迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

臨時営業 Shin's Barへようこそ…あれから3年…

シン(以下シ):皆様、こんばんは…“あれ?この時期はノブさんのコンシェルジュ企画じゃないのか”と思われる方も多いでしょうが、今日は、東日本大震災が発生した日…被災した東北三県の復興は、未だに進んでいません。特に、原発事故によって、放射性物質による土壌や地下水の汚染で、浜通り地区では、未だに手付かずな場所もあります。
カイル(以下カ):カイルです…関連死を含めた犠牲者の数は、およそ2万人…しかし、その多くは、沿岸地域で津波に飲み込まれ命を落とした人達です。未だに家族の下に戻れない行方不明者が2600人程、いらっしゃいます。
シ:今日は、そういう訳で、店内BGMに“しあわせ運べるように”のピアノソロを流しながら、お届けしたいと思います。
カ:確か、この曲は19年前の阪神淡路大震災の時に、被災した小学校教師が、子供達でも歌える鎮魂歌を…という事で制作したんでしたっけ?
シ:はい…3年前の震災から数ヶ月後に、歌詞の一部を変更し、全国でも歌われる様になった曲です。
カ:メロディーの優しさに隠れている、哀悼の思いが切ないですね。
シ:俺の場合、あの時、実際に神戸で被災してるから、余計に…ね。
(カランコロン…)
カ:あ…いらっしゃいませ、ようこそ、Shin's Barへ。
アポロン(以下晃):そうか…あの震災から、もう3年も経つのか。
シ:アポロンさん…今日は、お一人ですか?
晃:ああ…今日だけは、一人で静かに飲みたいんでね。
シ:では、今日は特別に、福島・大和川酒造で製造されている桃のリキュール“桃の涙”を、ロックでお出しします…これに関しては、お代は戴きません。
晃:ほう…福島県産の桃の果汁と、純米酒ブレンドしたモノか…
シ:メーカーのホムペでは、キチンと放射性物質が検出されていない事を検査した上で、仕込んでいるとの事です。
晃:我々の場合は、既に鬼籍の者故に、そこまで気にする必要はなかろう…しかし、いくら検査して安全が確認できたモノであっても、一部の者が“福島県産だから…“と敬遠する事は、非常に嘆かわしい話だ。旨い酒なのに、しかも、会津の銘酒であるのに、単純に“福島県”というだけで嫌うのであれば、これ程バカげた話はなかろう。
ヤッシー(以下ヤ):その意見、激しく同意だね。
シ:いらっしゃいませ、ようこそShin's Barへ…同じ物でよろしいですか?
ヤ:おや、アポロン…これは失礼した。嫁さん抜きって事は、一人で飲もうと思われた様で…
晃:あ、いや、構わんよ…ワシはワシのペースで飲むから。
ヤ:すんません…
晃:御主が謝る事はなかろう…
ヤ:シン…ところで、被災地での復興状況は、どうなってるんだ?
シ:瓦礫の撤去に関しては、ほぼ撤去が完了してる様で、漁港に関しても、7割程は復旧に漕ぎ着けている様ですが…やはり、東電福島第一原発事故による放射能汚染が影を落としてる様で、特に沿岸部の農地では、除染と除塩に時間が掛かるという事もあり、廃業を余儀なくされる農家や漁師が多い様です。そして、県外移住を含めた避難民は、未だに26万人…阪神の時でもそうでしたが、被災県外へ避難された人の殆どが、帰りたくても帰れない状況ですね。
ヤ:3年前のアレは、本当に酷かった…政府が政府として、仕事をしてなかった。
晃:阪神淡路大震災でもそうだったが、国の一大事という時に、その指導者がいい加減な態度を取った事で、政府に対する国民の信用を失墜させた事は、A級戦犯モノだ。
ヤ:あの時も、左派のいい加減な党首が首相を務めてた…愛国心とは、戦争も含めた有事の時に、正しい判断を下せる事と、それによる損失に対しての責任を果たす事ができる者が持つ、祖国を思う心だ。それを否定し、見下した者が、自分の地位を維持する為に、被災地視察を、単なるパフォーマンスにしてしまった事こそ、結果として、多くの被災者を苦しめる遠因を作った。
晃:そうだな…その心を欠如したままで、脱原発を唱えたとしても、それは単に無責任な話。原発を憎むのであれば、電気を使わない生活を提唱し、尚かつ、環境保全に真剣に取り組む姿勢を見せてこそ、初めて言える文句だ。確かに、原発事故は痛ましい結果しか残せない…しかし、だからと言って、老朽化した火力に頼ったり、出力が不安定な太陽光や風力に移管できる程、少ない電力で全てを賄える程優れたインフラが、現時点である訳でもない。だからこそ、安全に廃炉作業ができる技術を確立する為の原子炉が必要であり、電気を含めたエネルギーの安定供給ができてこそ、日本の産業が復興する鍵となる。
シ:もっと言えば、6年後の東京オリンピックを成功させる為には、インフラの再整備もさることながら、被災三県の復興こそが重要になる。東京“だけ”で良いのであれば、東北の…特に福島の復興を切り捨てる事だって、ひとつの選択肢にはなりますが、それでは意味がない…
晃:そう、そこなんだよ…東京が2020年のオリンピック招致に成功したのは、その“約束”を果たす事を世界中に宣言したからであって、それを破れば、完全に日本は世界からの信用を失う。
カ:だからこそ、もっと被災地の人々に寄り添う姿勢が必要…って事っすね。
ヤ:ただ寄り添うだけじゃいけない…重要なのは、どんな事があっても“前を向け”と叫ぶ事と、未来を信じる事だ。
晃:どっかの抗議集会で“未来を奪われた”と叫んだ者がいた様だが、それは違う。“未来”とは、自らの意志で築き、導くからこそ意味がある。他者の意見ではなく、自分自身がどうするかであり、悲観するのであれば、そこで脱落してれば良い…自分が求める“未来”とは、自分以外の誰人が作れる様なモノではない。そして、本当に未来を信じられる者だけが、初めて勝ち得る事ができるモノだ。
シ:そうですよね。あくまで“未来”とは、次世代の者達が主役であり、その主人公達を信じて自分達の経験や知識を教え、導くのが、大人の使命…決して、自分が主役ではない“未来”を、当事者ではない者が“返せ”と叫ぶ事程、滑稽な事はないですね。
晃:ワシらは、そうやって、遺された者に全てを託し、そして、ここにいる…それは、犠牲になった者達とて同じだ。生きていたかったという無念さとともに、遺された者達の未来を想い、そして、自分と、そこに縁する者達の絆をもって、前へ進む事こそ、本当の“未来”を切り開く事なんだよ。そこを勘違いする者こそ、恥を知れ!! ワシらが望んだ事は、他人のせいにして我侭を言う事ではない。ワシらの想いとともに、未来へ…“前へ”進んでくれる事だ。
ヤ:言えてるな。