迷馬の隠れ家 はてな本館

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今ふたたびの“インディペンデンス”でぃ?!

明日、堺市はついに“政令指定都市”となる。“政令指定都市”とは、所在する都道府県の知事や議会を通さずに、国に対して直接に、都市整備やその為の予算を回す様訴えることが可能な自治体を指す。原則として人口が100万人以上の都市で、経済発展が著しいことが“政令指定都市”へ移行するための条件だが、平成17年度中に市町村合併を行なって、人口が80万人以上なら“政令指定都市”として格上げしても良いという特例を利用して、去年隣町の美原町と合併し、全国で(確か)15番目の“政令指定都市”として“独立”する訳である。
なんで“独立”と表記したかというと…

もともと堺という場所は、大阪府とは別の“地方自治体”として存在していた時期があるのだ。それは今から130年以上昔の話、明治政府による“廃藩置県”(はいはんちけん:今までの藩領制を廃止し、改めて政府直轄の自治体として、各地に“県”を配置した。)で、1回目の整理で大和川から南側と現在の奈良県全域を“堺県”として自治が行なわれていた歴史がある。しかしそれから数年後、金剛山より東側を奈良県として独立させ、残された大阪側の部分はそのまま大阪府編入し、堺県はその名残を現在の堺市役所周辺にとどめて“解体”されたのである。
そもそも堺市の市章(マーク)は、“市"という字を3個重ねたデザインであるが、その由来はかつてこの地を境に和泉・摂津・河内の三国に分岐した史実に基づいてこうなったのである。で、俗に“泉州・堺”なんて表記する人が多いが、泉州(和泉国:いずみのくに)に分類されるエリアは浜寺や石津付近であり、鳳(おおとり)や百舌鳥(もず)はどちらかというと河内国(かわちのくに)だし、浅香山(あさかやま)や遠里小野(おりおの)は摂津国(せっつのくに)に分類した方が正しかったりする。その境目の自由交易都市として土居川(川というより、街を囲む“堀”といった方がしっくりくる様なモンだが…)の内側に整備されたのが、大道筋(だいどうすじ:道路の真ん中に路面電車が走る大通り)が通る旧市街地である。現在は堺市役所周辺が(かなり寂れてるが)中心地で、人口が集中しているのが泉北ニュータウンの泉ヶ丘地区。最近では金岡から中百舌鳥にかけて、大阪市営地下鉄(御堂筋線)が延伸したこともあって再開発が進んできてるし、新なにわ筋から臨海線周辺も、少しずつだが開発されようとしている。
ま、今後の課題は市税がいきなり跳ね上がる様な散財を行政がしない様、市民が監視せねばならない事と、人口の流出をどうやって止めるかである。また、“独立”したとはいえこれからも大阪府の“一部”であることは変わりないのだから、府知事や関係機関を困らせる様な舵取りだけは…。