迷馬の隠れ家 はてな本館

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まじプラ特別編vol.2 人為的難病を考える〜水俣病と重金属中毒〜



マーティ(以下テ):ども、マーティです。
チルト(以下チ):こんばんは、チルトです。
テ:おや、普段ならこのコーナーは、ボク一人で担当してるのですが…
チ:本来なら、今日は日航ジャンボ機墜落事故の追悼話をする予定だったが、今週は公害の話…それも水俣病に関する話をすると聞いて、参加する事にしたまで。手伝える範囲でやるつもりだから、君のペースで進行を続けたまえ。
テ:(やりにくいなぁ…)わかりました。今回は、かつて日本の高度成長期に発生した公害病…特に、水俣病イタイイタイ病といった、重金属中毒症について、僭越ながら解説させていただきます。

チ:なお、今回のテーマ…特に、水俣病に関しては、水俣病センター相思社さんのホームページを参考にしています。
テ:日本での重金属中毒症は、熊本県水俣湾近郊で発症した水俣病新潟県阿賀野川流域で発症した新潟水俣病富山県を流れる神通川流域で発症したイタイイタイ病があります。
チ:これに三重県四日市市近隣のコンビナート排煙が原因で起きた四日市喘息を加えて、通常は“四大公害病”と称されて紹介されている事は、近代史、および現代史を学んだ事がある方なら、ご存知だと思うが…
テ:これらは、戦後復興とほぼ同時に訪れた高度成長期に顕著になった症例であって、戦前からも、こういった健康被害は、大なり小なりとあった事は、歴史を学べばいくらでも出てきます。
チ:特に有名なのが、栃木県で発覚した足尾銅山鉱毒事件で、これも原因は、銅を採掘・精製する際に出る二酸化硫黄やカドニミウムによる健康被害であり、当時から国と企業に対し、社会保障と被害拡散防止の対策を訴えられていました。
テ:しかし、政府も企業も、当時から重金属が人体にどのような影響を及ぼすか、研究や調査を殆ど行っておらず、それが結果として、高度成長期の“健康被害”が続出する事になったのです。
チ:特に、水俣病に関して言えば、チッソという化学製品(主に塩化ビニールの原料となるアセトアルデヒド)製造会社の水俣工場から流れたメチル水銀による被害は、国の公式見解では現在でも1万人以上。しかし、これは、あくまで“水俣病”と国から認められた数であって、実際にはその10倍近くの被害者がいると推測されます。
テ:また、水俣病は何も、日本特有の“風土病”ではありません。メチル水銀を除去する処理を行わずに垂れ流す企業がある以上、世界中で発症している公害病なのです。特に、急速に発展をを続けている中国でも、類似の症例があるそうで、今後問題になってくる事は間違いありません。
チ:では、重金属中毒症は、一体どの様に発症しているのでしょうか。実は、生きとし生けるものが抱える、食物連鎖と深く関わる部分が問題になるといって良いでしょう。
テ:水俣病の場合、メチル水銀が体内に蓄積する事で脳神経に影響を及ぼし、イタイイタイ病の場合はカドミウムが蓄積されて体内のカルシウムが奪われる症状を指します。つまり、私達が直接口に入れる食料そのものが重金属で汚染されていると、それが原因で発症する…という訳なのです。
チ:巷で有名になっている“ザ・コーヴ”という日本近海での捕鯨を取材したドキュメンタリー映画を制作した監督は、表向きの意味として、和歌山県太地町での“水銀被害”を訴える為だと申していますが、捕鯨そのものを批判している人からすれば、単なる残虐な“動物虐待”を訴える内容だといわれています。
テ:しかし、事実として、鯨は海の生物学上、食物連鎖の最上位にいる者であり、海中に垂れ流されたメチル水銀を、大量に摂取してる存在と考えると、言わんとする事は的を得てるのかもしれません。
チ:しかしそれは、海洋民族であり、魚介類を摂取する事で命を繋いで来た日本人の歴史を踏まえると、そのような被害をもたらしたのは、いうまでもなく欧米人の“産業革命”による健康被害とも取れる訳です。つまり、工業生産が行われている以上、何らかのカタチで自然が破壊され、それが昔ながらの生活をしている、立場の弱い者を苦しめ、最後には自分達の首を絞めている事に気付かなければいけないのです。
テ:本題から外れますが、現在、ロシアでは異常気象に加えて森林火災が発生し、モスクワ近郊では一酸化炭素による健康被害が懸念されています。また、周囲には核施設がある関係で、火災の被害が拡大すれば、植物が吸着していた放射能が塵となり、ロシアはおろかヨーロッパ全土に被害が拡大する懸念が持たれています。
チ:これもまた、自分達の繁栄ばかりを望み、過ちを顧みずに突き進んだ姿なのかもしれません。が、本質的には、水俣病被害と同じで、一番被害を被るのは、何も知らずに巻き込まれる子ども達です。
テ:公害によって健康被害に遭い、また、それらを誤解されて、多くの人から差別を受けた方が多いです。実際に被害を受けた者にしかわからない苦しみは、金銭だけで解決する様なモノではありません。
チ:だからこそ、こういった公害の歴史を学び、少しでも地球の環境保全に役立てる活動を行う事は重要であり、同時に、民族間の違いを理解し合う場を設ける事が、これからの国際社会において、一番大切な部分です。

テ:ふぅ…チルトさんがいると、どうも話が脱線し易いというか…
チ:いや、こういうのは、もっと詰めた議論をやった方が良いのではと…
テ:とりあえず…今週はここまでにします。来週は、薬害被害についてまとめてみようと思います。お相手はボク、マーティと、
チ:チルトでした。