迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

関西の鉄道こぼれ話。

ホワイトリバーさんから、“なんで関西の鉄道は新型車両の導入が遅いのか”という質問に対して、オイラなりの“推論”で答えようと思う。全般的に関西の私鉄(市営交通含む)は、古い車両を結構大事に使う。というのも、鉄道会社によって、使ってる車両の規格が関東とは全然違うからである。つまり、新型車両導入の為には、相互乗り入れを行なう鉄道会社の、特に資金面で弱い方の規格にすべてを合わせなくてはいけない。その為、相互乗り入れを行なう鉄道会社は、双方の足並みが揃わない限り、新型導入に非常に時間がかかる。しかし、旧型(既存車両)の場合、中の機材だけ入れ替えれば、どこでも使える事を知ってるんで、新型のATS(自動列車制御装置)を導入しても、交換するのはそこの部分だけで、後はそのまんま“現役”で走らせる。故に、システムの変更が行なわれても、新型を入れるより、現役車両の中身を交換するだけで走らせた方が、コストパフォーマンスは安上がりになる。つまり、新型車両で運転手が操作に慣れないうちに事故を起こすより、慣れ親しんだ車両に改造を加えて走らせた方が“安全”とみなしてる部分がある。

また、最近でこそ“ステンレス無垢”車両が増えてきたが、関西は鉄道会社毎に“イメージカラー”があって、コレを車両にペインティングしている。ゆえに、車両のカラーリングひとつで、どこの鉄道会社の車両かが判別でき、路線も確認できる様になっている。例えば阪急電鉄はマルーン(小豆)色の車両で、屋根の部分がクリーム色。南海電鉄だと薄いブルーグレーにマリンブルーとオレンジのライン、(“ラピート”はブルーマイカ一色、“こうや・りんかん”は赤とクリーム色。但し高野線の新型はステンレスシルバーに赤のライン)京阪電鉄は濃淡の緑色2色使いが普通車、特急車両は赤と山吹色のカラーリング…といった具合に各社個性派なカラーリングが施されている。
さらに近鉄の場合、区間によってレール幅が違う(一昔前は、4種類あった)為、路線毎に車両が違う。そのため同じ近鉄の路線でも使われる車両が違う(レール幅の規格が違う)為、なぜか相互で乗り入れできないという区間もある。(アーバンライナー伊勢志摩ライナーでは、吉野線では使えないとか、その逆でさくらライナーは、京都線奈良線には入れないとか…。)
つまり、それぞれの都合で統一した規格を使いたがらないのが関西の鉄道会社で、“スルッとKANSAI"導入も、各社バラバラだったのも、そういった弊害が引き起こした“現象”でもある。(PiTaPaICOCAの相互利用もこういった事があって、JR西日本と私鉄各社が、なかなか折り合いを付けなかった。)
また、殆どの大手私鉄は、戦前から戦後に掛けて一度は“合併・統合”を行なった経歴があり、南海電鉄もかつては近鉄の“支線”であった事がある。(京阪電鉄阪急電鉄の“一部”になってた経歴あり)こういった事を踏まえると、阪神電鉄阪急電鉄の“経営統合”は、むしろ、“いつあってもおかしくない”組み合わせといえる。ま、そこいらの歴史を紐解いていると、今日中に更新できなくなるんでここいらへんで止めとくが…。