迷馬の隠れ家 はてな本館

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あどランアーカイブ その31(筋書きのない“本音トーク”の話w)

“あどラン”の制作風景には、他の番組と違って、Qシート(番組進行の段取りを書いた時間配分表)以外の進行を司るモノは存在しません。つまり、出演者もスタッフもスタジオには一切、構成作家や脚本家が書いた“台本”を持ち込んで撮影をしないのです。(時代劇&舞台劇は除く)コレは番組の性質上、生放送に近い緊張感と“台本”では言えない(伝えきれない)本音の部分を自然に引き出す為の工夫でした。そのため、時として番組内でカメラを止めないと“ヤバい”くらいにエキサイトしたり、まったくその逆で“しらけムード全開”な状態で進行するケースが多々ありました。
もちろん、出演&担当予定のアナが自ら“資料”と称して持ち込む原稿とかはありましたが、あくまでそれは、自分自身の手で書きまとめたメモの類いで、外部の人間による“既製品”ではありませんでした。

ではなぜ、放送作家構成作家がいたにも拘らず、その人達に番組制作を“依頼”しなかったのか?それはショートコント系のVTR撮影時、ギャグの主旨をわかりやすくアナ達に説明し、円滑に撮影をするための脚本を書く事ためです。言い方を換えれば、番組の進行上において、あえて当事者同士での“トークバトル”の場に、ヘタな小細工をする必要性がなかったからです。故に、“新人類vs旧人類”や“関西人vs関東人”といった世代や地域ギャップのトークでは、思いもよらない“脱線事故”が多発し、コレが視聴者にバカ受けしたのです。
逆に言えば、放送作家の脚本どおりの展開だと、視聴者によっては途中でオチがバレたり、たとえ上手く番組進行ができたとしても、番組全体が“やらせ”状態になって、却って面白味が無くなります。こういった事を避ける為に、ワザとスタジオでの“台本”の使用を制限(原則禁止に)した訳です。そのため、番組全体を仕切るのに一番権限を持っていたのは、制作サイドでは“タイムキーパー”だったとかw ただ、他の“トーク脱線系”番組と違って、メインの出演者は精密な体内時計を持つプロ中のプロ(=アナウンサー)でしたから、どんなに話が脱線しようが、内容がグダグダになろうが、放送時間内にオチまでやってのけるため、意外と“お気軽”だったそうな。
真面目なネタでも、かなり悪ふざけなネタでも、通常のタレントならどっかで暴走し、収拾がつかなくなって“VTR編集”という仕事をやらないとマズいが、この番組においては、その編集担当がヘタな“編集”をしなくても、寸分違わずに時間内で収まったそうな。それくらい、当時のMBSのアナ達って他局のアナより“プロ意識”が高かった訳です。