迷馬の隠れ家 はてな本館

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チンチン電車と環境問題

何かと話題のLRT(次世代型路面電車システム、詳しくはコレでも読んでチョw)だが、そもそも日本の大都市には、路面電車が走ってました。オイラが住んでいる大阪でも、阪堺電気軌道が未だに“現役”で走っている。しかし、モータリゼーション化した社会において、路面電車の走る道路は、慢性的な渋滞を起こす“原因”として嫌われ、殆ど姿を消した。(今でも阪堺電気軌道上町線天王寺公園前駅付近は、道路幅の関係で、四六時中渋滞が発生するw)しかし、ここんとこ急速に広がっている環境問題(特に地球温暖化問題)がきっかけで、公共交通手段として見直されているのも事実。だが、改めて“開業”いう事になると…様々な問題点も多い。特に路線はともかく、路面電車を走らせる“道路”に問題がある場合があり、また、営業面で考えると慢性的な“赤字”を抱えるのは必至で、一部の市民グループは“設置反対”というトンチンカンな運動をやってるトコもあるとかw(こういうのって、結構“利権”が絡むんで…苦笑)

何で今更、路面電車が見直されているか…、その理由を解くカギには、2つのポイントがある。ひとつは環境問題だが、もうひとつに、“少子・高齢化”という難題が隠れている。てのも、ここんとこの交通事故で犠牲になっているのが高齢者と子供であるという事と、高齢者の場合は運転免許保有者の事故が多発している。コレを軽減する為に、高齢者に“免許返上”を呼びかけている。しかし、代わりの“交通手段”が無い場合は、おいそれと免許を返却する訳にいかない。(認知症ならともかく)そこで、“公共交通”の整備・再編が重要となる訳である。
海路や空路の場合はアレだが、基本的に陸上交通の場合、大まかに言えば“鉄道”と“乗合自動車”の2種類がメインである。どちらにも“利点”と“欠点”があり、利便性や整備のしやすさ、路線の拡張に手間がかからない事を考えると、当然だがバス(乗合自動車)が有利と思われがちである。が、バスは道路状況に左右されやすく、しかも大概の場合ディーゼルエンジン(要するに軽油が燃料)の車両を使う為、路線によっては大気汚染を更に悪化させる可能性もある。電車(鉄道)の場合、大概は“専用路線”を使うので、よっぽどの事が無い限り運行ダイヤが乱れる事は無い。(いや、飛び込み自殺や踏切事故ではアレだがw)だが、“専用路線”を敷くという事は、それだけ分の道路を“横切る”訳で、その為踏切で他の交通が“遮断”される危険性がある。(最近は高架に切り換えているんで、踏切自身は減ってはいるが…)また、事故や震災で破損した場合、復旧に時間がかかり、その間中は運行できない。
この双方の欠点をカバーし、かつ安全に運行できるとして登場するのが路面電車トロリーバス(無軌道電車、早い話がバスなのに電線から電気を供給してもらいながら走るヘンテコリンな乗り物。現在では立山黒部アルペンルートの一部区間のみで使われてるw)の様なヤツである。特に路面電車は欧州(特にドイツ)では目紛しく進化を遂げていて、線路の形状や交通法による市街地への乗用車乗入れの制限を行なった結果、利用者の負担を軽減させる工夫が盛り込まれる様になった。例えば、停留所からの乗り降りを楽にする為に、ワザと車体を低くしたり、車イス利用者用にスロープが内蔵されていたり、車両を2両連結で一組にしてみたり…こういったトコから利用者が“使いやすい”交通手段として見直された経緯がある。
では、日本でコレを作るとしたら、どういう工夫が必要なのかといえば…実はココの部分で為政者の“利権”が絡むのであり、このツケが庶民に及ぶ為に、結果として“使えない”交通機関に化けるのである。(コレで一番イイ例と言えるかどうかは知らんが、姫路市には昔、飾磨の工業地帯と市街地を結ぶモノレールがあったのだが、見込みが甘くて廃業した。現在でもその“名残”が飾磨〜山陽姫路のアチコチで見られる。)先人達は“後の問題”を考慮した上で作ったモノを、現行にそぐわないとして廃除した結果、利用したいと願う者達が利用できないまま、計画が頓挫するのである。(まったく、何度同じ事をと小一時間w)