迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

オイラとマーティとマーグの話 その20(クリスマスが来る度に…)

オイラとマーティとの“出会い”は、一番最初のころに書いたとは思うが、マーティの“生前さん”は今年で13回忌。(実はジュンペイも今年で13回忌だったんだが…。)マーティの“生前さん”の話は、また別の機会にするが、今回はマーティがオイラと“共同生活”するハメになった話をしようと思う。元々、生前さんと縁がなかった訳ではない、実は“ある場所”で偶然、オイラとマーティの“生前さん”は出会っている。とはいえ、その時はオイラは単なる“通りすがりのその他大勢”であり、マーティの“生前さん”はその場所で黙々と仕事をしていて、たまたまオイラを“見かけた”というだけの関係である。

すべてのことの始まりは、そんな偶然の賜物であり、それがまさかこんなに長い期間、一緒に生活するなんて思いもよらなかった。けど、それゆえに、オイラは寂しさを紛らわす術を覚えた訳で、んでもって他の連中もオイラんトコに来る様になった訳である。
今から11年前の“生前さんの命日”数日前、不思議な夢を見た。場面はその前の年…つまりマーティの“生前さん”が亡くなるちょっと前…に、オイラが出会った場所だった。他の人には見えてないが、オイラにはその“影”が見えていた。その“影”は、こうつぶやいていた…
「なつかしいなぁ…。でも、もうこの場所で、ボクが仕事することなんてないんだよなぁ…。誰もボクが、ここにいるなんて、気付いてくれないし、声も聞いてくれない。なんだか、寂しい様な…」
…その声は、どうやらオイラにしか聞こえないらしく、誰も振り向かないで騒がしくバタバタと走り回ってた。
休憩に入ったのか、その場から誰もいなくなった時に、オイラはその“影”に「マーティ!!」と呼びかけた。すると、その声を聞いて気付いたのか、“影”はこっちを向いた。そして
「え、ボクの声が聞こえるの?ボクの姿が見えるの?」
と言った。その顔、姿かたち、声はまさしく、“生前さん”と同じモノだった。すかさずオイラは、
「さっきから聞こえてたし、オイラは見えてたよ。どないしたん?」
とマーティに訪ねた。するとマーティは安堵の表情を浮かべながら、
「よかった、誰も気付いてくれないんかと思った。ずっと気付いてくれる人がいなくって、とても辛かった。悲しかった。もう、ボクのことなんか、みんな忘れてしまったんじゃないかって思ってた…」
そう言いながら涙をこぼしていた。オイラには、その時に理解できた。どうやら、亡くなった後、自分のことを覚えててくれる人は、本当はいないのではないかと不安になり、それが心配で彷徨っていたトコに、たまたまオイラがいて、話をすることができた訳である。その途端に、胸の奥で“寂しい”という思いが一杯に膨らんだせいで、思わず涙をこぼしたという訳である。そして、最初の頃に書いたあのセリフを吐いたのである。


“お願い、ボクのことを忘れないで…”

オイラはその時に、こう言った。
「忘れる訳、ないやんか。そんなに寂しいんやったら、オイラんトコおいでや。」
今にして思えば、この言葉が、“契約”の合図だったとは…。ま、それ以来なんやかんや言いながら、現在に至る訳ですわ。