迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

刑法と公営ギャンブルの話。

基本的な刑法に関する話です。競馬、競艇、競輪、オートレース、パチンコ・パチスロ、麻雀、宝くじ(ロト系含む)、トト、オープン懸賞。この中で刑法に抵触する“ギャンブル”はどれでしょう?正解は…実は全部刑法185条(賭博への関与)186条(常習での賭博参加、および賭博の開催)、および187条(富くじの禁止)に罰則規定のある“犯罪”です。但し、この中で実際に罰せられているのは、金銭を賭けた麻雀とパチンコ・パチスロでの景品交換で金銭授受があった場合です。(ま、実際は黙認されてますが…w)では、これ以外のギャンブルは、なぜ刑法で罰則があるにも拘らず、開催が“可能”なのでしょうか?この“カギ”を握ってるのが、各公営ギャンブル毎に制定された“刑法のアンチ法”による規定と、公正取引に関する規定での“抜け道”がある為で、それなりの“大義名分”がある限りは、決して“違法”とされないのです。(何年か前に、国道1号線で速度違反でとっ捕まった時に、警官がなにげに競馬新聞片手に“で、今週の狙い目は?”なんて尋問された経験がありますんでw)
つまり、この部分が“問題”なのであり、ここんとこの地方競馬の存廃問題にしても、パチンコを“公営ギャンブル化”しようという発想が出たりする背景にあるのです。

今日で開催が終わった神戸ルミナリエでは、毎年会場内に募金箱が設置されたり、公式チャリティーグッズがたくさん販売されてます。で、その中にはスクラッチ方式の宝くじも発売されてるのはご存知でしょうか?実はコレ、神戸ルミナリエの“運営資金調達”を目的とした近畿宝くじ(スクラッチ)のひとつです。そのため、近畿圏内の宝くじ売り場でもこのスクラッチだけは、期間中は購入可能だったのです。(ちなみに1等賞金は50万円、一枚200円で売ってました。)
この様に、地方自治体の有志で開催されるイベントや、広域での公共事業を行なう為の財源のひとつとして、宝くじは自治体および知事の権限で発売をされるのです。コレに関して刑法187条では原則として、“胴元”に対して2年以下の懲役、または150万円以下の罰金が科されると定められてますが、この“胴元”が自治体や国なモンだから、罰する事ができない(目的が公的財源の確保の為)のです。同じ理由で、競馬や競艇、競輪・オートレースでも、主催者(胴元)が国や自治体の“出先機関”である為、それぞれの“アンチ法(競馬法やモーターボート競争法等)”をもって公訴時効(こうそじこう:要するに“お咎めナシ”って意味)となってます。
10年くらい前に、競馬法に関する本が出版されてましたが、コレによると、競馬法で基本的ルールが制定されていて、JRA(日本中央競馬会)とNAR(地方競馬全国協会)でそれぞれの規定を設け、それに基づいて運営されています。従って、馬券での収益の一部は基本的に、農林水産省の機関であるJRAは国庫財源として取り扱われ、NARに登録のある(つまり自治体主催の)地方競馬は、地方財源として計上されます。だから、“赤字経営”とされた場合、改善が見込めないと判断された時点で廃止しても、ルール上問題はないのです。言い方を変えると、増収時に散財して公共事業やりまくった挙げ句、財政が改善しないと判断されたら、真っ先に“サービス廃止”の対象となっているのが公営ギャンブルの“運命”なのです。よって、単年では黒字でも、開始当初からの累積赤字がある以上、コレが清算されない限り、胴元が国であろうが自治体だろうが関係無く“廃止”は避けられないのです。ここんとこの公営ギャンブル廃止の“からくり”には、コレの計算方法がずさんで、本来のコスト以上に余分な経費を繰り込んで、公的資金の“ムダ使い”を揉み消してるのです。
話が逸れたので軌道修正、こういった“行政の都合”だけで、実は“公営ギャンブル”は開催されていて、そこを民間が参入すると、法律を“盾”にして阻害するんです。しかしそこには、暴力団や海外マフィア等の“資金源”として“公的レジャー”が利用されるのを防ぐ為の規制であり、それ故の権限なんです。ここんとこを理解して、大いに公営ギャンブルを楽しんでほしいですね。