迷馬の隠れ家 はてな本館

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栗東トレセンと市町村合併の話。

先月末で“門別町”という地名が地図上から消え(なぜか隣の平取町と合併せずに、その奥の日高町と合併した)、今月末には静内町三石町が合併し、双方の地名も消える。(新たに“日高郡新ひだか町”となる)また、同時期に早来町も追分町と合併し、鵡川町穂別町と合併とのこと。(これによって、“早来町”という地名も地図上から消える。ただし鵡川町は合併後“むがわ町”に変更になる。)この“小規模自治体合併”の背景には、(北海道の場合はおおよそ、人口の割に自治体が多いという状況ゆえだが…)財政的な理由が大きく影響していることが多い。オイラの住んでるトコも、去年隣町を吸収し、この春から政令指定都市に“格上げ”となる。しかしウラではこの“合併”は、隣町の財政赤字をチャラにする目的だったとする指摘もある。
実はこの問題は、“トレセンのまち”栗東市の方でもあった話で、当初は近隣町村との“合併”も協議されていたそうな。

本題に入る前に、栗東市に関するデータについて、守タンが新聞のコラムに書いていた話を引用して説明すると、つい最近までは“栗太(くりた)郡栗東町”といってたんだが、ここ数年で急激に人口が増え、宅地開発が進んでこともあって“市”に格上げしたんだとか。で、近畿圏屈指の“住みやすい町”としてインフラ整備が進み、滋賀県下で数少ない“財政黒字”の自治体としても名を馳せている。その理由は、いうまでもなくJRA栗東トレセンを有してるからであり、その関係で人口の何割かは“競馬関係者”という状況である。
ここからが本題、実は近隣市町村は、主だった産業がない(農業・漁業以外)のと、目立った土地開発(物流倉庫や精密機械工業等の用地)が行われていない上に、かなり財政が“火の車”状態なのである。そこで目をつけたのが、栗東市(この場合は栗東町)の財源の豊かさである。さっきも書いたが“栗東トレセン”があるということは、そこにはユタカやユーイチ、さらにはディープインパクトシーザリオ等の名馬が在籍しているという事で、
“ある馬がレースに勝つ→その賞金の一部はその馬を管理する調教師やその時の鞍上にいた騎手に贈られる→さらに馬主から管理委託料プラスアルファ(治療費や装具等の消耗品購入費等)を貰う→それらを栗東市内で購入したり、確定申告を栗東市で行う→ウマー(゚д゚)ー!!”
となる。従って、栗東市の財政の大半が中央競馬で保ってる様なモンであり、そして大規模なトレセンを開設するにあたって、一部住民の反対を押し切って推進した当時の栗東町の町議会の“英断”によってもたらされた話である。
そもそも“栗東トレセン”が開設されたきっかけは、阪神競馬場京都競馬場の周辺が住宅地として開発され、周辺に対する“悪臭公害”(そりゃ、馬を飼育してますから…)に配慮する為と、“関東馬優勢”だった状況を打破する為で、今から40年くらい前に計画が立ち上がり、その候補地として、名神高速道が付近を通るルートだったのを理由に当時の栗東町金勝(こんぜ)地区付近が選ばれたのである。守タン曰く、「“馬が8000頭以上一カ所に集まると、凄まじい悪臭で環境が悪くなる”と懸念する人が多かった。けど、ボクの幼少期には、農家では普通に馬は飼ってたし…。」だそうな。(でも、そうでなくてもオイラんトコから比べると、滋賀県なんてかなり…ry)
つまり、他の自治体が断った(滋賀県の他のトコにも候補地はあったらしい)が為の結果であり、今頃になって“甘いコト”を言い始めてる始末なのである。現在は中央競馬が繁盛しているからなんとかなっているが、管轄である農林水産省や民営化後のJRAが、方針変換で“廃止”となれば、この繁栄も消え失せるのである。いってみれば、ある程度の“代償”として“栗東トレセン”を受け入れたのであって、そういった“自治体同士の甘え”を見破って、周辺自治体との合併を断ったと推測される。
金銭的な“豊かさ”と引き換えに自然が奪われた地域だってあるし、その逆に自然を残そうとして過疎化して消えた集落だってある。どっちを取るかは、そこを生活の拠点にしている“住民”が決めることなんだけど、現在の様に昼間と夜間の生活区分がバラバラな環境下では、おそらくそういった感情や実感も湧かないだろう。それ故に現在人は、社会全体がおかしくなってることも、感じなくなってしまってるのだろう。