迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

アナが持ってる“オーラ”と“間合い”

時折、TVorラジオ番組を見聞きしてると、出演中のアナの声から“とてつもない”気迫を感じる事がある。で、それを感じたアナのプロフィールを確認すると、その“正体”が判明する事が多い。以前、“My favorite announcer”で奥田アナの話をやった時にも書いたが、特にベテランになればなるほど、その歴史の重みから醸し出される“オーラ”の様なモノを感じる事がある。今回は、その部分の話です。

あなたは、なにげにTVを見てる時に、画面上から“殺気”を感じた事がありますか?時代劇の場合は、役者自身も演技でとはいえ刀剣類を振り回してるからわかるんですが、ワイドショーやニュース番組等でそういう“威圧感”を感じたら、まずはそのメインキャスターの“プロフィール”を確認してください。もしもその中に剣道や武術を嗜んでると記載されてる(特に有段者の)場合、それが“原因”になってる可能性があります。というのも、武術を嗜む方は、本人は気付いていないんですが、自分を映してるカメラに対して、自然と“間合い”を取ってる事が多いんです。この“間合い”は、実は武術以外にも、囲碁や将棋、麻雀をやってる方や大学時代に落語研究部なんかに所属していた方にもあるんですが、落研経験者の“間合い”は、好戦的な“間合い”ではありません。どちらかと言えば、大衆に自分の話芸を聞いてもらおうとする為の“間合い”です。ですから、心理的距離感がなく親しみやすいキャラになりやすいです。しかし、“勝負師の間合い”を保有する武術愛好家やアマ棋士には、“自分対相手”という心理的距離感が一定で、その距離をなるべく縮めようとすると、かえってそれが“殺気”となってしまうのです。だからといって、アナとしては“失格”ではありません。
むしろ、スポーツ実況アナの場合は、この“殺気”が必要になる場面も多いのです。特に競馬実況の場合、騎手や馬の“駆け引き”を的確に判断し、それを言葉で伝える訳ですから、こういった部分を活かせない様では、レース途中でハプニングが発生した時の対応が遅れる場合があります。この“見極め”が最近のアナ育成では欠落してる様で、TVの場合は“見た目勝負”で技術が伴ってない、若手・中堅アナを最近では多く見かけます。
また、通常の場合最低3つの“オーラ”を感じるんですが、コレが一つもないアナが多いです。原因として、放送局間での移籍や社屋の移転なんかがあげられますが、根本的に放送業界自身がアナとタレントの区別をキチンと行なっていない為の弊害です。
で、その“3つのオーラ”とは
1:スタジオがある地域を特定できる“空間オーラ”
2:本人の出身地や性格に関わる“人格オーラ”
3:担当した番組の関係者との付き合いに関わる“人徳オーラ”
を意味します。
“空間オーラ”とは、入社してからおよそ3年以上経過した時から身に付くモノで、いわば“放送局のイメージ”そのもののオーラです。“人格オーラ”とは、言葉の“訛り”や私生活でのエピソード等から生まれる、言ってみれば“素顔の自分”です。そして“人徳オーラ”とは、経験を積めば積む程身に付く“周囲との信頼関係”から出てくるモノで、コレが大きい人程、多くの関係者から慕われます。こういうアナは定年で引退しても、そして既にこの世を去っていてもその影響力は絶大で、あらゆる場面で後輩達と比較されるモノです。
奥田アナから感じた“神戸の風景”は、彼がCRKのアナであった最もの証拠となる“空間オーラ”であり、逸見アナや生田アナみたいに、亡くなられていても多くのファンや関係者から慕われているのは“人徳オーラ”が大きいからであり、征平タンや道上アナが今でも“現役”でいられるのは、“人格オーラ”(仕事熱心な性格)が影響しているからです。さて、コレを現在の有力ドコの若手・中堅アナに当てはめると…いない事はないのですが、コレといった“個性”がないのです。また、ここんとこデジタル放送に対応すべく社屋移転や改築が行なわれた影響で、“空間オーラ”そのものがグジャグジャなのです。そのうえ、簡単に放送局を“移籍”したり、放送局が所属アナを“子会社”で扱うモンですから、余計にそういったオーラが消えるのです。カッコつけるのも良いですが、まずは基本的な部分での改革をやってくれないと…。