迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

マーティの真面目にプライオリティー 2012年3月号(癌治療の基礎知識〜癌とともに生きる〜)



マーティ(以下テ):ども、マーティです。
シン(以下シ):こんにちは、シンです。
エルハ(以下エ):ご機嫌いかがでしょうか?エルハです。
テ:Σ( ̄政 ̄ノ)ノえっ…今回はキミもなのか。
エ:…わたしも、あなたと同じ病で…勿論、罹患した部位は違うけど一応、経験したのよ。
シ:えーっと、今回も癌治療に関する話題なのですが…マーティさん?
テ:そうか…キミも、ボクと同じで…
エ:でもね、あなたの頃と違って、様々な技術的進歩はあったのよ。だから、決してあなたの選択が間違いだったとは、わたし、思わないの。
シ:(;´審`)=3このままだと、本題に進めないのですが…



テ:失礼しました…では、気を取り直して、今回は基本的な癌治療についての話です。今回に関しては、あくまで医療的技術や知識に乏しいマスターの、聞きかじりの情報のみで構成しますが、治療方法に関して言えば、その技術や抗癌剤などの性能は日進月歩。ゆえに様々な誤解もあるかと思いますが、ここでは、基礎的な治療法を大雑把に纏めてみたいと思います。
シ:確かに、マーティさんの時と俺とでは、癌に関する捉え方が随分変わってきてますから、色々と違う事も多いですね。
テ:とはいえ、基礎的な部分は、前回のワクチン療法以外では、大まかに3種類のやり方に分類できるんだ。
エ:摘出・移植手術、理科学的療法、放射線照射…ほぼ、この三つですわね。
テ:その通り…で、それぞれに細かい分類があるのだけど、それらを上手く、しかも患者の体力や癌の進行状況に合わせて、行っていくんです。
シ:通常だと、一通り全部やるんだけど、一部の部位では、それができないケースもあって、また、患者の年齢や体力的な事を考慮して、敢えて行わない場合もあるのです。
テ:特に、白血病の場合は、内臓や骨の癌と違って、患部の切除ができない(物理的に不可能)…だから、他者からの骨髄、あるいは臍帯(さいたい)血移植となる訳です。
エ:といっても、実際は放射線照射で、癌に冒された骨髄の造血機能を破壊してからでないと、移植できないのですけど…
テ:そこの説明だけで、かなりの時間を割いてしまいかねないので、まずは基本的な事から。
エ:フフ…そうですわね。
シ:まずは、手術の解説から。ま、何と言っても、患部が原発的なモノ…つまり、初期の段階でリンパ管や血液を介して他の部位に転移してない事が前提として行う事が多いですね。メリットとしては、直接患部を切除し、転移を抑える効果が高い訳であり、検査の段階で手術をすれば、ほぼ助かるケースが多いです。最近では、内視鏡を使ったやり方もある為、癌に冒されている部分だけを切り除き、臓器を温存させる技術もあります。
テ:でも、ボクみたいなケースだと、大掛かりな切除を余儀なくされるため、患者の負担が大きく、また、すべての癌を切除しようにも、転移個所によっては、術中に患者が亡くなる場合もあります。あと、大掛かりになればなるほど、患者の体中に傷を付ける事になりますから、体力回復に時間が掛かり、また、術後の感染症で亡くなる危険性も増してくる…というデメリットもあります。
エ:今だったら、乳癌でも初期段階であれば、乳房を失う事はないけど、あなたの場合は、殆どの臓器を切除してしまっていたから…
テ:今にして思えば、何も知らない方が幸せだったのかなぁ…って。
シ:でも、マーティさんのケースがあったからこそ、俺の場合は切除を諦めて、抗癌剤放射線という選択肢をしました。
テ:…進行が早かったから、だよね?
シ:ええ、見つかった時には、既に余命3ヶ月と診断され、だけど最後まで仕事をやりたかった事もあって、その方法を選びました。結局…ファンとの約束を破ってしまった事は、一番の悔い…ですね。
エ:抗癌剤をはじめとする理化学療法は、根本的に癌を取り除く事はできない代わりに、癌細胞の増殖活動を抑えて、他の部位への転移を防ぐ目的があります。
シ:末期癌の場合は、その進行を少しでも抑える為の延命処置程度かもしれませんが、それでも、社会復帰の為のリハビリがし易い事もあり、また、注射針程度の傷で済む事もメリットと言えるかもしれませんね。
テ:ただ…抗癌剤そのものには、個人差もあるけど、体質的に様々な副作用が生じる事が多く、ボクの場合でも、最後は何も食べられない…水すら喉を通らない様になりました。それと…末期の場合、全身に走る痛みを抑える為、モルヒネを打つ場合があるのですが、治療の為と言っても、薬物中毒のイメージが大きい為誤解を生じて、患者自身がそれを受け入れられないというケースもしばしばある様です。
エ:そうね…でも、その痛みを抑える為に、医師や薬剤師から処方されている以上は、問題ないですよ。あくまで、治療目的以外での所持・使用が問題なのであって、モルヒネや麻薬の類は、本来は鎮静剤としての目的で使われる医薬品だという事だけは、覚えといてくださいね。
テ:最後は、放射線照射という治療法だけど…コレもいろいろ問題があるよね。
シ:通常、治療で使われるのはコバルトから発するガンマ線ですが、罹患部位だけに、しかも確実に照射されているなら問題がないのですが…
テ:抗癌剤同様に、関係ない部位の細胞活動を阻害するケースや、治療目的で被曝した事が、却って他の癌を誘発させた…というケースもある。とはいえ、白血病や脳腫瘍の場合だと、切除すると言っても部位が部位だけに物理的に不可能と言っても良い訳だから、ある意味仕方ない話だよね。
エ:と言っても、他の方法と違って、身体の表面上に傷跡が残らなくて、且つ、短時間の処置で済む事が最大の特徴よね。
テ:そもそも、年間被曝量を考慮した上での治療だから、あまり長時間照射するわけにはいかない…でも、切除せずに温存した状態で治療を行う方法としては、一番画期的な方法ともいえる。ただ…コレ、保険の適用外だから、かなりの高額になる事もあるんだよ。
シ:それと、粒子線を用いる場合は、医師からの紹介状を持って、専門の施設に入院、または通院が必要となります。ちなみに、関西では兵庫県たつの市に、粒子線医療センターというところがありますが、実は、この施設はすぐ傍にSPring8がある為、その運用試験場の意味合いもある、医療施設です。
テ:言ってみれば、患者にとっては治療目的、医師や科学者にとっては治験目的での施設…と割り切った方が良いかと思います。
エ:患者は、ある意味でモルモット的扱いなのね…
テ:それを言い出したら、癌治療の現場なんて、すべてがそう思われてしまうじゃないか。
シ:ですから、ワクチン療法や粒子線療法を行う場合、必ず一筆書かされます。あ、勿論、どんな手術も、投薬療法でも、新薬を使う場合や技術開発を目的とした方法を用いる可能性がある事の旨を、医師は患者とその家族に伝える義務があり、それを当事者が承諾して、初めて治療が開始されます。つまり、医療現場は時として、患者の生命を守る傍らで“人体実験”を行う場でもある…と考えた上で、覚悟を決めるべきではと思います。俺やマーティさんの“犠牲”の上に、今日の癌治療があり、またその技術での失敗を繰り返す事によって、他の患者の生命を少しでも長らえる術を見出せるのですから…
エ:それに、医師がどれだけ手を施そうとも、命には限りがあります。それをどう捉えるかは、患者と、その家族の問題だと、わたしは思うのです。

テ:という訳で、今回はここまでにしておきましょう。お相手はボク、マーティと…
エ:エルハ、そして…
シ:シンでした。