迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

エクウステーション 3月号

競馬ファンの皆様、こんばんは。今月もエクウステーションの更新時間となりました。最後までお付き合いください。
さて、今月の話題は、なんといっても新人騎手のデビューの季節です。今年は競馬学校出身が3名、地方競馬からの移籍が2名という事ですが、注目は南関東の大井競馬からの移籍となった内田博幸騎手でしょうか。しかし、俺が取り上げたいのは、そんな話ではありません。今年は高知競馬から高野宏史騎手が一次試験から受けて移籍しましたが、ここのところ、こういった地方競馬の騎手が中央競馬や他の地方へに移籍するケースが目立つ様な気がします。もちろん、きっかけは安藤勝己騎手の移籍に関する件だったのはいうまでもありませんが、やはりこういう傾向の裏には、地方競馬が直面している厳しい現状と、それを打破できない事に対する競馬サークル…特に騎手の苛立ちがあるのではと思われます。

というのも、高知競馬では現在、県としての見解として、廃止もやむないというトコまで財政が悪化していて、今年の交流レースの一つ、黒船賞が今年は“資金不足”という事もあって、開催されない事が決定しています。そこまでして財政を圧縮せざるえない状況では、調教師や厩務員もさることながら、騎手にとっても死活問題です。騎乗機会がある間は良いですが、それでも中央競馬と比べて賞金が低すぎます。中央では平地の一般競走でも一着賞金は500万円、そのうち、騎手がもらえるのは5%ですから、25万円です。しかし、地方競馬の場合、交流レースでも酷いケースでは一着賞金が100万円に満たない事があります。(一般レースだと、賞金が50万円なんてのもザラにあります。)つまり、どんなに地元のリーディングジョッキーであっても、中央競馬の交流レースに騎乗する機会がないと、生活ができない騎手もいる訳です。事実、去年のWSJSに出場した赤岡騎手は、獲得した賞金(GブーツトロフィーとWSJS総合3位)を、出場を快諾してくれた関係者や騎手達と分かち合ったと聞いてます。もちろん、これはあくまで特殊な例ですが、他の地方競馬でも状況は同じです。(ただ、南関東は立地条件の関係で、他の地方競馬とは事情は違いますが…。)
しかし、問題はそれだけではありません。地方から腕のいい騎手が移籍するという事は、それだけ分、中央の若手騎手や騎乗依頼が少ないベテラン騎手にとって、それは死活問題にもなります。馬主の心理から、どうしても自分の愛馬を勝たせたいと思えば、必然的に戦績の良い騎手を選びたくもなります。そうなると、中央でも実績のある地方の騎手が移籍してくれば、必然的に騎乗依頼をしたくなるもの。そうなれば、中央の騎手と言えど騎乗依頼が減るのは確実です。
地方競馬の現状がどうにもならないなら、中央への移籍は誰しもが考える事でしょうが、でもそれが良いとは、俺自身は思ってません。むしろ、そうやって地方競馬の将来を悲観してる騎手がいる事が、俺としては悲しいのです。当然ですが、地方競馬がこれ以上衰退しない様にするためにも、主催者の自治体はもちろん、競馬サークル内が何らかのカタチで中央競馬に負けない程の魅力を、生み出す環境が必要なのかもしれません。
今月は、これで失礼します。担当は、シンでした。