迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

純喫茶“It's Me Cafe” 2010 6日目w

マーティ(以下テ):お、もう有馬記念の枠順が発表されてるや。
エルハ(以下エ):あら…生前はギャンブルに手を出さなかったあなたが、競馬に興味を持つなんて。
テ:マスターの趣味に付き合ってるうちに、覚えたんですよ。でも…やってて思ったのですが、競馬に限らず、ギャンブルの世界って、日常とリンクする事が多いんですよ。就活もそうですが、人生の節目において、重大な決断を強いられる時って、ある種のギャンブルそのものだって事…そして、その結果如何では、後悔する事も、歓喜する事もあるという事。
エ:そして、逆戻りもできない…って事もね。
テ:ああ…でも、ボクは後悔してないよ。キミと結婚した事も、ファンに病を打ち明けた事も…すべてボク自身の人生だったから、だからこそ、後悔したくなかった。
エ:そうね…私もよ。結果はともあれ、私自身が納得した上で歩んだ人生だもの。後悔しても、もう元には戻れないなら、前へ進むだけよ。何もしないで悔やむよりも、精一杯やりたい事をやって散る方が潔いわ。
テ:だからこそ、ボクらは再び、めぐり逢えたんだ。
エ:ええ…

シン(以下シ):あの〜アツいところ、申し訳ないのですが…
テ:ハッΣ(゜ロ゜〃) シンちゃん、いたの?!
ノブ(以下ノ):ボクもおったでw
エ:(≧□≦)イヤン♪ またやっちゃった…

ノ:ほうほう、そやったんかいな…こりゃ、お邪魔虫でしたな。
テ:あ、いや…まさか、ノブさんとシンちゃんが来てるなんて思ってなかったから…
エ:お二人とも、生前は競馬の実況アナをやってらっしゃったんですか。
シ:ええ、ノブさんはフジ系列で、俺はJRAのオフィシャルだったんです。
ノ:ラジオNIKKEI…ま、昔の“ラジオたんぱ”は、場内での実況音声もやってるさかい、責任の重さで言えば、シンの方が上やね。歳はボクの方が上やねんけどw
エ:あ、そうなんですか。
テ:二人とも、コーヒーでいいよね?
シ:ええ。
ノ:せやな。
シ:で、“有馬記念”にまつわる話ですが…
エ:そういえば、“有馬記念”ってレース名はなってるけど、どうして阪神競馬場じゃなくて、中山競馬場で開催されるのですか?
ノ:競馬を初めて経験する人が、よう勘違いする部分やね。
シ:これは人名で、現在の有馬記念を考案した当時の理事長、有馬頼寧(ありまよりやす)の功績を讃えて、この名称が使われる様になったんです。
ノ:元々、このレースは“中山グランプリ”っちゅう名前でスタートした、ファン投票によるレースとして開設したんや。
シ:昔…そうですね、有馬記念が開催される様になる以前は、中山大障害(秋)が“暮の大一番”として組まれていたのですが、秋の東京開催に比べて、些か地味な感じもあった為、ファンの夢をカタチにできるレースを…という事で、ファン投票による推薦馬によるグランプリを開催しようという事になったんです。
テ:で、第一回が開催されて、大成功に終わったんだけど…その17日後、有馬理事長が肺炎でこの世を去った…んだっけ?
ノ:そや…よう憶えとったなw
シ:実は、有馬理事長がいなかったら、俺の所属していたラジオNIKKEIが、“オフィシャル放送局”になる事もできなかったんですよ。
エ:え、ちょっと話がついて行けないんですけど…
ノ:ああ、そやな…エルハはんは、競馬はあんま、詳しい訳ちゃうから、ついてこられへんかったな。詳しく言うたら、それ以前は、場内実況の殆どは、JRAの職員がやっとったんや。そやけど、経営のスリム化と、実況職員のなり手が不足しとったさかい、その部分を民間企業…それも民放各社に振り分けようとしたんや。そこで、最初は地元の放送局に依頼しとったんやけど、通年…しかも最初から最終まで実況できるアナウンサーを、しかも東西で分け隔てのう配置できるんは、ラジオNIKKEIだけやったんや。
シ:正確に言えば、地元局の場合、地元の競馬場ならともかく、遠方の競馬場へ中継スタッフを送り出すには、いくらJRAが助成するといっても限界があります。そこで、日本の民放局で唯一、短波帯で全国放送をやっているラジオNIKKEIのスタッフに、その役目を担う様、白羽の矢が立った訳です。
テ:あ、ほら…フジと関テレでスポーツ中継する際に、地元局に任せるか、自前で派遣するかでモメる事があったじゃない。
エ:あ、そうえいば…春高バレーとかの中継で、あなたが実況担当で、出張する事もあったわね。
テ:そう、それが問題になってたんだ。中継局内で機材やスタジオを借りかれる場合はともかく、そうじゃない場合、自前で特設スタジオを設営しないといけないし、まして、地元局だってプライドがある…そうなると、ボクらは手出しができない。
シ:特に、ネット各局の事情を考えると、キー局である東京の放送局でも、G1なのに中継ができない可能性があった訳です。
ノ:そやさかい、普通の民放よりも自由が利くラジオNIKKEIに依頼したんやろうな。
シ:そして、大阪支社に常駐スタッフを置く事によって、東西どちらのレースでも対応できる状態になった事を受けて、一括で請け負う様になったそうです。これは、先輩方から聞いた話ですが…
エ:つまり、他の民放の、系列間での諍いをJRAは嫌ったから、短波放送のラジオ局に“オフィシャル”の冠を渡したって事ね。
ノ:そういうこっちゃ。
シ:現在でこそ、CSのグリーンチャンネルが、テレビでの“公式放送局”という事にはなっていますが、実況音声は、未だに自前のスタッフではなく、ラジオNIKKEIに所属、あるいは契約をしているアナウンサーによるものです。
エ:へぇ…ギャンブル産業にも、人知れぬ“企業努力”というのは存在するのね。
テ:あ、いや…どの業界でも、そういうのは存在するんだけど…(^_^;)