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まじプラ増刊、脳死と臓器移植を考える その2

こんにちは、マーティです。今週も“まじプラ”にお付き合いください。今週は、ズバリ、“脳死って何?”という事で話を進めます。臓器移植には大まかに分けて、家族や親族から提供してもらう“生体移植”と、脳死者から提供を受ける“脳死移植”がある事は、みなさんも御存知ですよね?でも、“脳死”というのはどういう状態なのか、いまいち理解できていないと思いませんか。今回は、臓器移植ネットワークの情報を参考に、わかりやすい様に解説したいと思います。その前に、誤解されては困るので先に言っておきますが、臓器移植という医療行為は、反対意見を唱える方々にとって、やはり“医療”として認める事ができない部分だと思うのです。そのため、移植を待っている患者さんに対して、悪辣な発言をやってるかもしれません。でも、それはそれぞれの立場での話であって、実際は当事者以外は理解する事すらできない苦しみがあると、ボクは感じています。少しでも“生きていたい…”と思う気持ちは同じでも、立場が違えば、その意見も意味も違ってきます。その事を理解して欲しいから、今回の企画を考えたのです。

具体的に言うと、“脳死”というのは近代医療の発展とともに発生した“病状”と考える方がスマートなのかもしれません。しかし、同じ“脳が機能しない”状態には、“植物人間”状態というのもあります。実は、医療機関でもここの部分の見極めが難しく、そのため、一度は“脳死”と判定された患者が、その後“蘇生”する事もある訳なんです。しかし、基本的に“脳死”とは、脳機能が反応しない状態…つまり自分自身の意思で生きる事ができない状態を指していて、そこの部分で医師も誤解してる可能性があります。
では、“脳死”と“植物人間”ではどこがどう違うのでしょうか?大きな違いは、“脳死”は脳幹(呼吸や臓器の機能を司っている部分)を含めた、脳全体が機能しなくなり、完全に機能が回復しない状態を指しています。それに対し、“植物人間”は、大脳(記憶や感情等を司とっている部分)が機能しなくなった状態であって、脳幹部分は生きている状態です。つまり、生命維持のための治療を行わなくても、自発呼吸や神経反射(痛感反応や異物反応など)があるため、ただ“眠っている”様な状態と考えても良いと思います。これが大きな違い…なのですが、治療のために投薬や人工呼吸器を利用するため、見た目や状態だけでは、医療機関に従事してる方でも区別がつきにくいのです。そこで、“脳死”か“植物人間”かを判断するための基準として、1:眉毛の下辺りを強く押してみる(眉毛の下付近には三叉神経が走っていて、強く押すと、痛みを感じるため)、2:瞳孔(眼の中にある光の加減を調整する器官)に強い光を当てる(通常は眩しかったら反応して、瞳孔を絞る)、3:喉の奥に刺激(異物混入)してみる(通常は吐き気を示す)、4:頭を左右に振る(通常だと、その動きにあわせて眼球が動く)等の、通常の状態だと不愉快に感じる反応(神経反応)を、敢えて行っても反応しない場合、そして、頭部に付けている脳波計の反応が平坦(反応ナシ)である事、呼吸器を外すと自力で呼吸しない事で判断します。これらのうち、どれかに“反応”があれば、それは“植物人間”の可能性があります。すべてにおいて、そういう反応がない場合が“脳死(全脳死)”と判断されるのです。実際の脳死判定は、先程の反応テストを移植医療に携わらない2人の医師によって、2回行われます。これで2回目(1回目から6時間経過後)のテスト終了後、問題がなければ法律上の“死亡”が確定します。当然ですが、この時点で脳波などの反応があれば、蘇生(生還)の為の治療に切り替わり、場合によっては後遺症もなく回復する場合もあります。(通常は、何らかの後遺症が残りますが…)脳死移植に反対する人の殆どが、この事例を挙げて医療機関に問います。ですが、あくまでそれは、最終判断の時点で、1回目が“誤診”である可能性があった場合であって、すべてがそうだとは限りません。そのために1回目の脳死判定から6時間、時間を置いて再判定するのです。
次回は、世界の“臓器移植事情”をご紹介します。では。