迷馬の隠れ家 はてな本館

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“バイオ燃料”という名の本末転倒な“エゴロジー”

ここんとこ、なにげに食料品…主に油脂を使った製品が(微々たると言えど)値上げや規格変更を余儀なくされている。原因は、植物性油脂の原料となっているトウモロコシや大豆、アルコールの原料となる小麦やサトウキビの取引価格が急騰してるからである。その“原因”が、近年注目されている“バイオマス”という石油や天然ガスに代わるエネルギー資源の開発が盛んになったからである。もちろん、今後枯渇するであろう化石燃料(石油・石炭・天然ガス)に頼ってるエネルギー事情を考えれば、大いに結構な話ではあるが、その“代替エネルギー”を生産するのに、生ゴミ間伐材等を使う分には問題ないのだが、効率良く生産するために上記の農作物を大量に“消費”してるからである。

冷静に考えてほしいのだが、食料危機に瀕してる国があるというのに、そういうトコへの配給等せずに、ガソリンやディーデルオイルの“代替品”を作るという発想は、どう考えても本末転倒な考え方だと思う。なぜなら、有り余っているならともかく、“燃料専用”で農作物を作られても、それだけ分の“ムダ”を出す様なモンである。つまり、それを作るためだけに新たな田畑を作るという“環境破壊”をやってる様なモンだからだ。
バイオマス”で作る燃料は本来、廃材となった建築木材や紙パルプ、そして生ゴミから堆肥を製造する時に発生するメタンガスが主原料であり、“バイオディーデル”の場合は、廃棄になった食用油(総菜で揚げ物を製造した際に大量に出る)を転用する事で生まれた“リサイクル燃料”の最たるモンである。しかし、日本の場合はそれでなんとかなるとしても、“大量浪費”が当たり前なアメリカや、経済発展が著しい*BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)では間に合わない。だから結局、“本末転倒なエコロジー”がまかり通ってしまうのである。(*7/23訂正:UAE→×、インド→○ L→×、R→○)
本当の“豊かさ”とは何か…、それは先住民族や祖先達がやってきた究極の“リサイクル環境”が完璧にできた情況を指すのではと、最近は思う様になった。彼等は常に、未来の自分達に何を残すかを真剣に考え、乱獲と過度な開発をやらぬ様、いろんな生活の知恵を凝らした。例えば、アイヌ達はトレプ(オオバユリの澱粉アイヌの食生活に欠かせない主食のひとつ。)を採取する時でも、収穫時期等が決められていて、できるだけムダを出さない様に慎重に取り扱っていた。そのため、澱粉を取った後の茎や根の繊維質まで料理(主に煮物)の材料にするために乾燥させて保存した。また鮭も、全部食べられなくても骨一本ムダにしない。彼等は、“欲しい獲物”は滅多に入手できないという貴重さも知っていたため、できるだけ“大自然の恵み”を大切に扱ってきた訳である。
故に、近代文明によって滅ぼされた民族の生活習慣(自然界でのルール)を破ったツケが、今日の地球温暖化と食料危機を招いたと考えられるのではなかろうか。いずれにせよ、地球規模で起こっている天変地異の大半は、一部の人間のエゴによって発生した…まさに“三災七難”そのものではないか。それを正す“第一歩”は、本当の“エコロジー”とは何かという事を学ぶことだと、オイラは思う。