迷馬の隠れ家 はてな本館

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今更ながらにJBC批判

先週の木曜日、名古屋競馬場で第5回JBC(ジャパンブリーダーズカップ)が開催された訳だが、実はこのレース、本場アメリカのブリーダーズカップを模範に地方競馬で毎年持ち回りで開催してるんだが、その開催地は南関東(初心者のための説明:“南関東”とは、大井・川崎・浦和・船橋の各競馬場をさす言葉で、これら4場が互いに提携を結んでいて、所属騎手や管理馬を事実上“共有”しているのでこう呼ばれる)に集中している。(ちなみに来年は、川崎競馬場での開催が決定している。)JBCが初めて開催された時から疑念に思っていた事だが、ほかの競馬場で開催ができないのなら、“地方競馬の活性化”とは程遠い事になってしまうのではないだろうか?

そもそも、開催地を決めることに関する“問題点”はいくつかあるが、大きな問題なのは、1:施行レースの距離設定の基準に満たない競馬場が多いこと、2:主催者によって発売される馬券の種類がバラバラであること、3:出走最大頭数が12頭の競馬場が殆どなのに、JBCでは最大で16頭出走可能なこと。この3点をかんがみると、やはり南関東の、しかも大井競馬場を“基準”にして作られた“ルール”にしか見えない。普通に考えれば、最もポピュラーな形状の競馬場を基準に、コース設定も無難な距離に定めるべきではないだろうか?
例えば、園田競馬場は一周およそ1100m、最大出走頭数は12、馬券の種類は6種類(単・復・枠連馬連馬単)、立地条件としては、伊丹空港からクルマで10分で行けて、しかも大阪や神戸に非常に近い場所であること。施行できるレース距離も、800m〜2500m。最大でも3万人(新春賞の時は、マジでこれくらいの観客がココに訪れる。)が入場することが可能で、館内設備もそこそこ。しかし、ココでJBCを行うには、かなりの不備がある。
その中でも特に“不備”として指摘できるのが、前記した中の“2”の項目。大井競馬場を“基準”とした場合、最低でもあと“ワイド”と“3連復”が必要であり、この部分が解決しない限り、吉田アナの実況による“JBCクラシック”開催は夢のまた夢となる。また、自動馬券発売機はすべてJRAの関西圏ウインズからの“払い下げ”機種である。(その証拠に、ディスプレイにはJRAロゴの“画面焼け”が残ってる!!)つまり、開催を行うには設備やシステムのコストがかかり過ぎて、実施できないのだ。
このような問題は、ほかの競馬場でも同じであって、本来なら名古屋競馬の場合、中京競馬場も使えるのだから活用すれば良いのに、管理コストが掛かり過ぎるんで、ココ数年は日程から外されてるのが現実である。(一見JRAの所有物件に見える中京競馬場だが、本来の“所有者”は名古屋競馬であって、JRAは開催時にコースを借りているのである。ほかにも、札幌競馬場や函館競馬場も、実は“ホッカイドウ競馬”の所有物件であり、そこを借りて開催しているのだ。)
そうなると必然的に南関東の、しかも立地条件から恵まれている大井競馬場川崎競馬場が、当然の如く開催地として選ばれるのは無理のない話であり、開催を誘致したい自治体や主催者が歯ぎしりするのは言うまでもない。
ただ、これらの“不条理な規定”は、あくまで各主催者の努力次第では“解消”される可能性はある。例えば“ホッカイドウ競馬”の場合だと、道営札幌開催の日程をJBCに合わせる格好にシフトし、その分を門別か旭川の開催日程に振り分けるとか、高知競馬の場合は馬券の種類を充実させるとか、兵庫県競馬組合の場合なら、もっと設定に余裕を持たせることができる姫路競馬場での開催を計画する等、やってやれない事はない“改革”を実施すれば、JBCをすべての地方競馬で“持ち回り”することが可能になる。だが、残念ながら、主催者である自治体そのものが、こういう“改革”には鈍い体質なんで、実現するのはおそらく皆無だろう。
また、JRAも非協力的な点もある。つまり、非開催競馬場を活用していないのだ。そもそも、組織が違うこともあって、協力できないのはわかるが、競馬ファンから見れば、どちらも同じ“競馬”である。ならば、今後の“民営化”を見据えて、地元自治体の競馬組合に、所有する競馬場をJBC開催のために、特別に“レンタル”することも考えるべきではないだろうか?そうすれば、もっと多くのファンが地方競馬にも興味を持ってもらえるし、JRAも地域の経済活動にもっと関与できる様になるハズだ。より多くの住人に、あるいは有識者に“理解”を求めるのなら、机上の空論を振りかざすよりも、実際にやってみるべきだとオイラは思っている。