迷馬の隠れ家 はてな本館

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大阪の復権には“自主開拓”が必須?!

“交流掲示板”の方で、プライムタイム(夕方〜夜の時間帯)での大阪制作枠の不振についての話が出てる様なんで、ちょっとそれ関連の話をこっちでやってしまおうって訳である。確かにここ数年、大阪枠の不振が続いているんだが、ぶっちゃけた話、殆どの番組が大阪の本社スタジオではなく、東京支社で用意した貸しスタジオでの収録モノが目立ってる事に着目してほしい。そう、折角の“大阪枠”なのにである。今から20年ぐらい前までは、実際に大阪本社スタジオでの収録・編集が当たり前であって、しかも系列キー局の東京スタッフを使わないのが“鉄則”でした。しかし、大阪の番組制作会社の倒産やタレントの東京集中が盛んになると、途端にプライムタイム枠に関しても東京支社が用意・手配したスタジオ…主に系列キー局の収録用スタジオを使っての制作がメインとなっていったのです。

つまり、近頃のテレビ番組は、以前このBlogでも解説した様に、系列キー局…つまりは東京の放送局との“共同制作”か、東京の制作会社が作った番組の著作権のみを大阪の放送局が請け負うという恰好になっているのです。その弊害で去年の“あるある事件”が発生したのは記憶に新しいのではと思いますが、要するに放送局の歴史や伝統にスタッフ自身が胡座をかいてしまってるのです。
“視聴率至上主義”な状況下である昨今のTV業界、それ故に本社が東京にある企業からスポンサー料を、しがない地方の放送局が単独で得る事は至難の業であり、それ故に東京の系列キー局経由での交渉になるのは仕方がないといえばそこまでですが、肝心なのは、そのスポンサー料は何の為には払われているかという事です。つまり、番組制作費がスポンサー任せな民放にとって、クライアントは視聴者ではなく、出資してくれる企業である事が前提であり、そこがGOサインを出さない限り、番組制作ができないのが現状であり、それ故に企業が応援しているタレントを起用しないとなれば、当然ながら“契約違反”という事でスポンサー料が値切られてしまうのです。(その点、NHKの場合は視聴者から有無も言わさずに受信料を取りますから、ナンボでもヘボい番組を作っても無問題w)
実はココに途方もない“落ちし穴”がありまして、視聴率はあくまで目安でしかなく、本気で良質なTV番組を制作しようと思ったら、そのスポンサーも制作サイドの“心意気”を了承できる程の気負いがなければ、結局“金太郎飴”状態なタイムテーブルにならざる得なくなります。つまり、自分達“仲間の可能性”を信じ抜ける度胸と、それに答えられる演出ができないから、スポンサー優位のヘボ番組の連発となっちまう訳です。
オイラが一番言いたい事は、地方局だからこそ自前の局アナ達の“実力”を信じてやるスタッフが居なくなった…否、全国区でも物怖じしない猛者を育成できる“名伯楽”がいなくなった事が、現在の放送業界全体の脆弱性を生み出したということでしょう。つまり、“特定のタレント以外じゃ数字か取れない”というジレンマこそ、実は虚構であり偽りであると確信しています。所詮、“数字”なんてのは後から付いてくる評価であって、最初からある訳ではありません。だからこそ東京で人気のあるタレントを使う為“だけ”に東京で収録するのではなく、地元で活躍している局アナやマイナー系タレントをいかに全国区で“活かす”かが、本社勤務の制作の腕の見せ所であり、それを思い切ってセールスするのが広報の担当ではと、オイラは思ってる訳です。逆を言えば、東京で粋がってるタレントなんて、所詮は地方をバカにしている自惚れ野郎であり、全国区で“愛されてる”と勘違いしてる訳です。そんなモノ、結局は知られるのも一瞬ですが、忘れ去られるのも一瞬です。相対して地元(地方)では、どんなにメジャーになっても、最後まで応援してくれる訳であり、かつて“水曜どうでしょう”がローカル番組なのに全国にコアなファンがいるという“珍現象”が未だにあるというのは、まさしくそこに“原点”があるからこそだと思われます。要するに、今の視聴者が求めてるのは、東京で機械的に作られた番組ではなく、“その地方でしか見られない番組”という素朴で個性的な内容なのです。
つまり、大阪の放送局制作のプライム枠復権の“鍵”は、いかにして“大阪らしい放送”にするかであって、全国区だからと恰好をつける必要性はないのです。もっと言えば、“自分達だけで作る”という行為がどれだけ誇らしい事かに気付き、自信を持って制作する事こそが、大躍進への第一歩だと思ってます。