルをフルに活かせる“改革”が必要です。
北海道の場合、主な産業が農林水産業であり、つい30年ぐらい前までは鉱物資源(特に石炭)の採掘も盛んでした。しかし、夕張市の様に資源採掘に頼り過ぎたツケが今頃になって吹き出し、“観光”での巻き返しを図ろうと思っても、一部のリゾート地(外資系資本による留寿都町のスキー場乱開発等)を除けば、経済そのものは“地盤沈下”の一途です。ホッカイドウ競馬(俗にいう道営競馬)に関しては、JRAと同じ軽種馬(サラブレッド・アングロアラブ)の競馬ですし、他の地方競馬との“連携”で全国統一重賞は、どこの地方競馬場でも馬券が買えます。(実際に園田競馬場で、ブリーダーズゴールドカップの場外発売をやってましたし、高知競馬でハルウララ旋風が吹き荒れた時も、“専用窓口”を設けて対応してましたw)しかし、ばんえい競馬は通常の競馬とルールや施行形態が違い、JRAの支援を受ける事ができないのです。その為、いくらD-NET(地方競馬での、全国統一の電話&インターネット投票サービス。但し、南関東4場はコレと別に“S-PAT4”というシステムがある。)で馬券が買えるといっても、情報が無かったら意味無いですし、たとえ買えたからといっても、その結果を知る術がなかったら、単なる“マネーゲーム”で終わってしまうのです。
オイラも一度だけ、岩見沢ばんえい競馬へ行った事があるのですが、その時の窓口で常連さんと係員の会話が、あまりにも侘びしいモノであったのを覚えています。せっかく週末に開催していても、中央競馬開催時(行った時は札幌開催)なモンだから、お客さんが全部札幌競馬場へ行ってしまい、(行った日は月曜日だったんだが)入場者数が2日間で1000人超さなかったとか、近所の子供達は来てくれる(幼稚園や小学校の課外授業で)んだが、肝心の大人が来てくれないとか…嘆きは理解できるんですが、せっかく道外から“雪に願うこと”(今年の東京映画祭でグラングリを獲った作品。ばんえい競馬の魅力を知ってもらおうと制作されたとか。)を見て来てくれた観光客に背中向けて、何もしないのは“堕落した運営”の何者でもありません。本当に集客力を上げたいのなら、周辺の産業の活性化も大事ですが、多くの競馬ファンや観光客に情報を積極的に発信し、それに似合うだけの設備の整備が必要です。それをケチってまで廃止論議をするんなら、今後この自治体は夕張市同様の“破綻”の道を歩むだけです。物事を見る方向性をちょっと変えれば、それだけ分の価値が出てきます。旭川市旭山動物園だって、飼育員の現状打破に向けた努力と、逆境を“楽しむ”アイディアが功を奏して“日本一の動物園”へ変貌させた様に、今まで“思いつかなかった事”を思い切ってやってみてからでも、遅くはないと思うのですが…。
現在、岩見沢市の飲食店主達が中心となって、

ばんえいバナー


をやってます。賛同された方は、リンク先の説明をよく読んだ上で、11月12日必着で記載先に送ってやってください。(オイラも、一人の競馬ファンとして署名させてもらいます。)