迷馬の隠れ家 はてな本館

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産業廃棄物で磯枯れを防げ?!

以前のネタで、襟裳岬気仙沼の“海の森再生プロジェクト”の話をしたが、ちょっとこの写真(見にくい画像だが…)を見てもらいたい。
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ここは一体、ドコでしょう?


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そう、コレは関空の二期島と本島の間にある内海の海面。実は、この二期島部分には、環境保護のための取り組みとして、護岸の一部を魚礁にしているのである。そのため、運が良ければアカエイが海面ギリギリで泳ぐ姿等も見る事ができるのだ。同じ事は、実は長崎のハウステンボスでも(キャナルクルージング中の海面から)見られる。どちらも、施設に近隣する海域への侵入を禁じてるため(関空の場合は、テロ等での不法侵入を防ぐため、ハウステンボスの場合は、キャナル内の水が汚濁される事を防ぐため)、磯やテトラ付近に生息する魚や貝等が生息しやすい状態になっているのである。しかし、それだけでは“磯枯れ”は防げない。では、どうすればいいのか…その答えは、意外なモノが使われているという事だ。それは、製鉄所で鉱物やスクラップから鉄を精製する際にできる“鉄鋼スラグ”という産業廃棄物を利用する事である。
アレ?っと思った方も多いが、鉱物から金属を精錬する際には、必ずといっていいぐらい“スラグ”とよばれる不純物が出る。通常だとコレは“産廃”として近隣の埋め立て地等で処分されるのだが、実は“不純物”そのものは、川から海に流れ込むミネラル分と同じモノであり、コレを土嚢袋等に詰めて“磯枯れ”を起こしている海中に沈めておくと、不足していたミネラル分が溶け出して、海が豊かになるという訳だ。既に、大手の製鉄所と近隣の漁協が何度か実験を行った結果、河川がないためミネラル分が不足しがちだった地域の漁獲高が上がった。現在では、製鉄所と一部の漁協との間で、“鉄鋼スラグ”をめぐる売買取引が行われているとか。
つまり、“産廃”と言っても、すべてが有害なモノとは限らない訳であり、使い方ひとつでは、逆に緑を豊かにさせる事もできるという“実例”である。とはいえ、こういうのは“偶然の産物”といっても良い例であって、むやみに海にゴミを捨てる行為は、環境破壊そのものである。