迷馬の隠れ家 はてな本館

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My favorite announcer “NEXT” vol.3

関西出身のアナにとって、“標準語@関東系発音”を身に付ける事は“至難の業”とも言われる。なぜなら、生まれながら関西人なら分かるが、微妙なアクセントの違いが同じ“標準語”でも大きな差となって、放送中には現れるのである。関東人(特に東京出身)の場合、その言葉使いはアナの世界では“完璧”に近いと評価されやすく、逆に方言がきつい地方(特に関西人や九州人)は、その独特のアクセントを直すのに、おおよそ2年はかかるとも言われてる。(それ故に、標準語で話す事を挫折するアナも多いが…。)
そんな関西出身アナにとって、なんとか関西アクセントでも“標準語”らしく聞こえる発音法(正確には、“標準語@関西発音”)を身に付ける養成施設がある。それが、“生田教室”である。関西出身アナで、しかも関西の放送局に在籍するアナ達の殆どが学生時代、あるいは就職浪人中にアナとしての基本姿勢を学ぶ為にお世話になるという“生田教室”の主催者、生田博巳アナについて、軽くではあるが触れておこうと思う。

生田アナ自身は5年前にこの世を去ってしまったが、この“生田教室”は現在も存続しているようで、多くの若手アナもデビュー前にお世話になっているようである。彼自身についてオイラがちょっと調べてみると、彼自身も関西出身で、しかも神戸大学卒業という高学歴のアナである。それ故に、卒業後はNHKに入局(NHKは民放と違い、“入社”とは言わない。)後、大阪放送局のアナとして活躍していた。が、関西人だからこそ大阪放送局のアナだったとも言えて、その事が相当悔しかったのだろう。(NHKアナは新人時代に地方局ばかり配属されるアナが多く、若くして東京本局のアナになる事は、アナとしての地位が高い事を示す。大阪放送局のアナという事は、本来なら東京本局アナに次いで高い地位にある事は確かなんだが…。)後にYTV開局と同時に移籍し、その6年後にフリーアナになる。
YTVへ移籍する一年前に、関西人でアナを目指したい学生を相手に話し言葉の“教室”を開く事となる。これが“生田教室”である。後にこの教室から、多くの関西人アナが輩出される事となる。名前を挙げるとキリが無いが、以前“My favorite announcer”シリーズでも紹介した北野アナはもちろん、CRKの“姐さんアナ”こと小山乃里子アナ、そして、来月“My favorite announcer”で取り上げる予定のABC乾浩明アナも実はこの教室の卒業生で、第一線で活躍していたのである。
また、NHK時代からスポーツアナとして活躍していたらしく、フリー後はOBCラジオ大阪で8年間、主に南海(現在の福岡ソフトバンク)ホークス戦で“南海太郎”というマイクネームでプロ野球実況をやっていたという。つまり、“My favorite announcer NEXT”で紹介した松本アナとは、ある意味“ライバル”としてその昔は覇を競っていたのである。
“偶然”というか、“運命”というべきか、この二人が作った環境(“生田教室”と関西学院大学にある“放送研究会”なるサークル)は、関西出身のアナウンサー志望者にとって放送局への就職に有利な“最強コンボ”として、よく関西の学生の間では言われているのである。