復興に必要な支援って、何を指す？

ノブさん達には、今日は引っ込んでもらって、東日本大震災関連の話。あれから4年が経過した訳だが、20年前に起きた阪神淡路大震災と比べ、復興に向けた進捗状況が、どうもイマイチ芳しくない。もちろん、福島の原発事故に絡んだ問題もあって遅々として進まないように言われがちだが、一番の問題は、被災した自治体や住民に、復興・再建に向けての資産…ようするに“お金”がない事が、そういう風にさせてるように思えて仕方がない。もちろん、瓦礫の撤去や被災現場の整備など、最低限度のインフラ整備に関して、国が予算を付けているにも関わらず、建設業界が人員不足や賃金高騰を理由に断っていると、一部メディアが報じているが、本当にそうであるなら、なんで地元住民を雇わない？なんで、つまらない事に拘って仕事をしない？ぶっちゃけ、ゼネコンに対して、そう疑わざる得ない。
もっと言えば、こうなる事を予見しておきながら、どうして必要な技術者や職人を養成しようと思わなかったのか？ここに尽きると思う。だけど、それ以上に言えているのは、ドコにその資金が流れ、どういう風に使っているのか、不明瞭だという事も、事を拗らせている一因だと思う。まして、漁業関係者は、海辺にいたら津波で…という危険は承知の上で、それでも海辺に居住したいと言っている以上、どうしてやることがベストなのか…その答えすら出てないというから遅れるのだと思う。本当に復興に必要なことは、“防災”ではなく“減災”であって、そのための再開発を進めることが先決であり、そこでの経済活動があって、初めて国や自治体に税としてお金が巡ってくるのであって、そこんトコを踏まえずにモノを言ったトコで、現場が混乱するだけで、なんの意味にもならない。
つまり、神戸市やその近隣自治体の復興が早かったのは、いわゆる“神戸ブランド”で稼いだ資金があり、ほとんどのトコでは自力で復旧・再建を行えるだけの体力があった…しかし、東北地方は総じて、農林水産業がメインであり、土地は広くても人口が伴っていない。つまり、自分たちで何かをしようと思ってもそれに似合うだけの資金も、体力もないのが現状で、その基盤となる経済そのものが、完全に行き詰まっているのが全てである。酷い言い方をすれば、地権者自身がダダ捏ね過ぎて、必要以上に資金や体力を奪っている自覚がないから、結果としてやらねばならない事案が棚上げ状態で進まないのであり、それこそ本当に無責任な話である。大手企業が必死に被災地に“仕事”を持ってきても、それを受け入れないどころか、先祖代々云々と言い出すから、何もできないのである。故郷愛ゆえに拘る気持ちはわかるが、全てを失っている以上、先祖や何も生み出せないモノに縋っても意味がない。歴史とはあくまで、現在進行形で生きてる者でしか築き上げる事ができないのであり、それが“過去”として残るからこそ“歴史”となる…進化・発展を拒むのであれば、どんな集落も衰亡して当たり前。悲しみに暮れるよりも、少しでもいいから“前へ進む”ことを選ばないと、あっという間に忘れ去られるのです。
じゃあ、そんな被災地を救済しようと思ったら、何をすればいいか？ふるさと納税もいいが、一番手っ取り早く、しかも確実なのは、値が張っても、東北3県で作った農作物や魚介類、製品を使ってやることに尽きる。言い方変えれば、経済的支援を行うなら、現地へ足を運び、そこでお金を落とすことができるのであれば、どんどんやっていくのが、一番効果的だってことだ。一部の著名人が“福島県産は…“と原発事故を引き合いにコケにしてる発言が飛び交ってるが、それを言うなら福井県や新潟県の農作物や魚介類も原則アウトだろうし、まして広島県産や長崎県産のモノだって、原爆投下から70年経つからという“言い訳”は通じない…そういうバカに耳を貸す必要はない。むしろ“一緒”に被曝するくらいの責任を負うことこそ、日本国民の“義務”じゃないか？チェルノブイリ原発事故後、ソ連から分離・独立したロシアは、その“責任”を同胞だったハズのウクライナやベラルーシに丸投げした挙句、その土地を(親ロ派と称する武装集団を利用して)図々しくも奪おうとしてるから滑稽である。だったら、旧ソ連時代の“清算”をウクライナやベラルーシに約束せんなアカンやろw これと全く一緒。直接の関係がなくても、原発を使っている以上の“責任”は国民全員が背負うものであって、供給先の東電や関電を“目の敵”にしてること自体、考えが古い＆おかしいのである。民主主義国家である以上、どんな些細なことであっても、それは国民全体の“責任”で執り仕切るからこそ成り立つのであって、何人たりとも…たとえ赤ん坊であれ、認知症の高齢者であれ、なんらかの“負担”を国家として強いることは、ごく普通の話。それを拒むのであれば、日本の場合、その権限を天皇に返上すべきではないか？それを“否定”するために日本国憲法があって、事実上の“国民主権”が成り立っている…ここを忘れて、無茶な事を国や自治体、関係企業などに訴えること自体、みんなの足を引っ張ってるように思えて仕方ない。

4年前に虹の彼方へ、大海原へと消えた御霊に哀悼の意を、復興のために尽力し、苦難に挑み続ける被災住民に安寧なる幸福を…南無。