迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

昨今の列車運行妨害について

4月25日の福知山線脱線事故以来(てか、それ以前から)、私鉄・JR問わずに“置き石”や線路内侵入等の列車往来の“妨害”とも言える様な嫌がらせが頻発している。今のところ、大事に至ってない(走行中の列車が置き石で転覆した等)から見落とされがちだが、いざそれが自分が乗ってる列車が誰かの心ない行為で事故ったら、それこそ福知山事故の遺族以上に悲惨である。また、一部のインターネット掲示板では、明らかに“抗日テロ”扱いで人種差別的発言を繰り返す、バカな書き込みを見かける事が多い。実際にこんな事やってる野郎なんて、大概は後先を考えないバカなのに、なんで隣人を勝手に“犯人”呼ばわりできるのだろう?

そもそも、“なんで鉄道が敷かれているのか?”と言えば、昔はその殆どが、都市と田園地域(要は田舎)との間の“物資輸送”がメインだった訳である。特に高速道路が未整備だった事もあって、トラックのみでの陸上輸送より貨物列車との併用で陸上輸送が盛んだった。(その名残はJRだけでなく私鉄にもあって、山陽電鉄姫路駅でも廃用となった貨物ホームが、去年位まであったぐらいである。)しかし道路事情が改善され、さらには国内でも航空輸送が活発になると、鉄道による貨物取扱いが激減し、資金力が弱い私鉄は貨物列車の運行を取り止めざる得ない状況となった訳である。JRも国鉄時代ならともかく、貨物運搬を前提に敷いた路線は、当然だが旅客ではカバーしきれれないから赤字になり、それ故に事故や災害が起きれば、復旧よりもそのまま廃止に追い込まれる場合もある。
そういった背景から、旅客の主要幹線は乗客確保の為に、必然的に宅地開発をしていった部分もあり、特に関西では阪急や近鉄、南海、京阪は盛んに沿線の住宅街を開発していった経歴があり、その度に新駅の増設や列車運行ダイヤを変更していった訳である。そのため、JRと違って“特急”と言えども大概は特急料金を設けず(近鉄と南海はあるが…。)車両も一般車両と大差のない構造だったりする。(京阪は専用車両があるが、特急料金は取らない。)
つまり、現在の様に“国民総免許時代”じゃなかった頃から、あるいは諸般の事情(未成年で自動車運転免許を取得できない等)でクルマ(含むバイク)を運転できない人、あるいはクルマに乗れない(クルマ通勤を禁じられている等)人にとっての“お手頃な移動手段”が鉄道であり、それを使い物にならない状態にするという事は、その人達の生活権を侵害する行為であり、当然ながら罰則もデカい。(刑法でも、列車往来の妨害や転覆、それによる死傷者が出た場合は、“死刑または無期懲役”です。)それを知ってる人は、恐らく“置き石”等のイタズラをやってるバカだと、皆無と見ている。(過激派のテロ実行犯は、知っててやってるんだろうけど…。)
ともかく、鉄道の往来を邪魔してまでも自分の存在をアピールしたいなら、一度でもいいから、素直な気持ちを深夜のローカルラジオ番組に投稿してごらん。もしくは、近所の学会員にでも相談しろ。少なからずともアンタの“乾いた心”に、“優しさ”という名の冷水を注いでくれるから。
教訓:重篤な事態を招きかねない軽微な犯罪を防ぐのは、押し付けがましい“法律の威厳”より、人間としての温もりがある“草の根の防犯意識”である。