迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

何にもないから、なんでもアリ?!

ここんとこ、ばんえい競馬廃止のニュースでなんだか話が盛り上がってますが、今日は学会員の本業である“御書”関連の知識話です。御聖訓に“変毒為薬(へんどくいやく:毒を変じて薬と為す)”という言葉がある。ま、直訳すれば“どんな毒薬も使い方次第で、病気や怪我の治療薬として役に立つ”という訳だが、言い方を換えれば、最悪の事態でも考え方ひとつでチャンスに変える事だってできるという意味でもある。今回はココがポイント。今現在、最悪な事柄でも、自分の心構えひとつで、後に“成功のカギ”となる…かも知れないという訳である。
一番わかりやすい例を挙げると、“日本一の入園者数を誇る動物園”として名高い旭川市旭山動物園は、かつては“閉園間際”の寂れた動物園でした。でも、ここ数年で東京の上野動物園を凌ぐ年間入園者数とリピーターが多い動物園へと変貌を遂げました。一体、それは何がきっかけだったのでしょうか?

元々、旭山の急斜面上に造られたこの“最北の動物園”は、従来の動物園と同じ“平面展示(ようは、劇場の舞台みたいに、対面で展示するやり方)”出の展示をしてました。しかし、ひとつの展示を見た後、その場所から移動する際にいちいち急斜面を上って次の場所へ移動するという面倒くさい構造だったので、開園当時はともかく、徐々に入場者数が減っていきました。しかも冬期はご存知の通り、ダイヤモンドダストが吹き荒れる様な場所なんで、営業可能な時期が限られ、あっという間に“お荷物施設”として厄介者扱いされてしまったのです。
しかし、地理的条件を上手く活かして、展示方法を“立体展示(前からだけでなく、あらゆる角度から観察できる展示方法)”へ変更したら、却って展示動物が見やすくなっただけでなく、動物本来の生活動線に着目した事で、一番見せたかった“動く姿”をじっくりと観察してもらえる仕組みを作り上げることが出来て、コレが評判を呼んだのです。ちょっとした工夫が、時としてこういった評判を呼び込み、今までだと信じられない程の入場者数を数える様になったのです。
また、神戸にある須磨海浜水族園は、展示方法こそ従来の水族館と何ら変わりがないのですが、エントランス付近に大水槽を設け、そこに小型造波装置を付けて、擬似的に自然の海と同じ環境にする事で、展示してある魚の動きを活性化させ、それを見せています。また、一部の水槽では、旭山動物園同様に“もぐもぐタイム”が実施されていて、魚の給餌の様子が見られる様になってます。
この2つの“公共施設”に共通している部分は、閉園するかもしれないという危機感を逆手に取って、飼育員や営業担当が様々なアイディアを試みた結果話題を生み、それが入場者数の増加をもたらしたのです。また、経営幹部が売上を着服したせいで、路線が存亡の危機に陥っている、千葉県の銚子鉄道は、その副業で数年前から売り出した“ぬれ煎餅”がネット上で話題を呼び、現在全国から注文が殺到してるそうです。
このように、ほんのちょっとの“勇気”と“ユーモア”が、絶望感で疲弊しきった状況を打開するきっかけになるのです。その“きっかけ”を生むキーワードこそ、“変毒為薬”という発想なのです。