迷馬の隠れ家 はてな本館

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死刑と終身刑、どっちもどっち?!

掲示板での話だが、何か殺人事件が発生すると、その犯人に対して“死んでヨシ”と言う割に、死刑制度の存廃問題に難しての論議をやると、必ずいるのが“死刑イク(・A・)ナイ!!”と言う意見。書き込みをやってるヤツは恐らく別人だろうが、考え方としては、かなり矛盾した発想である。なぜなら、死刑を廃止するのは良いが、被害者側(の遺族)は、その恨みをどのように加害者に償わせるのかが問題となる。逆に世界(特に欧米)的な司法の流れでは、罪状の数だけ刑期を加算する、累計服役によるいわゆる“終身刑”が主流となっている。しかしコレは、実は国民にかなりの財政負担を強いるぐらい服役囚人の管理経費が嵩む。(国家を揺るがす重篤な犯罪だと、死刑になるケースもある様だが…)こういった部分を考慮した上で論議するのがスジであって、自分個人の感情だけで、死刑制度に関する話は(選挙の焦点といえど)やってはいけない。

仮に死刑を廃止して、現行の法律に則って“無期懲役”で殺人犯を牢獄に繋ぐ事にしても、恩赦による減刑仮出獄に必要な条件(規律を守り、率先して業務を遂行できる等)を満たしての出獄がある訳で、コレを“悪用”する犯罪者(いわゆる“お礼参り”をするバカ)だっている訳である。もちろん、中には精神的に病んでるが故に、再犯を繰り返すバカもいる訳である。こうなると、被害者はもちろん加害者自身も精神的に決着がつかない訳である。だから日本では最終的な白黒をつける手段のひとつとして、“極刑”の意味も込めた死刑が存在する。
忘れてはいけないが、“終身刑”というのは“無期懲役”の事ではない。言い方を換えると、あまりにも罪が重過ぎて社会復帰はできないと判断されるからこそ、世間と隔離し保護するのが終身刑である。逆に、まだ改善の余地があって社会に適合できるまで面倒を見るのが無期懲役である。つまり、税金を使ってまでも“社会復帰を目指す”考えがあるからこその“無期”であって、決して“ダメ人間”だから隔離する訳ではない。だから“無期懲役”で投獄される犯罪者は、おおよそ8年で出所するという話を聞く。(逆を言えば、10年以上の有期懲役&禁固の方が、ホントは厳しかったりする)
もちろん、“死刑”というのは犯罪者を法律に則って、国家が被害者に代わって“殺す”訳ですから、執行に関しては余程の事でない限り、刑が確定しても即日執行という訳にはいきません。事件とはまったく無関係の人間が、冤罪で投獄され挙げ句に“即日処刑”じゃ、弁明どころか洒落にもなりません。だから、死刑囚となっても刑が執行されるまでの間に、再判を要求する事は可能ですし、後日“真犯人”が出頭して“再審議”の為に見送られる場合もあります。ただ、最近の殺人事件の傾向にあるのは、加害者自身の“自殺願望”の果てにある無差別殺害でのケースです。弁護士は当然ですが“精神を病んでた”のを理由に無罪を主張しますが、本人は笑いながら死刑を求刑してもらう様に仕向けているケースを度々見ます。こうなると、遺族も堪ったモンじゃありません。この場合だとむしろ、俗世から離れた特別な刑務所で“飼い殺し”になってくれる方がマシかもしれません。が、どっちの結果でも、その費用を出すのは、実は税金を払ってる国民全員なのです。
服役中の囚人にも、基本的な“人権”はあります。しかし彼(彼女)等は、自分勝手な都合で他人に害を為した故に罵られて当然の存在になってます。が、当事者以外の人間が、過剰に罵声を浴びせるのはどうでしょうか?この事を踏まえた上で、もう一度、死刑制度について考えてみましょう。心のどこかで矛盾を感じるかもしれませんが、この“ジレンマ”の上に法律は成り立っているのです。