迷馬の隠れ家 はてな本館

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“チョコレート戦争”と視聴率

今年のプロ野球中継、特にジャイアンンツ戦は日テレ系であっても一桁台だった訳だが、他のスポーツ中継があった時はともかく、レギュラー放送のバラエティー番組にすら負けたのは、単にジャイアンツが弱かった事だけが原因ではない様な気がする。てのも、日本シリーズは対戦カードこそ(ファイターズファンとドラゴンズファンには申し訳ないが…)“主役不在”だったにもかかわらず、連日スゴい視聴率を記録した。(特に北海道では、初めての経験とあって、軒並み視聴率が“開局史上最高”という記録を打ち立て、優勝の瞬間に視聴率が70%を超えたという。)つまり、プロ野球そのものに関しては未だに人気があるものの、ジャイアンツ戦ばかり中継している地上波TV局に対して、一種の“視聴拒否”が発生したのではないかと考えられないだろうか?では、なぜこういう現象が起きたのか、タイムリーな話題ではないが、来シーズン以降の事を見据えて、オイラなりに分析しようと思う。

コレを読んでる方は、“チョコレート戦争”なる児童文学小説を読んだ事があるだろうか?あらすじとしては、老舗洋菓子店がディスプレイ用に巨大なチョコレートの城を制作し、それを見ていた小学生達がコレを食べてみたいと画策し、いざ“強奪”したのは良いのだが…という話である。ストーリーの流れ上とはいえ、店のモンを盗むのは当然いけない事なんだが、姑息な手段で子供達を騙した上に、自分トコの洋菓子の販売促進に利用しようとした魂胆が子供達を怒らせ、ついには“トンでもない”しっぺ返しを喰らわされるのがオチとして書かれている。
この部分に注目してほしいのだが、コレは欧米ではよく行なわれる企業の不正に対する“消費者の抗議活動”の一環である、該当企業生産品の“不買運動”を、コミカルに描いているのだ。
じゃ、コレとジャイアンツ戦の視聴率低下にはどう関係があるのか?そう、感が良い方は理解できたとは思うが、ココにポイントがある。つまり、視聴者をバカにしてきたツケが、ここ数年のプロ野球に関する環境の変化で表面化し、プロ野球機構やジャイアンツ戦贔屓のマスコミに“不信感”を抱いた地方のファンが、ジャイアンツ戦しか放送しない在京キー局に対して、徹底した“視聴拒否”を喰らった訳である。そしてそれは、大阪や福岡といった“地元球団”を抱える地域での中継差し替えや、放送割当ての削減といった追い打ちを喰らうカタチとなっているのである。
という事は、ここんトコ相次いでいる有力選手のメジャー流出も、ましてドラフト会議でジャイアンツを指名しない優良株が増えたのも、すべては“ジャイアンツ贔屓”で行なってきた“改革案”がすべて“ウラ目”に出たという訳である。
確かに、かつてのジャイアンツには瀬部ての選手に“憧れ”を与える様な存在だったが、よくよく考えるとそれは“生え抜き”だったからこその魅力であって、自力で選手を育成しようと努力しない球団に、金銭面以外での魅力がないとなるのは、当たり前の話である。
いくら“主砲級”と囁かれるバッターでも、いくら“防御率0点台”というピッチャーがいても、それを使いこなせる“勝負師”的な首脳陣でない限り、そしてそれに似合うだけの活躍の場を与えない限り、結局はムダになるだけである。そうなれば、有力選手は“新天地”を求めて日本球界から立ち去ってしまうだけである。その結果が、今日の“ジャイアンツのファン離れ”という現象と、ジャイアンツ戦しか中継しない在京キー局に対する不信感と、それに伴う“視聴拒否”が発生するのである。
せっかく12球団あるのだから、時には全国ネットでジャイアンツ戦以外のカードだってみたいと思ってるファンは多いと思う。また、地方の放送局だって、ただニュース読ませるだけにアナウンサーを雇ってる訳ではない。そういったチャンスを与えてこそ、初めて“全国ネット”としての意味を成すとオイラは思ってる。東京だけがすべてではない、地方にだって優秀な実況アナは、たくさんいるハズ。それを発掘して、全国区へ名前を売り込む事が出来れば、それだけでも放送局は未曾有のスポンサーを得て、資金的に潤う事が出来る。それを在京キー局が拒んだツケが、結局地方のデジタル化を阻んでる大きな要因であると考え方を発展させない限り、放送の改革は失敗する。
話が逸れたが、コレと同じで、いつまでもジャイアンツに頼る体質を改善しない限り、今後プロ野球は存続すら出来なくなる。“ジャイアンツだけがすべてじゃない”と気付いた選手は、今後日本のプロ球団を介せずに、直接メジャーへ挑戦する様なヤツがどんどん出てくると思う。そうならないためにも、まずは“ファン主導”のプロ野球への変革を行うべきだろう。そのためにも、今までの“悪癖”を一掃するべきではなかろうか?